ゆりかごで眠れ (上) (中公文庫 か 74-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051300

感想・レビュー・書評

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  • コロンビアの日系人ギャングが日本で暴れまわる、「ワイルドソウル」を彷彿とさせる、ハードボイルド・サスペンス。

    主人公、麻薬密売組織の若きボス リキ・コバヤシ、やり手だがヤク漬けの新宿署組対課警部 武田、刑事に飽き足らず警察を退職した若槻妙子の三人のキャラが立っている。まあ、養女カーサの縁でリキと妙子が引かれ合う、というオチなんじゃないかな。

    「ワイルドソウル」のような盛り上がりには欠けるかなあ。

  • しびれた

  • 暴力的で切なさのある話で好きな部類の小説なので、この世界を楽しんだ。コロンビアと日本が舞台だが、思ったよりすんなり読めた。

  • 南米コロンビアの熱いイメージに包まれたハードな匂いに惹きつけられるのだろうか・・・。 ワイルド・ソウルでもそうだったけど、南米を舞台にした垣根さんの作品は熱いな〜。ワクワクしながら下巻へ・・・。

  • 切ないな、と。

    男性登場人物はみな自分の好みです。格好いい。
    女性登場人物は、相変わらず、一筋縄ではいかないタイプばかり。
    というか、年増好み?

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    凄絶な幼少期を過ごしながらも、コロンビア・マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。その彼が、ひとりの少女を伴い来日した。目的はライバル組織に売られ、日本警察に勾留されている部下の奪還と復讐、そして…。ひとりの男と、彼に纏わる人間たちの愛憎を描く傑作巨篇。

  • 日系コロンビア人がマフィアのボスとして警察に捕まった仲間を奪還する。運命に逆らわず信念を曲げずに生きていく姿が魅力。ハードボイルド。



  • 垣根氏のサラリーマンシリーズも、もちろん面白いが、やはりギャングものの方が個人的には好みだな。

    コロンビアの日系移民であるマフィアのお話。もちろんフィクションであるが、コロンビアにおける麻薬ビジネスの最盛期だった史実を盛込み進むので、入り込みやすい。
    ただのドンパチなんて描写ではなく、垣根氏は心理描写がとても巧い。
    欲に対する描き方が、ドライでシンプル。

    同じ境遇の少女を荒んだスラムから拾うのだが、上巻読み終えると映画『city of god』を彷彿させつつ、『レオン』的になってゆくのかと思わせる。

    下巻も楽しみ。

  • 出てくる女がまた激しすぎる

  • ワイルドソウルがすごくよかったので 続けて読んだ2作目がこれ。
    これも好き。
    ワイルドソウルとは また趣が異なるけど こういう話も大好きです。

  • 名作です。

  • 垣根さんの作品にしては前半が読みづらかったけれど、その後おもしろく、加速して読んだ。

    垣根さんの南米を表現する力は常に活き活きとしていて、想像力を書き立てられる。
    その土地に行きたいと思う気持ちにさせられる。

    後編も楽しみ。

  • 走り続けないと未来には到達できない。
    スポーツカーがいかに疾走しても、オープンカーの楽しさには勝てない、のか。

    (以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
    ○非合法の組織を率いるリーダーにとって究極必要なのは、
     優しさでも度胸でもない。
     事務能力の高さや腕っ節でもない。
     そんなものはしょせん、参謀クラスや実行部隊に属する連中の美徳にしか過ぎない。
     部下との間に絶対的な信頼関係を築く能力があるか否かだ。(P.153)

    ●描きたいものがまず中央にあり、太陽と虫の配置のバランスもいい。
     つまり精神のバランスです。
     (中略)
     生きているものに興味がある。
     (中略)
     花は、『大事に保護されている自分』というものを無意識感じている子どもが、
     よく描く題材でもあります。
     (中略)
     一般的に五、六歳の子供が人物を描くとき、
     首まで描くことは非常にまれです。
     (中略)
     観察力です。
     言葉をまったくしゃべらない緘黙の子どもに、数多く見られる事例です。
     (中略)
     すべての絵の対象物がこの中心線を通っている。
     精神のバランスを大きく崩した子供の絵は、もっと中心線からバラけてくるものです。
     (中略)
     子どもが自分にとって遠い存在の相手を描くときに、よくこうなります。
     (P.242-247)

