シーソーモンスター (中公文庫 い 117-2)

著者 :
  • 中央公論新社
3.69
  • (103)
  • (344)
  • (263)
  • (31)
  • (2)
本棚登録 : 4437
感想 : 260
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122072688

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この大シリーズが面白そうすぎて買っちゃったーあはは。

    伊坂幸太郎はいつ読んでも面白くてうれしいねー!でもなぜか内容全然覚えてらんないんだよねー!だから何度でも楽しんで読めるんだよねー!
    あらすじ読んで思い返してみたけど嫁姑戦争にウキウキしたことしか覚えてないわ。凄腕の人間たちの暗躍っていつみてもいいよね。

  • シーソーモンスター
    海 北山宮子 と 山 北山セツ
    どっちもスパイだった。姑の方もスパイなんか敵なんかどうなんかかってずっとワクワクして、読んでて、最後2人が夫を助けに行くのはカッコよかった。

    スピンモンスター
    海 水戸直正 と 山 檜山景虎
    どっちも事故で両親と兄弟をなくしている。
    自動運転やホログラムのみらいの話北山宮子が姑と絵本を書くってのがセツミヤコ「アイムマイマイ」で再登場。
    人工知能が事件を作り出して、人工知能が自分を守るすごい近未来のリアルな話だった。

    螺旋プロジェクトの第1冊目。
    星5なみにおもしろかったけど、短編2つだし、他も読んでみたいし、伊坂さんはほかに星5がいっぱいあるしで星4にしときます。

  • 読了。どうしても合わない人って、実は……という話。2作品だけど、繋がってて面白かったです。私の苦手だったあの人も実はそうなのかも……螺旋プロジェクトの他の作品も読んでみたくなりました。

  • 業務に多忙で読書が疎かになっていました。そんなときにこそ、面白い小説を読み始めればいいのかもしれません。と、思い立って手にしたのが、伊坂幸太郎さんの『シーソーモンスター』でした。
    こんな小説大好きです。私の好きな映画のジャンルに、「悪人が舐めてちょっかい出した相手が、実はすごいやつだった」という(なんとも長いタイトルのものですが)ものがあります。映画でいえば、「アジョシ」「ミスター・ノーバディ」「イコライザー」「ジョン・ウィック」「96時間」などなどがそのジャンルに入ります。
    この小説もその仲間に入れて良いでしょう。

    本書は、螺旋<らせん>プロジェクトという一連の連作の一つということが、冒頭に記載がありました。8名の作家があるルールに沿って作品を作るというものの一作とのことでした。そうであれば、他の作品も読みたくなります。
    発売された順番に、書店で購入してみたいと考えています。
    『死にがいを求めていきているの』浅井リョウ
    『ウナノハテノガタ』大森兄弟
    『蒼色の大地』薬丸岳
    『天使も怪物も眠る夜』吉田篤弘
    『もののふの国』天野純希
    『コイコワレ』乾ルカ
    『月人壮士』澤田瞳子
    『スピンモンスター』伊坂幸太郎
    また一つ人生の楽しみが増えました。

  • 螺旋プロジェクト第6弾。

    シーソーモンスター
    「シーソーモンスター」は、昭和後期バブルの頃。直人の嫁の宮子と直人の母のセツが嫁姑のバトル。この宮子が海、セツが山で、世の中の嫁姑問題以上の緊迫した関係で。宮子は情報機関で働いているスパイ。直人よりも断然強い(笑)。

    直人がある問題に巻き込まれて、スパイである宮子が助けに行くのですが、その途中で、・・・。「えぇ?」って声を出してビックリしました。

    この「シーソーモンスター」では「ウナノハテノガタ」の風景を思わせるような描写があったり、「オトガイ」が出たり、ウェレカセリがオトガイとマダラコに残した壁画?が発見されたっていう描写があったり。「コイコワレ」の清子の教え子に「みやこ」っていたよな、って思ったり。螺旋プロジェクト的なつながりも楽しめました。

