これは王国のかぎ (C・NovelsFantasia お 2-6)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 399
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784125006147

感想・レビュー・書評

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  • 20191207
    好きな相手が親友と付き合いだした。なにも言えず、自分をやめたいと思って目覚めると、そこは砂漠、自分は魔神族(ジン)になっていた!千夜一夜物語をベースにしたファンタジー小説。恋愛というより、冒険がメイン。
    まさにハラハラの冒険続き。あまりべたべたしていないので、男性でも楽しめると思われる。物語の構造は西の~に少し似ているかもしれない。そしてハールーンはイケメンである。

  • これは、わたしの物語。

    失恋にショックを受けていたひろみが目覚めると、そこはアラビアンナイトの世界だった。魔神族になっていたひろみは、ジャニと名乗り、青年ハールーンと旅を始める。冒険の末にひろみが見つけた物語の結末は。

    何年も前に一度読んだけれど、細かいところは忘れていた。修行中の僧侶ラシードの成長に目を見張る。奴隷娘ミリアムの心の移り変わりがいかにも荻原規子らしく感じた。オチはどう読んでいいのか、正直納得のいかないところもある。急に著者が顔を出したようなメタ展開かと思った。

    自分の中に豊かな王国があるのなら、外の世界を生きるのにも、それは助けとなるだろう。『内』の冒険はきっと『外』での勇気になる。帰還したひろみの前向きさが語っている。

  • 続編を先に読んでしまってからだったけど、あまり意識する事なく別の話として最初から最後まで読んだ。
    最後に物語の枠組みをぶちこわす大規模な叙述トリック(?)が今回も素晴らしかったです。

  • 20141001
    再読。

    読みやすくてテンポも良い。
    シェヘラザード好きだから盛り上がった。

  • 荻原さんらしい胸キュンと一歩を踏み出す少女小説。
    自分を嫌い抜いてファンタジーの世界に逃げ込むが、経験と学びで現実世界で歩みだす。ファンタジーの住人も紡ぐ人もそして現実の自分も全て自分自身。物語の住人もそれぞれの主であり、語り手の枠を飛び出してしまうことがある。なんだか物語を紡ぐのにも重なった。

  • 課題をする関係で読みました。
    主人公ひろみが枠の内側でも幸せになれれば良いと思った。

  • 奥付:1999/9/15 1刷

    1993年10月理論社刊の新書版。

    ハールーンがあっという間に出てこなくなったのが、「あれっ?」という感じ。

    今まで一生懸命助けてきたジャニをほっぽらかしてラシードとミリアムがくっついてしまうのはイラッときた。

    最後のシェエラザードの語る言葉は何かなんだか、けむにまかれた感じ。

    高校時代に持っていたユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア・オーケストラの演奏でなければ、鑑賞はできても物語は絶対に喚起されなかった、というあとがきのエピソードはおもしろい。

  • この表紙ではないけど、多分この本だとおもう。

  • アラビアンナイトの世界。楽しかったけれど、勾玉3部作ほど、物語に入り込めず。結末は意外で驚きました。

  • 『樹上のゆりかご』を読んで、この『これは王国のかぎ』の続編だと知って読みました…
    荻原さんと言えば『空色勾玉』、『白鳥異伝』、『薄紅天女』の勾玉三部作と呼ばれる本でファンになった方。
    そんなつもりで読んだ『樹上のゆりかご』はいまいちのめり込めず…
    ただ遙か前の高校生活は懐かしく思い出したけど(笑)

    女子校だったので女子校のノリでそれぞれのイベントに力入れてたなぁと。
    今が高校生ならばもっとのめり込んで読めたかも。

    で、『これは王国のかぎ』だけど単純にそれほど期待していなかったので(ごめんなさい!!)面白かった。
    樹上のに出てくるヒロミはすっかり成長したヒロミなのねぇ(笑)
    まぁ夢に出てきたのはハールーンなんだろうけど。

    どこにでもいそうな普通の少女ヒロミはどこにでもあるような話=失恋の痛手によってなぜか異世界へ。
    しかも制服というそのままの姿でありながら、魔神(ジン)となって。
    異世界で真っ先に出会うハールーンとの出会い方もいい(笑)
    頭しかないジンを怖がるでもなく、火にかけてしっかり全身を出してくれるハールーン。
    臨機応変で勇気があって好奇心いっぱいの男の子は魅力満載だよね(笑)

    ヒロミは自分をヒロミとしてでなくジンとして扱ってもらうため『ジャニ』と名付けてもらう。
    ジャニって言う名前もわくわくする名前だなぁと思う。
    旅人って感じだよね、単にジャーニーから連想するだけだけど…

    苦労もいろいろしながらハールーンと旅するも途中ではぐれてしまい。
    またまた男の子に出会うけど今度はハールーンと違いちょと情けないタイプ?のラシード。
    しっかりしてるとこはあるしそれなりに頼れたけど。

    私的にはハールーンが好きです!(きっぱり)

    けれどみんなジャニの力を頼りにしつつ、自分で切り開かなければならない道は自分で決めて進んでいたしヒロミ自身も自分の魔力におぼれることなく成長している。

    ハールーンとの冒険が中途半端な気もするけれど、ラシードとの出会いと旅がジャニを成長させてくれたと思ってる。


    『えっへん』

    私もそんな風に威張れる成長したいな。もう遅いかしら(汗)

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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