    ○理屈ではありません。
     失語症の子によく見られる、いわゆる第六感のようなものです。
     言葉という伝達手段を失った代わりに、他の感覚が異常に鋭くなっていきます。
     誰かがこのこの鏡を通して自分を見ていることを、
     なんとなく感じ取っているのです。(P.256-257)

  • 垣根涼介は2作目。
    最初に読んだ、ワイルド・ソウルが面白くて、同じ中南米が関連した本書を読んでみた。

    コロンビア出身の日系人が主人公。
    なかなか、面白いが最後がちょっと残念。
    ハッピーエンドを期待していた。

    コロンビアの描写はなかなかリアルでした。

  • ・あらすじ
    日系人が子供つれて日本でゴタゴタするはなし。
    ・かんそう
    面白いがワイルドソウルのほうが好き。悲劇だね。

  • 裏世界で生きる男に孤児の少女という王道の組み合わせに、作者らしく日系移民二世を主役に据えて、コロンビアの背景とアンダーグラウンドでの生き方を容赦なく描く。そんな中で信を理念に組織を回すリキの姿はある種のピカレスクと言えるが、悲惨な結末しか想像できないのが怖いところである・・・。思わせぶりに挿入される薬中警官と妙子の存在がどう絡むのかも気になるところで下巻。

  • レビューは下巻にて!

  • けっこうなハードボイルドでした。

  • つまらないので返却

  • 貧乏なコロンビアでの日系二世、のし上がる為にはマフィアになるしか無かった。他のボスとは違って情に厚いマフィアのボス。今回は日本警察に勾留されている仲間の奪還と裏切りの復讐。

  • コロンビアの国の情勢について無知だったので、衝撃を受けた。

  • 設定をコロンビアにしなくても良い気はするが、そこは垣根ワールド。いつもどおり炸裂してんな!タイトルもうまく終着点に導いているんだろうな。下巻が楽しみ。

  • コロンビア、ギャング、麻薬、そして日系の孤児。得意の垣根パターン。なぜか惹かれる。

  • 下巻に続く

  • 久しぶりに読んだ、垣根作品。

    ギャングの抗争?
    暗い過去を持ちながらそれをすべて掬い取り、自分で必死に耐える主人公と、
    そのココロの隙間にすーっと運命的に差し込まれた少女。

    緊張感と非情な中にほんのりと灯る暖かさ。
    垣根作品のバランスの方程式がここにも生きている。

    最後は切なかったけれど、それでも救いがあるような気がした。

  • ワイルドソウルと同じ著者の同じく南米/日本もの。本作はコロンビアの麻薬組織ネタ豊富です。下巻に続く。

  • (欲しい!)/文庫

  • 南米コロンビアを舞台に、ギャングの生き様を描いた物語。
    麻薬に、殺人日本では非日常の世界が当たり前の国。
    ラテン系の気質を持ったコロンビア人。
    ギャング一人一人の個性を描き出す事で、物語が生き生きとして
    楽しい。重たい内容のはずが。。この作者の手に掛かると、ヤッパリ軽く
    すっーと読めちゃいます。ワイルドソウル好きな人は、これもお勧め!

  • 下巻にて。

  • コロンビア育ちの日本人、エルハポネスことリキが率いる麻薬密売組織の優秀な殺し屋(シカリオ)が警察につかまった。「仲間を絶対に見捨てない」エルハポネスの、シカリオ救出劇を通じて、移民として育ったリキの生い立ちから組織のトップとなるまでや、組織の仲間の人生を描いた長編。

    垣根涼介の真骨頂、といった感じの、血と汗と麻薬と殺しとセックスの入り混じった、ハードボイルド小説。ほんと、男の人じゃないと書けない渇望感だなぁ。と思います。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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