日本建築集中講義 (中公文庫 ふ 50-1)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122071025

作品紹介・あらすじ

建築家・藤森照信氏と絵師・山口晃氏が法隆寺や日吉大社など日本の名建築13件を見学し、それぞれの魅力を再発見! 路上で磨いた観察眼が冴えわたる藤森センセイのユーモア溢れる解説と、山口画伯の審美眼が捉えた美とほころびの面白さが光る。マジメに学んでおおいに笑って、目からウロコの見学記。「百年前の日本の住まい」を文庫版特別収録




目次



第1回 法隆寺/第二回 日吉大社/第三回 旧岩崎家住宅/第四回 投入堂/第五回 聴竹居/第六回 待庵/第七回 修学院離宮/第八回 旧閑谷学校/第九回 箱木千年家/第十回 角屋/第十一回 松本城/ 第十二回 三溪園/補講 西本願寺




・山口画伯の見たかった建築 二笑亭奇譚


・はじめての藤森邸 タンポポハウス探訪


・百年前の日本の住まい 平野家住宅

感想・レビュー・書評

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  • 法隆寺の建築上のルーツは未だに不明。世界で唯一無二。伊藤忠太がギリシア起源説(エンタシス)をとなえるが、未だに確かな根拠なし。

    日本は檜(火の木)、中国・朝鮮は松。松は湿気で腐りやすく、虫にも喰われやすい。松はヤニが出る。▼日本人は仏像の風化に美学を見出すが、東南アジアでは風化を認めず、金粉を塗ってピカピカを維持する。

    ※日吉大社(ひよし・たいしゃ)。滋賀。
    ※投入堂(なげいれ・どう)。鳥取。
    ※fine arts。純粋芸術。実用ではなく、鑑賞を目的とする。⇔応用美術。実用。陶磁器、織物、宝飾品、ガラス製品、家具、玩具、車、エレキギター。両者の境界は曖昧になってきている。
    ※アヤソフィア大聖堂は風もないのに二度崩落している。
    ※城の復元は当時の工法(木造)で行う。現在はコンクリートによる復元は認められない。名古屋城が最後の例。藤森先生「江戸城の復元、やればいいのに」
    ※現存最古の能舞台。西本願寺。
    ※旧岩崎邸。三菱。英ジョサイア・コンドル設計。木造。イスラム風の部屋もある。▼コンドル。鹿鳴館・ニコライ堂を設計。河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)の弟子になり、「暁英」という号をもらう。

  • 頑張って読み終わったけど、読み終わったら、ん?何の話だったっけ、になってしまった。
    案内人がうるさいか、静かかしか覚えてない。
    あ、太鼓橋の話と、タンポポハウスの話も覚えてるか。

    関西圏の建築物が豊富に紹介されていて、行ったことない場所も多かったので、実際に行って読むのがいいんだろうな(笑)

  • この本で取り上げられいる中で行った事があるのは、今の所、法隆寺(2回)、旧岩崎家住宅、旧閑谷学校、松本城(3回)、西本願寺のみ。

    投入堂や聴竹居、修学院離宮や角屋はいつか行ってみたい。

    箱木千年家は初めて知った。

    二笑亭や平野家は訪れる事は出来ないが興味深い。

    藤森センセイも専門外は少し怪しい所もある。伏見城や掛川城等は地震で倒壊しているし、ユーモアなのかもしれないが江戸城や名古屋城の復元についてもやや疑問。

    山口画伯の4コマはそれだけでも一冊の本になると思う。

    くまざわ書店阿倍野店にて購入。

  • 藤森先生がめちゃくちゃ個性的でやりたい放題言いたい放題で、それに振り回される山口画伯のとぼけたマンガが、最高に面白いし、勉強になる。これを読んで、横浜の三渓園に行きました。

  • 単行本が出た時から買わなきゃと思ってましたが何年も買わずにいたら、文庫版になってお安くなりました(笑)。とはいえ文庫版になると山口晃さんの絵も小さくなってしまったので、単行本も買っておくべきかもしれません……。
    本書は藤森照信さんと山口晃さんという本業が何なのか判らなくなるほどトークの面白い二人が建築物を見ながら好き勝手にトークをしていきます。二人とも建築史の本流から少しずれたような視点で会話していきますから、実物を見て確認したくなります。
    また旅に出るときに確認のために持って行く本が増えた気がします

    まぁただ藤森先生は近代建築が専門だから、江戸時代以前について若干怪しいところも無い訳では無くて。江戸城の天守閣を復元したいとありますが、あの天守台に天守閣が立ったことが無いので、あの場所で復元してはいけないという千田先生とかの考えの方が私には良い気がするのですよね。

  • 取り上げられているところにいちいち行きたくなる。
    藤森さん、食わず嫌いだったことを改めて思い知らされる。

  • 刺激的な1冊だった。藤森先生の専門的知識と山口さんの美意識がうまく相乗効果を生み出している。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000055742

  • 建築家・藤森照信と絵師・山口晃が法隆寺や日吉大社など日本の名建築13件を見学し、それぞれの魅力を再発見!「百年前の日本の住まい」を文庫版特別収録。(e-honより)

  • おおむね面白かった!

    もう少し建築物の内部、外部が詳細に分かる図解や写真があると理解が深まったように思う。
    自分の目で見たことがない建築物だと文面を追うだけでは、どういう建物なのか、いまいちピンと来ない。
    逆に言えば、見たことがある建物だと「なるほど!」と膝を打つような説明も多かったため、建築物の詳細な説明を省かれたことがやはり残念…

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著者プロフィール

1946年長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は近代建築、都市計画史。東京大学名誉教授。現在、工学院大学教授。全国各地で近代建築の調査、研究にあたっている。86年、赤瀬川原平や南伸坊らと「路上観察学会」を発足。91年〈神長官守矢史料館〉で建築家としてデビュー。97年には、〈赤瀬川原平邸(ニラ・ハウス)〉で日本芸術大賞、2001年〈熊本県立農業大学校学生寮〉で日本建築学会賞を受賞。著書に『日本の近代建築』(岩波新書)、『建築探偵の冒険・東京篇』『アール・デコの館』(以上、ちくま文庫)、『天下無双の建築入門』『建築史的モンダイ』(以上、ちくま新書)、『人類と建築の歴史』(ちくまプリマー新書)、『藤森照信建築』(TOTO出版)などがある。

「2019年 『増補版 天下無双の建築学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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