科学者と世界平和 (中公文庫 B 1-25 BIBLIO20世紀)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039681

作品紹介・あらすじ

卓越した科学者としての影響力を駆使して世界平和のため力を尽くしたアインシュタインとソ連の科学者たちの書簡をまとめた「科学者と世界平和」、本質において単純明確な理論をミクロの世界にも求めた「物理学と実在」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • アインシュタイン 昭和22年の論文「 科学者と世界平和 」

    核兵器は 世界を破滅させるから、世界政府を作って 核兵器を使えないようにしよう、とする論調。

    ショッキングなのは 天才物理学者 アインシュタインが 科学の進歩では 核兵器の世界破滅を止められないと判断していること。

    国家間の競争意識、相反利益を否定し、イデオロギー、国家主権の違いを 飛び越えた 世界政府の樹立という現実味のない 選択肢しか 提示できないことに驚く


    世界政府の概要
    *究極目標は 一つの世界〜世界政府そのもの
    *競争意識、相反利益、相互の猜疑心が 両国の緊張状態を生む
    *世界政府の目標=全人類の安全、平等、福祉の保証

    「全体的破滅を避けるという目的は 他のいかなる目的より優先されるべき」

    原子力の国際的な制御や管理、軍備撤廃について 完全な意見の一致を得るには 国家主権という伝統的概念の修正が必要〜超国家的な秩序の樹立

    ロシア科学者の反論に対して
    「いざこざにおいて、知的に振舞うことができるのは〜その反対者の考えていること、その動機を 全面的に理解し〜相手の目を通して 世界を見ることができる〜場合に限られている」

  • この時代から問題視されていた安保理の拒否権が未だ不適切な活用をされ、国家の利権のための道具と化してるのはなんとかならんのか。
    大戦後、議論が出たにもかかわらず世界政府やそれに類するものの構築をせず、相も変わらぬ国連と安保理。そろそろ限界が来てるような気がしなくもない。

    ニュートンは帰納法だから感覚的に掴みやすくて面白い。
    アインシュタインは演繹だから一般化されすぎていて、綺麗だけど分かりづらい。
    次はボーアか。

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著者プロフィール

アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)
ドイツ生まれの理論物理学者。1879年3月14日生まれ。チューリッヒ工科大学を卒業後、ベルンで特許局技師として働きながら研究を続け、1905年に特殊相対性理論など画期的な3論文を発表。1916年には一般相対性理論を発表。1921年度のノーベル物理学賞を受賞。この時期から世界各国を訪問するようになり、1922年~1923年に訪日。ナチス政権の成立にともないアメリカに逃れ、以後はプリンストン高等研究所を拠点に研究を続ける。1955年4月18日死去。「20世紀最高の物理学者」「現代物理学の父」等と評される。

「2019年 『アインシュタインの旅行日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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