- Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122057784
作品紹介・あらすじ
同級生の少年が運転するバイクに轢かれ、美しく優しかった姉が死んだ。殺人を疑う妹の結花は、真相を探るべく同じ高校に入学する。やがて、姉のおぞましい過去と、残酷な真実に直面するとも知らずに…。ピアノソナタの哀切な調べとともに始まる禁断の恋、そして逃れられない罪と罰を描く衝撃のR18ミステリー。
感想・レビュー・書評
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一人称語りの文章が軽薄に思えるのと、登場人物に魅力を感じられず、この先は面白くなるかも…と我慢しながら読み続けましたが、結局リタイアしました。
もう少し余裕を持って読める時間ができたら、もう一度チャレンジするかも?いや、ないかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
悲惨なお話だった。読んだ自分も、書いた作者も、出版した人達も、良くないな、と感じた。
実際にこの物語に出てくるほど酷い犯罪が過去にあったと目にする事があるし、この本だけが悪だとは言えないけれど…もう人の目に触れないようにした方が良い一冊なのではないだろうか。
自身の若き日の恋愛の思い出も、何だか全部汚いものに感じられてしまった。
将来ある若者が、特に女性が、この本を目にしませんように… -
贖罪のような。
胸糞だとは思ったが、そこは「小説だしな」 で
折り合いを付けられる。
音楽教師が典型的なお花畑な人で
おえーっと言った感じ -
イヤミス気味で、読了感のいい小説ではない。妹は苦労して真相にたどり着いたが、そこまでして知る必要があったのか。知らないほうがいいこともあるんだな。
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これはほんとにR18…過激すぎる。
よくニュースで「早く真実を語ってほしいですね」とか聞くし、自分もそう思ってたけど、この本を読んで作中にあった
「ほんとのこと全部洗いざらいぶちまけられちゃったら、悪くもないのに傷つく人たくさん出てくると思う」
っていうセリフ。本当にそうだなと思った。 -
様々な愛のかたちを描いた作品だなと思った。
その愛が素晴らしい清らかなもの、というわけではない。
真っ直ぐ注がれる愛は確かにあったが、強い愛や歪んだ愛もまたあった。
物語が語られていくたびにその愛のかたちに翻弄された。
愛があれば人は傷つくのだ。
今『月光』を聞きながらこれを書いている。
結末にぴったりだと思った。
月光が映画なら、間違いなくこれはエンディングになる。
あらゆる理不尽、そうでなければなかったこと、傷、そういうものを憂う音楽だと思う。
読後は悲しみというか切なさというか、憂いのある気持ちになった。
良い作品でした。 -
胸糞悪くて生々しい描写が続くも、読む手が止まらず一気に読み終えた。
人は己の価値観という色眼鏡をかけて物事を見て取捨選択をして思うように解釈をする。
絶望という闇の中で見た眩いほどの光。
唯一の心の拠り所であり清廉潔白だろうと決めつけた存在が、傍から見れば欲深く浅ましくいやらしいただの人間だった時…
真実というものは時に残酷である。
それでも知りたいと願うのが人の性なのか。
赦すことは難しい。
赦さなくても良い。
それでも赦すことでしか救われないのだと思う。 -
解説にもありましたが、この本の評価は読者の性別、年齢等々、大きく分かれると思います。
誉田さんの作品は、私も好きな「姫川シリーズ」をはじめ、性描写、暴力描写がリアルすぎてちょっと…、と思う部分が…
この作品も性描写の部分は飛ばして読みたくなったりもするのですが、それでも途中で読むのを止めようとは思わなかった。
高校生だった姉の事故死を不審に思い、姉と同じ高校に入学してまで、その真相を突き止めようとする結花。
その選択は正しかったのか…
知らなくても良い真実。
知らないほうが良い真実。
それを知ってしまったら… -
BOOKデータベースにR18と表記されているように、性的描写に一部過激なところもあり、読んでいて辛い場面もあった。
多忙でほとんど家を留守にしている妻。
名ばかりの結婚生活を送っている音楽教師・羽田は、ある日教え子である野々村涼子と恋に落ちる。
それはある意味では純愛とも呼べるものだったのだろう。
教師であっても人間だ。
けっして聖人君子ではない。
それでも、大人の男としての最低限の気配りは必要だったのではないだろうか。
学校内で関係を持ち、涼子を愛していると自覚しながら自らが離婚しようとはしない。
常に受身で、ただ流されているに過ぎないように見えた。
大人として、教師として、妻帯者として、少しでも配慮する余裕が羽田にあれば、二人の仲に気づかれることもなかっただろうに。
地獄のような苦しみを涼子が味わうこともなく、まして死ぬこともなかった。
最後に森川刑事が羽田を訪れる場面。
刑事としては褒められる行為ではないだろう。
それでも、やはり森川刑事と同じことを羽田に言いたい。
「あなたが何も知らないというのは…他人事ながら、私には納得できない」と。
誰にでも生まれてきたことに何らかの意味がある。
涼子はその短い人生の生き様で人としての優しさ、強さ、そして許すということの難しさと大切さを結花に残していった。
菅井は最期まで涼子の秘密を守り通し、涼子が守ろうとしていた結花を守って逝った。
そして羽田はピアノの世界に結花を連れ戻した。
ミステリーではあるけれど、恋愛小説でもあり、ひとりの人間の持つ複雑な心理を描いた物語でもあった。