ロシア的人間-新版 (中公文庫 い 25-7)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122072251

作品紹介・あらすじ

今やロシアは世界史の真只中に怪物のような姿をのっそり現して来た――。千変万化するロシア国家の深奥にあって、多くの人を魅了する魂のロシアとは何か。プーシキンからドストイェフスキー、チェホフにいたる十九世紀の作家たちの精神を辿りつつ、「ロシア的なるもの」の本質に迫る。
〈巻末エッセイ〉江藤 淳〈解説〉佐藤 優

目 次


第一章 永遠のロシア
第二章 ロシアの十字架
第三章 モスコウの夜
第四章 幻影の都
第五章 プーシキン
第六章 レールモントフ
第七章 ゴーゴリ
第八章 ベリンスキー
第九章 チュチェフ
第十章 ゴンチャロフ
第十一章 トゥルゲーネフ
第十二章 トルストイ
第十三章 ドストイェフスキー
第十四章 チェホフ

後 記――新版発刊にさいして
後記

井筒先生の言語学概論 江藤 淳
解説 佐藤優

索引

感想・レビュー・書評

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  • ロシアの文学史概観。著名な文学者の特徴や立ち位置を、その著書をピックアップして例示しながら説き明かしていく感じが、文学部の授業そのもので懐かしくなった。それらの作品をちゃんと読んでいたらもっと理解も深まったろうし楽しいと思う。読んでいなくても分かりやすかった。高尚なことを考えていながら何一つ実行できない「無用人」=ゴンチャロフのオブローモフ的な人、が一時代のキーワードになってくるけれど、それって夏目漱石の高等遊民に似てる気がした。トゥルゲーネフをもっと読んでみたい。ゴーゴリは、世俗の俗悪さを描こうとして描いているわけではないのか。トルストイはもっとキリスト教的な人かと思ったら、どちらかというと異端的に語られていて意外。
    井筒先生は天才。授業受けてみたかった。

  • 面白かった

    作者が後記で書いているように、その時にしか書けないものだと思う

  • 東京新聞2022827掲載
    産経新聞202294掲載

  • 千変万化するロシアの根底にあって多くの人を魅了する魂のロシアとは何か。十九世紀ロシア文学作家たちの精神史を通し、その本質に迫る。〈解説〉佐藤 優

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著者プロフィール

1914年、東京都生まれ。1949年、慶應義塾大学文学部で講義「言語学概論」を開始、他にもギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学などの授業を担当した。『アラビア思想史』『神秘哲学』や『コーラン』の翻訳、英文処女著作Language and Magic などを発表。
 1959年から海外に拠点を移しマギル大学やイラン王立哲学アカデミーで研究に従事、エラノス会議などで精力的に講演活動も行った。この時期は英文で研究書の執筆に専念し、God and Man in the Koran, The Concept of Belief in Islamic Theology, Sufism and Taoism などを刊行。
 1979年、日本に帰国してからは、日本語による著作や論文の執筆に勤しみ、『イスラーム文化』『意識と本質』などの代表作を発表した。93年、死去。『井筒俊彦全集』(全12巻、別巻1、2013年-2016年)。

「2019年 『スーフィズムと老荘思想 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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