- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122063792
感想・レビュー・書評
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朝鮮出兵に叛逆し、妻子領民を殺された五郎太。絶望の淵を生き抜く男に訪れた恩寵とは。生の意味を問う傑作長篇。『極悪 五右衛門伝』を改題。〈解説〉佐藤優
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前半は遠藤周作の「沈黙」のよう。
梅北五郎太は朝鮮征伐に反対する薩摩の地頭の息子で、謀反を起こして肥後の佐敷城を奪うも、一瞬で反乱は制圧された。
捉えられて連れて行かれた刑場では、謀反とは全く無関係の民が目の前で殺される。
死体の山を乗り越えて追放された五郎太が流れ着いた先はマニラの女郎屋だった。
マニラで五郎太が出会った異端の神父はバテレン追放令後、日本人の求める救いが嘘だったことに絶望し、日本を追われた。
逃げた先のマニラでは十字架を足裏に彫って常に踏みつけ汚し、さらには悪魔崇拝にも染まっている。
しかし、これはキリスト教への信仰を捨てたわけではなく、どこまで罰当たりをすれば神の救いが差し伸べられるのかを試している。
悪魔を崇拝を深めるほどに、神の救いを求めているという矛盾を孕む。
五郎太自身は仏の字を足裏に刻み、仏を踏みつけ生きることを決心した。
五郎太をキリストの受難になぞらえた宗教書めいた小説だ。
グレイスとは神の祝福。
自らを五右衛門と名を変え、太閤秀吉の暗殺を狙った先に何を見たのか。 -
イモータルで印象的だったので次の作品を読んでみた。非常に印象的な内容には違いない。何か煮え切らない感じがする 構成とかバランス?に、、、吉田修一の方がうまく表現できているように感じるけど、これはこれで印象的だし おもろい。
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初耿介。表紙買いだったが、失敗…。私の大好きな宗教モノかと期待したんだけど——。つまらなくはなかった…かなぁ?ま、面白くもなかったけどw
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いまいち