清冽 - 詩人茨木のり子の肖像 (中公文庫 こ 58-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122060371

作品紹介・あらすじ

「倚りかからず」に生きた、詩人・茨木のり子。日常的な言葉を使いながら、烈しさを内包する詩はどのように生まれたのか。親族や詩の仲間など、茨木を身近に知る人物を訪ね、その足跡を辿る。幼い日の母との別れ、戦時中の青春時代、結婚生活と夫の死、ひとりで迎えた最期まで-七十九年の生涯を静かに描く。

感想・レビュー・書評

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  • 茨木のり子の評伝。茨木のり子の詩は知っていたが、その背景は知らなかった。若い頃、戯曲を書いていたのも知らなかった。新聞か何かで、詩集「歳月」と共に紹介されていたので、両方とも読んだ。後藤正治さん、ありがとう〜!読んでよかった!
    茨木のり子さんは一途で清々しい人だという印象。同人誌「櫂」を川崎洋さんと一緒に創刊していた事や谷川俊太郎、岸田衿子、大岡信なども同人だった事も知らなかった。いくつもの詩が掲載されているが、ほかの作品も読みたいと思った。詩集はもちろんだが、エッセイ「はたちが敗戦」も読んでみたい。また、石垣りんの詩集や茨木さんが選んで翻訳した韓国の詩集も読んでみたくなった。

  • 詩人茨木のり子の生涯を追った評伝。79年の穏やかな生涯、ファンなくては書けなかった作品だろう。

    高校の教科書に載っていた「わたしが一番きれいだったとき」で知っていた詩人。詩の内容と、どことなく広末涼子っぽい顔だったのと合わせて覚えている。

    大正の末の生まれ、終戦時19歳。戦時中から戦後、飾らない言葉で時代を反映させた詩。詩集としては異例の売行きを、残したものも多いらしい。

    本書は図書館にて発見。地元ゆかりの作家のコーナーにて発見。茨木が40年以上暮らし亡くなった自宅が近所にあるとは思わなかった。

    後藤正治のノンフィクションには外れがないように思う。

    茨木作品だけでなく多くの詩の引用。教科書違いであまり触れた機会のない詩という表現形態も面白いかも。

  • 茨木のり子の優れた評伝。第1章からして、すでに読み手の心を掴んで離さない。それは、第13章まで、そして、あとがきに至るまでずっとであった。この書で、詩集では知り得なかった茨木のり子に出逢うともいえそうです。

  •  第2歌集「見えない配達夫」の「わたしが一番きれいだったとき」、第5歌集「自分の感受性くらい」、生前最後の詩集、第8歌集「倚りかからず」、大好きな詩です。ノンフィクション作家、後藤正治さんが茨木のり子さんの生涯を多角的な視点から浮き彫りにしました。「清冽 詩人茨木のり子の肖像」、2010.11刊行、2014.11文庫。戦争と敗戦、混乱と荒廃、挫折と転身・・・、愚直なまでまっすぐに詩に表現されてますね。吉本隆明氏は、言葉ではなく人格で書いている と。 茨木のり子: 2006年2月17日没、79歳。

  • 数々の心に残る詩はどのように生まれたのか、その生涯を綴ったノンフィクション。青春を戦時下で過ごし、長じては『倚りかからず』に生きたその生き様には尊敬しかありません。何が正しいのか不安になる時代、せめて自分という軸を持っていきたいと思いました。

  • 荳頑ゥ玖除遨ょュ先嶌蠎鈴未騾」縲

  • ・・・物足りない。これじゃ。
    しかも、筆者の主観が多くて、がっかりだった。

  • 2014/12/16

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著者プロフィール

1946年、京都市に生まれる。1972年、京都大学農学部を卒業。
ノンフィクション作家となり、医学、スポーツ、人物評伝などの分野で執筆を重ねる。
『空白の軌跡』(講談社文庫)で第四回潮ノンフィクション賞、『遠いリング』(岩波現代文庫)で第十二回講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』(文春文庫)で第二十六回大宅壮一ノンフィクション賞、『清冽』(中央公論新社)で第十四回桑原武夫学芸賞、を受賞。

2016年、書き手として出発して以降、2010年までに刊行された主要作品のほとんどが収録されている「後藤正治ノンフィクション集(全10巻)」の刊行が完結。

他の著者に、『関西の新実力者たち』(ブレーンセンター.1990)、『刻まれたシーン』(ブレーンセンター.1995)、『秋の季節に』(ブレーンセンター.2003)、『節義のために』(ブレーンセンター.2012)、『探訪 名ノンフィクション』(中央公論新社.2013)、『天人 深代惇郎と新聞の時代』(講談社.2014)、『拗ね者たらん 本田靖春 人と作品』(講談社.2018)などがある。

「2021年 『拠るべなき時代に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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