向かい風で飛べ! (中公文庫 い 124-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 94
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122063006

作品紹介・あらすじ

巨大なジャンプ台を軽々と踏み切り、飛んでいく一人の少女。沢北小学校の転校生として寂しい日々を送っていたさつきは、同じクラスの天才スキージャンパー・理子の姿に目を奪われる。「一緒にジャンプやらない?」その笑顔に導かれ、さつきの青空への挑戦が始まった!向かい風は大きく飛ぶためのチャンス。この言葉を支えに奮闘する少女達の、笑顔と友情と涙がつまった青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと出来過ぎかなと感じました。
    自分が捻くれているのかな。
    出来れば次が読みたいですね。

  • よかったです。
    誉田哲也・武士道シリーズのスキージャンプ版のような小説。
    2人の少女の成長譚。
    向かい風こそチャンスだと若さの悩みとジャンプを掛けてハッピーエンドに。

  • ソチを目前に読んでみた。スキージャンプを見るのがますます楽しみになった。人間が生身で100メートルも飛ぶとか確かにすごいことだ。お母さんたちがいい味出してた。ドーケン先生も好き。

  • 札幌オリンピック、そして長野オリンピック、まだまだジャンプ競技が注目されたことはあったけど、アルペン競技に目が行くことの方が多かった。最近でも葛西選手や高梨選手の活躍があって、それでも、のめり込むほどの事はなかった。
    この本を読んで変わった。
    ジャンプ競技ってこういうことだったんだ、って、なんだか新鮮な気持ちで見つめることができる。一人一人の思いを想像しながら、まことに勝手なことではあるけれど、テレビ中継の中で一緒に飛ぶことができそう。
    登場人物の一人一人に、ジャンプ競技に取り組んでいる選手の姿が見えそう。
    あぁ、こうして強くなっていくんだな、と。実際の選手を思い浮かべ、心が大きく動いた。
    テレビで観戦することしかできないけれど、「きっと大丈夫だよ」そう言ってあげたい。そんな気持ちです。
    読み終えて、とても気持ちのよくなる小説。
    一緒に飛べます。

  •  少女スキージャンプ小説。
     目指せ平昌とか言ってるから、おそらくは高梨沙羅選手の活躍に感化されて書かれた?

     幼少時から天才ともてはやされてきた理子と、彼女に誘われてジャンプを始めた転校生さつきの物語。
     前半はさつき視点で、理子の背中を追いつつジャンプの楽しさにどんどんのめり込んでいく様子が描かれている。
     後半は理子視点。追いつかれる者の不安・焦り、かつまた成長による肉体変化への嫌悪等々が描かれる。
     最終的にはまたさつきの視点に戻って、ずっと二人で頑張っていこうね!、って結末に。

     友情と努力と勝利と挫折等々、まるきりスポーツマンガの世界。
     若い時分ならではの細々した葛藤や煩悶も丁寧に描かれ、青春というものの素晴らしさを存分に堪能できた( ´ ▽ ` )ノ
     が、できればこれ若さ真っ盛りの十代にこそ読んでほしい作品で、本来青い鳥文庫かなんかで発行されるべき本のように思える(もしくは少女雑誌でマンガ化とか)。

     にしても(下世話な話だけど)スキーと言うとどうしても気になるのがその用具のお値段......(´ε`;)ウーン…
     いまざっと調べたら(定価)、
       ジャンプスキー(Fischer)16万円
       ジャンプブーツ      16万8千円 
       ヘルメット        9万円
       ビンディング      7万9千円
       ゴーグル        1万9千円
       ジャンプスーツ     8万6千円
       ハイバック        10万円
       計            70万2千円
     は必要ですって(゚д゚)!
     やっぱりね(これで耐用年数5年とか)......(>_<)
     その他遠征費用や月謝等もあるだろうし、事故の不安だけでなく経済的な打撃も親御さんたちにとっては大きな負担だろうな(>_<)
     
     にしても、このレビュー欄の一番下になってる「中央公論新社さんのレビュー」って......(゚д゚)!
     ええっ、発行元も自分とこの作品のレビュー(宣伝)をブクログで書いてるの?(゚д゚)!
     これまで4500くらいのブクログレビュー欄に触れてきたけど、こんなの初めて見た(゚д゚)!
     よその出版社ではやってないよなあ......?
    2023/09/19
    #4489
     

  • 室井さつき
    沢北町立沢北小学校。父親が実家の農家を継ぐため、札幌から沢北町に引っ越してきた。

    小山内理子
    「ねぇ、ジャンプ見ない?」とさっきを誘う。沢北町ジャンプ少年団。

    桑原
    担任の先生。ちょっとだけ俳優の上川隆也に似ている。

    室井道憲
    さつきの父。公務員を辞めて実家の農業を継ぐ。ドーケン先生と呼ばれている。

    門脇圭介
    クラス委員。わりと体格が良く、成績も一年生からずっとトップ。

    室井一美
    さつきの母。

    永井
    沢北町ジャンプ少年団のコーチ。道憲の二年先輩。

    遠藤
    沢北町ジャンプ少年団のコーチ。

    小山内智子
    理子の母。

    甲斐玲奈
    札幌市荒川山ジャンプ少年団のエース。

    斉藤麻美
    理子が準優勝した大会で四位だった。

    鈴木
    連盟の関係者。

    イナ・イビレンコ
    フィンランドの女子ジュニア。理子と同じ歳。

  • スキージャンプという競技がよくわかる。競技者の喜びと苦悩が重層的に描かれ、読後感も心地よい。舞台は架空の町だが、土地勘のある者にはそれが下川町や名寄市であることはすぐわかるようになっている。気候や風景、生活感などのリアルな描写が嬉しい。

    ドーケン先生のキャラが魅力的。スピンオフで「ドーケン先生の事件簿」とか書いていただけたら是非読みたい。


    もちろん物語はフィクションであるが、ドーケン先生だけは実在のモデルがいる。作中にある「ドーケン先生が開発した小麦」についても、実際に『はるきらり』という品種が北海道で栽培されている。農業試験場について描かれた小説としても貴重である(と個人的に思っている)。

  • 転校生として誰ともうまく馴染めずアウェーな日々を過ごしていた小学5年生のさつき。
    ある日、美少女のクラスメイトの理子に誘われ、スキージャンプに出会う。
    理子は、地元では有名な天才スキージャンパーだったのだ。

    さつきもその魅力に取り憑かれ、スキージャンプにどんどんのめり込んでいく。

    さつきと理子。2人の視点で交互に物語は進む。
    ジャンプを純粋に楽しみ上達していくさつきの存在に焦る理子。
    競技の描写はもちろん、少女たちの揺れる心象風景を描くのも上手いと感じた。

    個人的に、ウィンタースポーツが好きなので、(見る専門だけど)スキージャンプをテーマに描いたというところに惹かれた。

    平昌五輪では見事、高梨沙羅ちゃんが銅メダルを取得しましたね。
    北京大会でも活躍が楽しみ。

    乾ルカさんは初の作家さん。他の作品も読んでみたいな。

  • スキージャンプの天才美少女・理子に誘われて競技を始めたさつきは、青空を飛ぶことにどんどん魅入られていく。青春スポーツ小説。〈解説〉小路幸也

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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