成城だより-付・作家の日記 (中公文庫 お 2-18)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122067653

作品紹介・あらすじ

齢を取ってから既成概念が引っくり返されるのは快い――。

成城に暮らして10年あまり。70代に入ってなお作家の好奇心は衰えることがない。

文学、漫画、映画、ニューミュージック、世相、文壇事情……批評と所感を闊達に綴った日記文学の傑作。1979年11月から80年10月まで。

大磯時代の日録「作家の日記」(1957年11月~58年4月)を併録。【全3巻】

〈巻末付録〉小林信彦

感想・レビュー・書評

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  •  なんと言われようと、この人のこの書物は☆五つ。亡くなって、何十年も経つのに、すぐそこにいて語り掛けられている、ひとりごとのような、自己省察の鋭さと孤独。青年だったぼくは、大岡昇平が、現に、この世界で考えていることに、言葉どうり「励まされていた」のだ。

  • 清潔な日記だ、という印象を抱く。ここには嘘の匂いがない。虚栄がなく、飾りがない。少なくとも私は読者としてそうした大岡昇平の、対象との「ガチンコ勝負」で書かれる日記に非常に清々しい思いを感じる。そして、このように映画や文学と「ガチンコ勝負」できる知性を備えた作家が存在し得たということに驚きを感じてしまった。今でももちろんTwitterを覗けばひと山いくらで大岡昇平めいた「批評」を行っている作家はゴマンと現れるだろう。だが、ここまでフェアネスを体現して、かつ恥をかくことを恐れないで書き続ける人はそう居ないはず

  • 文学、映画、漫画……闊達に綴った日記文学。一九七九年十一月から八〇年十月まで。「作家の日記」を併録。全三巻。〈巻末付録〉小林信彦・三島由紀夫

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著者プロフィール

大岡昇平

明治四十二年(一九〇九)東京牛込に生まれる。成城高校を経て京大文学部仏文科に入学。成城時代、東大生の小林秀雄にフランス語の個人指導を受け、中原中也、河上徹太郎らを知る。昭和七年京大卒業後、スタンダールの翻訳、文芸批評を試みる。昭和十九年三月召集の後、フィリピン、ミンドロ島に派遣され、二十年一月米軍の俘虜となり、十二月復員。昭和二十三年『俘虜記』を「文学界」に発表。以後『武蔵野夫人』『野火』(読売文学賞)『花影』(新潮社文学賞)『将門記』『中原中也』(野間文芸賞)『歴史小説の問題』『事件』(日本推理作家協会賞)『雲の肖像』等を発表、この間、昭和四十七年『レイテ戦記』により毎日芸術賞を受賞した。昭和六十三年(一九八八)死去。

「2019年 『成城だよりⅢ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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