これだけ違う男と女 (中公文庫 わ 6-21)

著者 :
  • 中央公論新社
3.13
  • (2)
  • (0)
  • (11)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 45
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049956

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 女性二人と渡辺淳一の対話形式で、男女の違いを語り合っているのだけど、これが中々。分かりやすくて、臨場感があって、自分もその会話に参加しているようで楽しい。ハッとさせられるような名言も幾つか。例えば、人間か動物かという見方ではなく、オスかメスかで区別した時に見えてくるものがあるという事。無差別にサービスするという事は、心を入れないという見方だというような考え方。

    渡辺淳一の包み隠さぬストレートな男性の考え方。女性が嫌悪せずに聞き入れるのは、人柄もあるだろう。終始セックスの話に帰結し、性の多様性や不倫を認めぬ考えを幼稚だとバッサリ。不倫の是非は昨今の社会問題としても議論の余地があるだろうが、この本では、人間もひと皮剥けばオスとメス、ということで始まっているので、そのような読み方が良いかも知れない。

  • P197
    恋愛をすると、生きているという
    圧倒的な実感を得られる

    P197
    不倫している妻は、していない妻より、
    人生を三倍くらい楽しんでいる

    P198
    愛人をつくる男は、そもそも異性の扱い方が上手で、
    家でも妻を満足させられるケースが多い。
    セックスはもちろん、会話や優しさの
    表現に長けているから

    P200
    戻る場所がある安心感は大きい

    P203
    恋愛における大変なエリート

    P203
    打算できるのは、選択肢があるから。
    どの服を着るか悩むのは、
    二着以上持っているから。
    一着きりだったら迷いようがない

    P204
    グレーという色は、あいまいな分だけ、
    複雑な味わいがある

    P204
    あいまいさや選択肢の多い人生は、
    それだけ豊かな人生だともいえる

    P208
    女性はある一線を超えると、
    男よりはるかに潔く、大胆

    P218
    たしかに、見るからに疲れたオジサンが多い

    P220
    肉体的に深まらない愛は、
    純粋な意味で、愛とはいえない

    P263
    結婚というのは、子育てにはいいシステムだけど、
    男女の愛の持続には向いていない

  • そのくらい、僕も知ってるよ、そんな読後感でした。と、強がりを言っておこう。

  • なるほど、と唸りながらも笑っちゃった。あっというまに読めます。

    P136 女性はそこまで強烈な性欲がないからわからないけど、男の性というのはそれぐらい切実で悲しいものだということを理解してあげてほしい。

    P226 打算できるのは選択肢があるからで。パーティーへいくとき、どの着物を着ようかしら、なんて悩むのは二着以上は持っているからでしょう。一着きりだったら迷いようがない。一着もない場合も。そうなるとパーティーへはいけない。

    P227 女性は中途半端な関係を続けるくらいなら、どこかで白黒はっきりさせたいと思う人が多い。男はずっとグレーで平気だけれど。(中略)グレーという色は曖昧な分だけ複雑な味わいがある。黒か白かの単色を求める人には、そういう奥深さは味わえない。見方を変えたらあいまいさや選択肢の多い人生はそれだけ豊かな人生だともいえる。


    P244 アメリカやフランスでは、自分の妻がほかの男から狙われたり、あるいは自分が人妻を狙うのは常にありえる危険というか、ときめきである。だから夫婦の間に常に緊張感がある。

    P252 日本の男は照れ屋で不器用で自分勝手で、それができない。

    P259 あまり妻にいい思いをさせて、すごくよかったわ、またあれをお願いしますします、と言われるのが怖い。妻以外なら逃げられるけど、妻からは逃げられないから。
    男がセックスをするにはかなりのエネルギーがいる。だからそれを日常的にするにはしんどい。


    P282 緊張を強いる荒波もいいけれど、最後は馴染んだ川にもどっていきたい。男というのは鮭と同じだから。

  • なんていうか、爆笑。

  • かの有名な渡辺淳一、一度読んでみたかったんだよね。なんとなくは分かっていた男の人の習性を口で説明され、改めて納得。
    自分も結婚⇔恋愛の線引きをしとかないと行けないな、と思った。男が自分と同じ考えでいてくれると思ったら大間違い(笑)

  • 男と女ってこんなにも違う感覚なの?
    と思った私
    目から鱗です
    男女関係が良好になるためには まず理解からかな(笑)

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡辺淳一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×