コイコワレ (中公文庫 い 124-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122072923

作品紹介・あらすじ

大戦末期。東京から宮城の田舎へ集団疎開した浜野清子は、そこで那須野リツと出会った。対立する「海」と「山」の呪縛か、無意識に忌み嫌い合うふたりの少女。だが、戦争という巨大で最悪の対立世界は、彼女たちから、大切な存在を奪ってゆく……。宿命に抗いはじめた少女たちが願う、美しき未来とは――。
特別書き下ろし短篇収録。〈解説〉瀧井朝世

感想・レビュー・書評

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  • とても面白かった。良い作品に出会えた。祝はな丸1 ⸜(*ˊᗜˋ*)⸝

  • 太平洋戦争中、東京に食堂を営む父、母と暮らす蒼い目を持つ清子。
    父は突然不慮の事故で死んでしまう。

    食堂は母が一人で切り盛りする中、戦争が激化し清子の小学校は宮城に疎開する。

    疎開先の寺で地元のリツという少女と出会う。リツは存在自体が清子をざわつかせる。リツも同様に清子の存在を明らかに意識してしまう。

  • 私にとっての螺旋プロジェクト第一弾最後の作品!!!

    長かった、実に長かった・・・

    伊坂幸太郎さんや朝井リョウさんの作品はサクッといけたのにその後少しテンポが悪くなり、今に至ります。(全部私の不徳の致すところです)

    第二弾もあるようですが、もちろん其方も読みたいと思います!!!

    実に、8巻は長かった!!!



    時代は大戦末期!
    東京から宮城の田舎へ疎開する事になった浜野清子は運命の相手、那須野りつと出会う・・・

    螺旋プロジェクト既読の人はわかると思いますが,この二人が今回の海と山!

    今回はこの二人が物語のダブル主人公!!
    そんで、螺旋プロジェクト屈指の対立度合い!!!

    偶々ですが、本作を螺旋プロジェクトの最後に読んで良かったと思えました!!!

  • 〈螺旋プロジェクト〉の一冊と知らずに読み始めました。明治後期〜昭和初期の話が個人的に好きなので、今回の設定もとても楽しかったです。

    自分では環境を選べず、しんどいなかでもどうやって生きていくかを主人公のお母様の言葉から学びました!

    後半にかけて主人公が自分なりに変わろうとし、行動に移す姿が印象的でした。次は、『蒼色の大地』を読んでみようと思います。

  • 戦時中の疎開の話は重くてしんどかった。

  • 海と山で始まりやっぱり海と山で終わるんだ。何か経緯とか歴史が出るのかと身構えたが、それはもう理屈じゃない大昔からあるもの そういう事なんだって事。お互いが嫌悪感に気付きそこにいるのが分かる理解したって凄い でもあってもいい筈。どれもこれも不思議だけど、老木を見つけて掘るのと光のと邪念で割れるのと興味大、清子母が亡くなったのが残念 電車に乗らず命を守るリツと教師になって会いに行く清子 あー良い話だな ちゃんとしてるな 不思議だけで終わらせないなあーって乾ルカさんの守備範囲の広さ。順番付けれんけど、心音 花が咲くとき あの日に帰りたい メグル
    わたしの忘れ物 明日の僕に風が吹く 良い凄くいい みんな違うから、思えばてふてふ荘へようこそがスタートだったがよくも見つけて貰えた。

  • 螺旋プロジェクトは2冊めだが、海族山族にはやはりどうしてもなじめなくて、なじめないまま終わった感じ。

  • 戦時中、疎開先での出来事。主人公の母親が話す言葉が胸に刺さる。
    日々の営みの中で生まれる違和感は、理由がないように思えてもなにかしらの原因はあるんだなと思う。

  • 螺旋プロジェクト、いよいよ昭和に入ってきた。年代順にいくと、次が伊坂幸太郎さんの『シーソーモンスタ』になる。再読してから、次の『死にがいを求めて生きているの』を読もうかと思案中。
    本作も物語に引き込まれ、楽しめた。海族と山族の因縁の対決が、どのように昇華していくのかを示唆しているような作品だと感じた。

  • 本質的な部分で分かり合えない相手と出会ったり、関わったりする場面は誰にでもあると思う。
    「嫌いだ」「苦手だ」というネガティブな感情を制御するには、とにかく相手のことを考えて、分からなくても分かろうとすることが大事なんだと思った。

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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