SROVIII-名前のない馬たち (中公文庫 と 26-39)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 322
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122067554

作品紹介・あらすじ

その嘶きは、不吉な予告――

関東近県で、乗馬クラブや観光牧場のオーナーの死が相次ぐ。いずれも死因に不審な点は見られないものの、SRO室長・山根新九郎は奇妙な符合を見出す。人間の死と同時に、必ず馬が一頭逝っているのだ。独自捜査を始めたSROの面々は、やがて北海道のある牧場にたどり着く……。彼らは、馬たちのダイイング・メッセージを読み解けるのか!?そして、最凶キラー・近藤房子の調教ゲームも新たな段階に。


【警視庁のワケあり部署が活躍する、大ヒットシリーズ最新作!】

感想・レビュー・書評

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  • 乗馬クラブのオーナーが立て続きに4人突然死し、同時に馬舎の馬も死んでいた。SROの山根新九郎はこれに目をつけて調査を始める。脚光を浴びる馬たちの裏に大量に厄介者扱いされる馬たちの実体が潜んでいたのだ。こういう悲惨な実態は本当なのだろうか。この巻は、そんな馬たち、そして馬を愛する青年の物語でもある。このシリーズは、いろんなテーマを提供しているので面白いのだ。幼馴染が自分の身代わりになって死んだ芝原麗子、家庭に問題を抱える尾形洋輔たちの苦境も描かれている。メンバーたちは満身創痍だ。

  • SROシリーズ8作目。
    前作で起きた事件によって麗子と尾形が受けた精神的ダメージは大きくSROチーム完全復活・一致団結までの道のりは長そうだが、室長:新九郎の勘は変わらず鋭く隠れた事件を見つけ出す。

    今作は牧場で育ち獣医を目指す青年:恭介と馬の物語がメイン。馬といえば競馬や乗馬が思い浮かぶけれど、どちらも経験がないので本作を読んで現役生活を終えた馬がどのような老後を過ごすのかなど初めて知ることが多かった。
    恭介とかつて一緒に暮らしていた馬たちとの再会は嬉しいことのはずなのに最後を除いて辛く、そしてこの再会の場を共にした友人:梅里の変わりようが房子を連想させて怖かった。

    今回、SROメンバーの登場・活躍は多くなくて残念だったけれど、メンバーそれぞれが抱える悩みが今後どうなっていくのか気になる。
    そして房子!今度は看護師の娘に接近しだして何を企んでいるのか…早く次を読みたい。

  • 警視庁広域捜査専任特別調査室=SRO
    SROシリーズの第8弾

    乗馬クラブで起こったオーナーと馬の死
    死因に不審な点なないと判断されるが、SROの山根室長は何か納得のいかないことがあり…。

    動物好きにはちょっと切ない内容
    馬肉食べるのやめようかしら…と思ったり…いや、食べた方がいいのか?と思ったり…
    そういえば学生時代に乗馬クラブに数か月行ってたけど、まさかあのクラブの裏では…なんてつらつらと思うことが多すぎて…
    獣医さんになるのも試練多し。
    私は無理かもしれん…

    とにかく内容は切なくて読むのに時間がかかってしまった…
    うっうっ…

  • 富樫倫太郎『SRO VIII 名前のない馬たち』中公文庫。

    シリーズ本編第8弾。脱走した最凶キラーの近藤房子はサイドストーリーとしてしか扱われず、近藤房子とSROのメンバーとの対決は次回以降に持ち越されるようだ。

    メインストーリーで描かれる関東近県で相次ぐ乗馬クラブオーナーの不審死事件。プロローグから予想は付いており、近藤房子とどう絡むのかと興味津々だったが、全く絡むこともなく、平凡な結末だった。

    次回に期待。

    本体価格820円
    ★★★

  • 登場人物それぞれにキャラが立っているので前作からブランクが空いてもすぐに入り込めるのが良い。メインストーリーといつ交わるかとドキドキしてたアイツは最後に伏線だけ貼って終了。次回作が楽しみだ。

  • 動物好きな人にとってはとても辛い描写の続く巻だった。
    人間の身勝手なエゴを突きつけられているようだった。

  • 病気や怪我をした動物達を治す獣医を目指す人としては、犬の話は避けて通れないのかもしれない。そりゃ、つぶらな瞳に見つめられたら、情が湧くと思う。だから犬に名前を付けちゃいけないんだろう。
    恭介君はともかく、梅里君、最後はあんな事になってしまったけど、近藤房子と出会わなくてよかった。出会う前から殺人に躊躇いがないから、房子と出会ってしまったら、どうなっていただろう…と、考えてしまう。

  • シリーズ第8弾。
    前作で結構派手にやらかしたはずの近藤房子の出番は今回ほとんどなく、やはりメンバーと近藤房子との対決を楽しみにしているファンとしては、少し物足りない。
    プロローグから北海道の牧場での出来事が描かれ、その10年後の関東近県で起きている乗馬クラブオーナーの連続した変死事件が描かれる。
    メインとなる事件と、鑑別所から脱走した房子がどう絡むのか、後半まで一気読みしたが、全く絡みなく終わる。
    第1部こそ、SROのメンバーの視点で描かれるが、第2部からは犯人の視線で描かれ、果たしてこの内容がSROに必要だったのか?かなり微妙な内容…
    早く近藤房子の続きが読みたい!

  • 馬とその持ち主が同じ日に死亡する不思議に挑む。今回はバイオレンス控えめ。SROのメンツより馬について掘り下げられてて、馬の知識は増えました!シリーズらしさは弱かったかな

  • いつも楽しい話じゃないけど、今回はきつかった。可哀想な犬、可哀想な馬。

    匂わせ房子が酷すぎます。房子出て来るぞ詐欺だね。一応出ているから始末が悪い。

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著者プロフィール

1961年北海道生まれ。98年に『修羅の跫』で第4回歴史群像大賞を受賞しデビュー。以降、時代小説や警察小説を中心に活躍。本書はドラマ化もされた「生活安全課0係」シリーズの主人公・小早川冬彦が、警視庁本庁から日本各地へ活躍の場を広げていくシリーズ第2弾。著書に「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」「スカーフェイス」「警視庁SM班」などのシリーズ他多数。

「2023年 『スカイフライヤーズ 警視庁ゼロ係 小早川冬彦Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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