「悲しき熱帯」の記憶: レヴィ=ストロースから50年 (中公文庫 か 29-2)
- 中央公論新社 (2010年10月23日発売)
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感想 : 4件
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- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122053854
作品紹介・あらすじ
日本人と同じモンゴロイドの遠い枝分かれが、地球の対極で、16世紀以来の白人の掠奪と殺戮の果てに、いま絶滅の危機に追い込まれている。レヴィ=ストロースが名著『悲しき熱帯』の舞台となったブラジルを訪れて50年後、恩師の足跡をたどってこの地を旅した文化人類学者は何を見たか。最後の狩猟採集民ナンビクワラの現状にも接し、「なぜ熱帯は悲しいのか」を考える。
感想・レビュー・書評
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悲しきの意味とはこういうことだったのかと読みました。
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レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』があまりに面白く、もうすこし知りたいなと思って、訳者の方の本も読んでみることにしました。前半のブラジル旅行記はかえって師匠の偉大さを思わせるばかりであまり感心しなかったのだけど、いちばん最後の「私にとってのブラジル」は非常に面白かった。西アフリカを専門とする著者が、西洋‐ブラジル‐西アフリカ‐日本をつなぎながら、奴隷交易をばねとした異なる近代の形成を論じた部分、歴史を必要とする社会と必要としない社会の考察、「開発」への人類学者への関わりなど、レヴィ=ストロースの問題意識を現代にあらためてつなぐかたちで深みのある議論を提起している。
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読みたい本。
新聞広告によると「ブラジルで、2人の文化人類学者が時を隔てて見たものは」とのこと。
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