- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122035508
感想・レビュー・書評
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東晋というほとんど書かれない時代をある女性の目を通して描く。しかも半分は南京(建康)が舞台。素晴らしい。ただ南京なのか会稽なのかはっきり分からない部分もある。
そして残念ながら間違いが多い。
-春秋時代の呉の都は呉都、蘇州
-京口は現代の鎮江
-会稽は現代の紹興、南京の下流ではない
こんな間違いが文庫本にも残っているのは編集者も分かっていないのか。後書きの陳舜臣はいくらなんでも分かっているはずだが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者の井上氏は この小説を書いてから全く書かなく?書けなくなった。体調不良なのか、残念である。
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井上祐美子さんの中国ものはどれも好きですが、「非花」とか女性中心のお話は特に素晴らしいと思います。
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国の盛衰と名家の盛衰を、「柳絮の才」と呼ばれた謝道ウン(漢字出ません)という女性の視点から描かれた話。謝道ウンは東晋の謝安の姪、謝玄の姉で、また書家として有名な王羲之の義理の娘です。謝道ウンの一人称で昔を振り返りながら語られているのですけど、有名な肥水の戦いが現実問題として目の前にあるような気がして、こうやって歴史は綴られていくんだなと思わされました。それから、中国人の名前は覚えるのに一苦労なのですが、何度も繰り返してあって分かりやすかったです。
2003/03/27