大阪弁ちゃらんぽらん-〈新装版〉 (中公文庫 た 28-19)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122069060

作品紹介・あらすじ

「ああしんど」「あかん」「わやや」など、エネルギーあふれる大阪庶民のことば、「ややこしい」「しんきくさい」「いちびる」などの大阪弁独特の言い回し。こうした言葉が、どのような場面で、どんなふうに使われるかを考察し、そこに息づく上方独特の精神風土を明らかにするエッセイ。〈解説〉長川千佳子

感想・レビュー・書評

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  • R3.6.11 読了。

     「あかん」「わやや」……。大阪弁に潜む大阪人の気質と、商都ならではの心くばり。大阪弁を通して、大阪人の精神を考察するエッセイ。〈解説〉長川千佳子…中央公論新社より。
     大阪弁の辞書的なもの。「けったいな」「ああしんど」「○○てんか」などは聞いたことがある大阪弁だが、「チョネチョネ」「こまんじゃこ」「あんだらめ」「あもつき」などは初めて知った大阪弁。

     大阪弁に限らず、各地方都市にはその土地ならではの方言があり、その土地で先人たちが生活しながら、育んできた文化や交流がもたらした産物と考えると、後世に残してほしいですね。

    ・『土地ごとに咲く言葉の花々は、何と優しく逞しいのだろう。日本にあふれるたくさんの花 — 方言 —でつづられた物語をもっともっと読みたいと思う。』(解説より)

  • 読魔虫さんのレビューと、本屋さんで平積みされているのを拝見し、気になって本書を読んでみました。

    大阪文化を言葉の側面から知れて面白かったのと、
    田辺聖子氏と長川千佳子氏のあとがきが「なるほど!」と思う内容で良かったです。

    本書より抜粋(一部要約)
    ----------------------------
    『標準語圏からすると無駄な言葉である、相槌・反復・茶々を入れるは大阪のリズム。浄瑠璃、芝居、落語が色濃く残っているから。』

    『「どないしたんや」のように、語尾の「や」がなだめ・丸め・トゲを抜き・やわらげる。大阪弁の曖昧さ。多元的語意、四通八達のニュアンスなどは、商業上の必要から、長い年月をかけて磨き抜かれたものだ。(中略)大阪は王城の地の御畿内だ。一千年伝えた社交技術の、粋ともいうべき京の言語文化を基盤として、そこへ、商業都市三百年の伝統が加わる。』
    ----------------------------

    関西の方が気乗りしない飲み会の誘いに対し、
    「行けたら行く(=不参加の意)」と返事をすることが多々あります。曖昧な返事にして人間関係を壊さないようにする工夫は、商業都市だからこそと腑に落ちました。

  • 現在は、違う土地に住んでいるが、生まれも育ちも大阪。なので、読んでいて、多少 年代が古くて、わからないところもあるが、だいたいは「ふんふん」とうなづいてしまう(笑)
    ああしんど、あかん、あほ、えげつない、けったいな、ややこしい、しんきくさい、いちびるなんて、今でもちょこちょこ使います。この表現が、ぴったりくるんです。めんどうじゃなくて、ややこしいなんです。ピターっと気持ちにはまる。腹がたってても、「あほか!」と叫ぶとすっきりするし、笑えてくる。これこそ大阪弁。おせいさん、ありがとうございます。知らない大阪弁にも触れられて、ますます言葉を大事にしたいと感じた。知らない大阪弁がふえないように、ますますはりきって しゃべりますか。

  • 大阪弁を実際に聞くと
    なんとなく分かった気でいられたけど
    単語の意味を改めて説明されると難しいんだな
    というのが感想

    キツそうなのに実はヤサシイ大阪弁

  • ずいぶん前のエッセイですね。大阪弁の正しい?使い方について詳しく説明されている本。今は死語になってる言葉もあり。この本を読んで吉本新喜劇を観たら新たな発見があるかも。ケンカの際に使われる迫力ある大阪弁もこの本を読んだあとは、どこかユーモラスに感じてしまう。どんな大阪弁も根底には笑いがなくっちゃ。

  • 「あかん」「わやや」……。大阪弁に潜む大阪人の気質と、商都ならではの心くばり。大阪弁を通して、大阪人の精神を考察するエッセイ。〈解説〉長川千佳子

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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