極め付き時代小説選 3 動物 (中公文庫 な 51-9)

著者 :
制作 : 縄田 一男 
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 8
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122044463

感想・レビュー・書評

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  • 村上元三「戦国狸」を含む動物歴史短編小説集。
    「戦国狸」は、全国制覇を目指す織田信長が阿波の三好将監を押し立て、四国制覇を行おうとした時、刑部狸率いる四国の狸たちが自身らを保護する伊予国の石川通清を扶け、これを防ごうとする。登場する戦国武将はほぼ実在のものなのに、狸らは彼の地の伝承によらず、刑部狸以外はほぼ作者の創作による。そのため、歴史好きにとっては面白いものとなっっているかもしれないが、たぬき好きにとっては、今ひとつ物足りない感じ。

  • 時代物のアンソロジーを多く編む縄田一男のなかでも、異色の一遍ではないでしょうか。
    時代物のと言えば、捕物帳や人情もの、股旅物などが多いですが、こちらは「動物」がテーマだけあって一言で分野をくくれないものばかり。こんな小説があるのか!と新鮮に感じます。
    時代物はすべて同じに思えてしまう時、時代物は好きだけど少し飽きたという時にピッタリでした。

    挿入作の作者は以下の通り。
    杉本苑子/柴田錬三郎/岡本綺堂/角田喜久雄/伊藤桂一/野村胡堂/綱淵謙錠/陳舜臣/新田次郎/山本周五郎/村上元三/澤田ふじ子

    どれも面白い味わいのある作品ばかりでしたが、敢えて好きな作品を上げるとしたら伊藤桂一「犬曳き侍」でしょうか。読んでほっとする今時珍しいお話でした。

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著者プロフィール

杉本苑子

大正十四(一九二五)年、東京に生まれる。昭和二十四年、文化学院文科を卒業。昭和二十七年より吉川英治に師事する。昭和三十八年、『孤愁の岸』で第四十八回直木賞を受賞。昭和五十三年『滝沢馬琴』で第十二回吉川英治文学賞、昭和六十一年『穢土荘厳』で第二十五回女流文学賞を受賞。平成十四年、菊池寛賞を受賞、文化勲章を受勲。そのほかの著書に『埋み火』『散華』『悲華水滸伝』などがある。平成二十九(二〇一七)年没。

「2021年 『竹ノ御所鞠子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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