テレビくん 改版 (中公文庫 コミック版 み 1-14 水木しげる妖怪傑作選 1)

著者 :
制作 : 呉 智英 
  • 中央公論新社
4.07
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本棚登録 : 43
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049451

感想・レビュー・書評

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  • ■テレビくん 1965年
    出世作。
    水木式「風の又三郎」。
    布枝さんが泣いて喜んだという講談社漫画賞。

    ■河童 1965年
    三平ではない河童もの。
    63p、65p、と風景主体のコマが、美しい。
    水木の風景好き。

    ■丸い輪の世界 1966年 ★
    幼い妹が行ってしまった死後の世界への入り口。
    これは涙腺に来る。
    ツイッターで今回知ったが、2016年の水木しげる先生のお別れ会、献花台がこの丸い輪のイメージで作られたんだとか。
    しかも京極夏彦発案なんだとか。

    ■化木人のなぞ 1969年
    なんと小栗虫太郎「人外魔境」が原作。
    思う存分アマゾンの樹々が描けて嬉しかったことだろう。
    そして地下で、諸星大二郎「生物都市」を彷彿とさせる造形のモノと。
    調べてみたら、手塚治虫が「黄色魔境」、松本零士が「有尾人」を描いていて、ブームだったんだな、と。
    また、マックス・エルンストの『慈善週間または七大元素』を真似ているコマがあるんだとか。編集編集。

    ■コロポックルの枕 1970年 ★
    扉絵にしてから、あ、つげ義春の筆じゃん、と笑ってしまうくらい、好色顔。
    浪人生が誂えたように「よさげな女性」と出会うので、いつ一線超えるのかと期待してしまった。
    が、話は奇想天外、大情況的SFへと発展し、果ては小松左京や、アイザック・アシモフ「地球幼年期の終わり」かくやという地球の真相が明らかになり、しかも星野之宣にありそうな抒情的壮大さで締めくくられる……こりゃ凄い。

    ■最初の米 1967年
    ヨギとモギという少年の話と思いきや捻られていて、亡者側の視点が結構描かれる。
    そして古事記っぽい話へと。
    宮崎駿「シュナの旅」も連想できる……共通する何かがあるんだろうな。
    なんでも近藤ようこは本作が一番好きな水木作品なんだとか。小学生で読んで以来だとか。しぶい。

    ◇この世の確からしさへの懐疑 呉智英

  • 水木さんの漫画は濃いなぁ。ゲゲゲ人気で手に入りづらかったのが、また読めたのがうれしい。

著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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