    スピンモンスター
    「スピンモンスター」近未来。檜山景虎が山、水戸直正が海。この作品で「ウェレカセリ」が登場。登場っていうかこの時代に開発された人工知能に「ウェレカセリ」と名付けたっていうのが正しいかな。でも「ウナノハテノガタ」のウェレカセリとは大違いですが。

    で、物語は暴走?するウェレカセリをどうやって止めるのか、っていうのがメインのストーリー。海と山の対立はここではスパイス程度です。

    しかし、これはウェレカセリの意思なのか、それともただプログラムを実行させていただけなのか?と考えさせられました。

    中尊寺と水戸がウェレカセリの計算を上回った、と思ったんですが、それも計算・予測の範囲内やったみたいで。この人工知能はどれだけ高性能で優秀やねん、って感じでした。フェイクニュースを捏造して、その捏造が現実になっていくとすれば、それは何かが違うと思いました。

    ウェレカセリは破壊されず、そのまま相互監視の世界になるのか。やっぱりそれは恐ろしい世の中だ。

    この話全体がフェイクニュースやったような気もしました。

    「シーソーモンスター」「スピンモンスター」にも「超越した存在」が二人出てきましたが、少し離れたところから傍観していました。海にも山にもあまり関わらなかったです。ただ、特にスピンモンスターに出てきたヒナタさんは「全部わかって」いたみたいで、超越というか、達観していました。

    この作品では、ヤバい系の伊坂作品によく出てくる地名「藤沢金剛町」が出てきます。また、他の作品でも出ていた「パスカ」も登場するので、伊坂作品の読者はニヤリとできますね。

    面白かったけど、海と山の対立の要素がやや少なめでしたが、楽しめました。

    引き続き、螺旋プロジェクトを楽しみます。

  • 伊坂節が炸裂する中編が2作品。
    昭和後期を舞台にした嫁姑問題。
    近未来で巻き起こるクリミナルサスペンス。
    どちらも深刻な状況にもかかわらず、ふと笑ってしまう瞬間がある。
    こういうところが伊坂作品らしいなと思う。
    虚構と現実のバランスが丁度良く、集中して一気に読めた。

  • 坂本さんセレクトの5本目。
    なぜなのか、ハズレが無い。
    裏で相当な数の本を跨いで来たのだろうと思うと感服の極みである。
    嫁、姑、婿とそれぞれの立場で語ってくれる読みやすさ。
    歯切れがいいし、ページ捲る手が捗る。
    テンポ良い展開が引き込まれる。
    そう、人工知能に操られるように。

  • スピンモンスター物語単体としても非常に面白かった。
    進化には対立が伴うこと。
    自身の記憶は都合が良く記録されていて事実を反映しているとは必ずしも言えないこと。

    何より、人工知能が発達し過ぎた世界を想像できたわけだが、人間がコントロールできないことに恐怖をもつ一方で、私利私欲を持たず究極に論理的に下す決断がなぜ悪いのか、ここに真っ向から否定することはできない。ただ人間の意思決定には論理を超えた感情が多大なる影響を与えていて、そのファジーな領域が残る限り、多く間違えることもある一方、積み上げではない新しいものが生まれる。そんなクリエイティビティが残る限り人間の介在は意味があるんだと思う。

  • やはり安定して面白い。あっという間に読めてしまう。

  • 『クジラアタマの王様』以来約1年振りの伊坂作品。表題作と『スピンモンスター』の中編小説。

    『シーソーモンスター』は、伊坂版『奥様は取り扱い注意』といった感じで、『スピンモンスター』は『ゴールデンスランバー』の近未来版という印象でした❗

    個人的には、『シーソーモンスター』の方が面白く、その後の話しも読んでみたくなりました❗『スピンモンスター』は、文章の雰囲気がちょっと村上春樹さんに似ている気がしました。

    2編とも伊坂さんらしい作品ですが、若干パワーが感じられない作品だったと思います。

全260件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

伊坂幸太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
夕木 春央
朝井 リョウ
凪良 ゆう
辻村 深月
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×