北里柴三郎(下)―雷と呼ばれた男 (中公文庫 や 32-3)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049291

感想・レビュー・書評

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  • 伝記です。自伝じゃありません。 研究に向かうその姿勢がやはり並ではありません。これまで偉大な結果を残してきた人物は総じてそうなのかもしれませんが、意志力、芯の強さが本当に驚異的です。もちろん、一人の力ではなく、福沢諭吉やその腹心で北里を経営面で支えた人物、同郷の出身で北里を引き上げた人物さらに色々な面でお互いを刺激し合ったであろう森鴎外など周囲の人々の助力によるものがあると感じます。しかしこのような環境を作るのはおそらく北里自身の強い人物像なのでしょう。決して聖人君子ではありませんが、人情味あふれ雷親父といわれる当たり、非常に好意的に見ることができました。 現在研究をしていると身としては非常に、自分への励ましになり、刺激になります。日本人としては、このような偉大な先人がノーベル賞を受賞できなかったことは残念です。現代を北里が眺めたらどう感じるのか聞いてみたいものです。

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著者プロフィール

山崎光夫
一九四七年福井市生まれ。早稲田大学卒業。放送作家、雑誌記者を経て小説家に。八五年『安楽処方箋』で小説現代新人賞を受賞。医学・薬学関係に造詣が深い。小説に『ジェンナーの遺言』『ヒポクラテスの暗号』『精神外科医』『風雲の人 小説・大隈重信青春譜』『小説曲直瀬道三 乱世を医やす人』など多数。ノンフィクションに『東京検死官』『逆転検死官』『戦国武将の養生訓』『薬で読み解く江戸の事件史』『胃弱・癇癪・夏目漱石 持病で読み解く文士の生涯』など。九八年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で第十七回新田次郎文学賞を受賞。

「2023年 『鷗外青春診療録控 本郷の空』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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