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- Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122052307
作品紹介・あらすじ
二十世紀は「群衆」の時代だった。日露戦争以後、漱石、啄木、大杉栄、夢野久作らが見た新しい群衆。その本質と変容を色彩豊かに描き出し、戦後大衆社会論を超克する視座を提示した画期的論考。読売文学賞(評論・伝記部門)受賞作。
感想・レビュー・書評
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漱石、啄木、大杉栄、夢野久作、中井英夫らの著作を絡め、二十世紀の群衆像を暴き出す。国家権力に抗うために結集した群衆がやがて機械の歯車となり数として括られる。筆者の真骨頂である都市論も読み応えあり。都市の喧噪に蠢く群衆が傀儡の蛆虫のようで気色悪い。しかし多数に迎合するのが人間の心理である一方、個人には絶望から這い上がる底力が潜在している。思想、文学、芸術が目覚めの力となろう。ところどころ挿入する金子光晴の詩がキリっと響き、やっぱりこの反骨の詩人めちゃかっこええ、と何度も唸りあげたことは言うまでもない。
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100110朝日新聞書評
“20世紀の日本社会を群衆のあり方を通して分析する。”
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