サロメ: ナクソス島のアリアドネ/こうもり/ナブッコ (中公文庫 S 21-7 マンガ名作オペラ 7)
- 中央公論新社 (2007年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122048256
感想・レビュー・書評
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サロメ、のみ読了。オスカー・ワイルドの原作の雰囲気がよく出てたと思う。思いつめた上の極端。そこに至るまでの退廃した雰囲気。
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オペラの内容に倒錯的な世界観を盛り込んだ傑作のひとつである「サロメ」ギリシア悲劇を劇中劇とした「ナクソス島のアリアドネ」J・シュトラウスの風刺劇「こうもり」さらにはヴェルディの「ナブッコを収録。
漫画家、里中満智子先生による傑作オペラの漫画化第7弾です。ここでは聖書とギリシア神話に材をとった作品が多く収録されているなという印象を持ちました。ことにサロメは新約聖書。ナブッコは旧約聖書のお話がもとになっているので、興味をお持ちの方はそちらも参照にされてみるのもよいのかもしれません。しかし、J・シュトラウス「こうもり」は上流階級の爛熟、腐敗した様子をあくまでコメディタッチで描いた作品ですので、コレを見ていると、「時代の転換点」というものを意識せざるをえませんでした。
「ナクソス島のアリアドネ」はギリシア神話のエピソードとコメディという全く違ったジャンルの劇を一つの舞台で上演するというテーマの下で、演じる俳優・女優と若い演出家とのせめぎあいや葛藤が描かれているのが印象的でした。しかし、インパクトの強さといえばサロメの右に出るものないでしょう。預言者のヨハネ(ここではヨナカーン)とサロメとの倒錯的な関係。ハイライトでサロメが踊るのは現代で言うところのストリップで解説を読んでいると実際に演じられるときも裸身にスケスケのベールを着た状態で演じられるそうで、当時もそうですが現代でもオペラというものは「やんごとなき」方々の見るものであり、『紳士淑女の社交場』であるオペラ会場にこういう物語が展開されることに、のけぞってしまいました。
最後に取り上げる『ナブッコ』は有名な合唱である『翔べ!我思いよ。黄金の翼に乗って』は『イタリア第2の国家』として現在でも歌い継がれていることは知識として知っていました。旧約聖書における『バビロン捕囚』を舞台として展開される悲劇の物語。神を冒涜したゆえに一度は雷に打たれて自我を失ってしまうナブッコ王が、自らのおろかさを悔い改めることによって嘔吐しての威厳を取り戻すという展開は『お約束』でしたが本当に面白かったです。 -
壱岐などを舞台とした作品です。
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立ち読み:2011/1/27
サロメの妖艶な雰囲気を結構よく出しているのではないかなぁと思う。
ただ、「今すぐここへ、銀の大皿に載せて…」「ヨカナーンの首を」と言うときのサロメは、恋の欲望に支配された少女というよりは、恨みによって狂い、復讐を果たそうとする大人の女に見えた。
まぁ、ここは漫画家さんと自分の解釈の違いなのかもしれないけれど。自分は、サロメはヨカナーンに拒絶された「復讐」のために首を切らせたのではなく、ただひたすら口づけしたい、という「欲望」を叶えるためだけに首を望んだのだと思っている。
サロメが黒髪ストレート、というイメージは持っていなかったので(ビアズリーの挿絵のせい?)、新鮮だった。 -
気になって、図書館で借りました。
漫画だけじゃわからないところが多かったかなあ。