SROIX-ストレートシューター (中公文庫 と 26-45)

著者 :
  • 中央公論新社
3.63
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本棚登録 : 268
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (673ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122071926

作品紹介・あらすじ

SROの尾形洋輔は息子の審判を前に落ち着かない。その上、妻の敏江が新興宗教にはまり多額の寄付を行っていることが発覚。その教団には不穏な噂が後を絶たず、尾形は公安から潜入捜査を打診される。そして最凶の連続殺人鬼・近藤房子の次なる狙いは……。「私のために殺してもらいたい人間がいるの」SRO最大のピンチ、大波乱の第9弾!

感想・レビュー・書評

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  • SROシリーズ9作目。
    分厚いし中古サイトでもなかなか安くならないしで買うのを少し迷ったけれど、読みたさが勝り購入。
    今回はSROメンバー&房子に大きな動きがありハラハラドキドキ、面白くて分厚さが気にならないくらいすぐ読んでしまった。

    尾形の妻:敏江がはまる新興宗教団体が絡んだ大事件の捜査にSROチームが動く一方で、房子はSROメンバーへの復讐のため自分と同じような殺人鬼を作り上げようと本格的に行動を開始する。
    一致団結して事件解決!というスムーズな展開ではなく、過去シリーズでの出来事や各メンバーの思いが複雑に絡んでまさかまさかの出来事が盛りだくさん。本シリーズを読み続けてSROメンバーに愛着を持っているからこそ、後半の事件は衝撃すぎた…。房子もどうなってしまうのか。

    1つの事件は解決したけれど、SROメンバーの状況が好転したわけではない。気になること満載で新刊が待ち遠しい。

  • 富樫倫太郎『SRO IX ストレートシューター』中公文庫。

    久し振りのシリーズ第9弾。シリーズの中では673ページと一番のボリュームで、角川文庫の『警視庁SM班III スリーパー』も同日発売という何とも嬉しい状況。

    読み応えがあり、非常に面白い。

    第一部に、いきなり凄腕のスナイパー・東郷栄吉の物語が描かれる。悪性腫瘍の転移により余命1年と告げられた東郷。そして、第一部から最凶の連続殺人鬼・近藤房子も登場し、大混迷大波乱のシリーズ第9弾。各々が大切な人びとに別れを告げることになる悲しい展開。悪者が善人よりもしぶとく生き残るのは世の常。

    スナイパー・東郷栄吉が最後の標的を狙い、連続殺人鬼・近藤房子が東京拘置所医務部の看護師・石塚美和子の娘の麻友を殺人者に仕立てようと暗躍する中、SROの尾形洋輔は少年鑑別所に収容されている息子の誠の審判を前に落ち着かない様子を見せる。さらには尾形の妻の敏江が新興宗教にはまり、多額の寄付を行っていることが発覚する。一方でSROの針谷太一はスナイパー・東郷栄吉の別れた妻と息子と懇意になる。

    そんなある日、阿部部長に呼び出された山根新九郎は、世間を騒がせている大宇宙真理の光教団の捜査を命ぜられる。捜査に当たり、坊屋久美子が千葉県警からSROに一時的に復帰するが、その教団は尾形の妻の敏江がはまってしまった新興宗教団体だった。

    と、第一部だけで盛りだくさんの内容。大混迷のSROはこれから起ころうとする様々な事件と進行中の問題にどう決着を付けるのか。



    そして、驚愕のエピローグ。シリーズはまだまだ続くようだ。

    本体価格980円
    ★★★★★

  • シリーズ第9弾は、600ページ越えの力作。
    前作から「SROシリーズ」自体は少し時間が空いているので、尾形の息子の事件とか忘れてしまっているものも少なくなかったが、メンバーは変わらず、今回同時発刊の「SM班シリーズ」でも少しSROの話は出て来るので、少し忘れている部分があっても、何とかついていける。
    房子のパートは相変わらず、淡々とSROメンバーへの復習を企てている様子が描かれる。
    同時に今回は凄腕のスナイパー・東郷の話や尾形の妻がハマっている新興宗教の話も本格的に絡んで来て、すごく分厚いのにハラハラドキドキが続き、ページをめくる手が止まらない。
    房子の凶悪な数々の犯罪に耐えて来たSROのメンバーの綻びも丁寧に描かれ、本当に最後までどうなるのか分からない展開がとても面白かった。
    今作で「1stステージ終幕」らしいが、ラストでその意味が明かされる。
    しかし、これでまだ1stステージだったとは・・・それも信じられない。

  • 清濁濁濁濁濁合わせ飲めば楽しめるけど濁がなかなかなので飲めない人もいるかもしれない。牛丼つゆだく(だく違いだけど)の方が飲みやすいな笑。でも最後が思いっきりぶっ飛んでるので濁を忘れて次回に期待しちゃう!

  • 残酷な殺人シーンは苦手で若干読み飛ばしてしまう箇所はあるものの、とにかく読むのを止めるのが難しいくらい面白かった。まさかまさかの展開で先が、気になってしょうがない。
    近藤房子で、長らく引っ張るなぁと思っていたところの新たなるシリアルキラーの登場に、東郷がいい人に見えてしまう不思議。

  • 分厚くて読み応えのある1冊だった。
    心に闇を抱えていると、あんな簡単に宗教へのめり込んでしまうものなんだと、恐ろしく感じた。
    今回は近藤房子も登場して面白かったけど、ラストが衝撃で、ドキッとした。これはまた、次回作が楽しみな展開。

  • 房子…????
    次はどうなるの?ってところで終わってしまった今回。
    こんなに分厚いのに隙なくストーリーが進んでとても満足でした。

  • 分厚かったけど読み応えあった。主役勢力以外にもメイン級の登場人物が何人かいたのも良かった。ラストは新シリーズの誕生を予感させるようなシーンもあり期待が高まる。

  • すごく楽しめました。
    一気読み。SROシリーズの中では、一番でした。

  • え?!ラスト……!!!
    ほんとにSROシリーズは期待を裏切らない。
    今回もSROの面々はとんでもないことになっていく。
    確かに美福門太陽はすごい力を持ってて、でもそれに取り込まれない尾形さんカッケーって思いながら、だけど敏江と誠、木戸が教主に縋ってしまうのは仕方ないよね、、いろいろあったんだもの。。
    これから尾形家と木戸はどうなっちゃうのかな。。

    そしてSROはいつも残り数十ページで怒涛のように畳み掛けるけど、房子と麻友はどうなるの?って思ってたら、、え?え?え?ってなって純一には申し訳ないけど、純一の衝撃が吹っ飛んでしまったラストでした。
    まさかそう来るとは、、近藤房子も感無量でしょう!
    新九郎と房子の対決が好きだったので、もう見れないのはとても残念だけど。。

    しかも1stシーズン完結?って次からは2ndシーズンが始まるということよね?
    SROシリーズ大好きなので楽しみすぎる。
    早く次出ないかなー!

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著者プロフィール

1961年北海道生まれ。98年に『修羅の跫』で第4回歴史群像大賞を受賞しデビュー。以降、時代小説や警察小説を中心に活躍。本書はドラマ化もされた「生活安全課0係」シリーズの主人公・小早川冬彦が、警視庁本庁から日本各地へ活躍の場を広げていくシリーズ第2弾。著書に「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」「スカーフェイス」「警視庁SM班」などのシリーズ他多数。

「2023年 『スカイフライヤーズ 警視庁ゼロ係 小早川冬彦Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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