- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122074965
感想・レビュー・書評
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交換日記をネタに7章からなる連作短編集。
それぞれ独立して読んでもハッと思わせる展開で楽しめるんですが最後の章で繋がって全容がわかる仕掛けが秀逸でした。
お見事って思って解説を読むとその他に読者自身が説きあかさなければいけない謎があるようなことを臭わせていて、額面通り受け取るとゾワゾワしてきました。
交換日記の7つの約束事に巧妙な魔法呪文の封印が練りこんであるような感じがするんです。
入れ替わってるんですよね。人や時系列が。
錯覚することが多いし作中出てくる「マチコの森」ってケーキ屋さん気になるし
坂田先生と井上先生
さくらとすみれ
愛美って井上先生であってる!?
愛美の夫って葉山礼二なんだよね
この葉山礼二って無茶違和感あるんですよね。
何かもっと大きな謎がありそうで・・・
モヤモヤする
コンビニのごみ箱に交換日記捨てるとか
言ってるし、
事故当時わざわざ酒飲んだ友人に車出しさせるとか
普通は飲んでない人に運転替わるでしょ?
情は厚そうなのに
社会常識欠落してるとこが無茶気になる
星4つなんだけど読了後
モヤモヤが増えちゃったから星3つです。
ああ、わかんないもう1度読んでみよっと詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
辻堂さん作品は『十の輪をくぐる』しか知りませんでしたが、本作も同じ2020年の刊行で、27歳での作品、恐るべし! その才能に驚かされます。
日常の謎や書簡小説等は、他の作家さんも手がけており、幾つか思い当たります。でも本作は出色の作品に思えました。読み始めと読後の印象が(よい意味で)だいぶ変わります。
様々な関係の2人が紡ぐ「交換日記」をモチーフにした7篇の連作短編集です。ネタバレや匂わせを避けつつ、感心したことを何点か挙げます。
7篇それぞれの、誰かと誰かの関係性が変化に富み、豊かにストーリーに反映されていること。
各編に設定された小さな疑問と驚きが、次第に振り幅と引き込みが大きくなり、魅力的なこと。
秘密めいた交換日記に散りばめられた、鮮やかな仕掛けと繊細な心理描写が優れていること。
文章の筋道の緻密さ、日記表現を意図したであろう温かい言葉を入念に選び、練られていること。
これら全てが、最終章の驚愕の真相に繫がり、感動の収束に結びつくこと。等々‥
日常的に、人と人との気持ちがすれ違う経験は誰しも思い当たります。何かがきっかけで最後に分かり合えたら素晴らしいですね。
本作では交換日記がそのきっかけでしたが、どこかで自分の心の内をさらけ出すことも、時に必要かもしれません。SNSじゃ無理ですかね? 熟考せず簡単に話し言葉で書き込みますもんねぇ‥。
せめてブクログのレビューは、嘘・偽りのない心の声を記したいです。誰かを傷つけない程度に‥ -
辻堂先生作品8冊目です。最初は、本屋さんの、た行のつの並びで手にしたのが、きっかけでした。温かい、やさしい作品でありながら、謎もたくさん。重症の中毒になりました。
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辻堂ゆめさんの作品は
読みたい、読みたいと思いつつ機会がなく…
初読みには『あの日の交換日記』を選びました。
懐かしの「交換日記」
私も経験がありますよ~
ちょっと甘酸っぱい思い出です。
『あの日の交換日記』では
交換日記をする7組の関係が最初から明かされていているのに
読み進めていくと「あれ?」「えっ⁉」
そうだったの…
ミステリですから
ネタバレはかけないのが残念ですが
楽しめて、ちょっとじーんとする一冊でした。
辻堂さんの他の作品も読んでみましょう。
いつのことだったか覚えていませんが
辻堂さんが「クイズ あなたは小学5年生より賢いの?」に出演されているのを見ました。
辻堂さんは東京大学出身で、
学生時代に作家デビュー、卒業時には東京大学総長賞を受賞されたそうです。
このクイズ番組では10問正解して100万円を獲得。
次の1問を正解したら賞金は300万円、不正解なら0円。
辻堂さんはチャレンジせず、100万円を獲得されました。
確か、使い道を決めておられて
潔い決断がすごいわ、と思った記憶があります。 -
辻堂さんの本は4冊目。ほとんど予備知識なしで読んだのがよかったのか、これまでで一番面白かった。教師と児童、姉と妹などそれぞれの交換日記に隠された真実に〝そうだったのか!〟と驚かされること7度。第1話で心を鷲掴みにされ、最後のエピソードで全て繋がったときの爽快感といったらない。冒頭で示される「お約束」の仕掛けにも唸らされた。これからも注目していきたい作家さん、近日刊行予定の新作「二人目の私が夜歩く」も非常に楽しみ。
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初めての作家さん。
帯に〝辻堂ミステリの真骨頂〟とありましたが、こちらも謎解きミステリになるのかな?
交換日記から生まれるどんでん返しがテイストとなった心温まる7つの物語。
長い黒髪に膝丈のフワリとしたスカートが素敵なみんなの憧れの先生。
交換日記という少しスリリングなコミニュケーションを私たちアナログ世代の元女の子は、もしかすると経験した人は少なくないような気がする。私はある笑
言葉では伝えきれないことでも文章にすると言える。それは確かにあって、私の場合は今でもコミニュケーションとしてはかなり有効で、ただ、その媒体が紙から電子へと移行してはいる。
手書きというルールの中で生まれる、交換日記ならではのトリック。
・長期入院を余儀なくされた少女と教師の心温まる物語(入院患者と見舞客)
・先生、聞いて。私は人殺しになります(教師と児童)
・性格の違う双子の姉妹は交換日記の中で激しく言い争う(姉と妹)
・ASDというこだわりの強い息子。息子の提案ではじめた交換日記に母は振り回されて(母と息子)
・飲酒運転で交通事故を起こしてしまった青年と被害者女性の交流(被害者と加害者)
他…
1つひとつのストーリーの中にある小さな違和感が紐解かれたとき「嗚呼」となんとも言えないため息が漏れた。
辻堂ゆめさんの他の作品も是非読んでみたい。
今年の10冊目 -
交換日記を軸に話しがすすむ、7作からなる連作短編。
先生と病気で入院中の小学生、双子や親子など。キレイに登場人物が繋がっていきます。 -
辻堂ゆめさん初読みでしたがめちゃくちゃ面白くて驚きました
こんなトリックがあるなんて!誰も殺されないのに、まんまと騙されたミステリーで震えます
徐々に真相がわかっていくうちに鳥肌が立ちっぱなしでした
すっかり辻堂作品にハマってしまい今月発売の新刊予約しちゃいました
連続短編なので一つのお話が終わるたびに騙されて、次こそはトリックを暴いてやると意気込み読み進めるもまた騙されてしまいます
読後はミステリーなのに癒されますよ