新月が昇るまで3 - 夜明けの黒蛇 (C・NovelsFantasia も 1-8 新月が昇るまで 3)
- 中央公論新社 (2012年5月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784125012025
作品紹介・あらすじ
信じていた相棒ニムが悪魔と知り、衝撃と同時に、二人を結びつけていた強い友情に気づき動揺するジグ。一方ニムは、狂王の子を身ごもったシヴルの願いを受け、魔王たちの住む"夜明けの館"へと単身乗り込んでゆくのだった。シヴルを縛る悪魔を殺すために、そして、自らの過去と向かい合うために-二人と、狂王、さらには王国ヴァロドニア全体の運命が大きく動き出してゆく…人と神と悪魔の物語、大転換。
感想・レビュー・書評
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ニムとヘルムトが中心となって展開される3巻。
個人的にはニムの魅力がより一層深まり、ヘルムトの中の男の人の部分を垣間見ることができた。様々なことも明かされ読み応えのある1冊だったと思う。
アンゲルを召喚させ戦うことで背負うリスクが容赦なく突きつけられて、それでも戦うことからは逃れられない苦しさが伝わってくる。
そして悪魔である素性を明かしジグと喧嘩別れをしたニム。
依頼を受け自分と同じ悪魔に戦いを挑む。
その姿は彼の飄々とした中にある優しさにも見えて、代償を要求する容赦のない行動からは狂気が感じられた。
二つの側面が絡み合うような雰囲気が彼の魅力。加えて彼の過去もほんのりと語られ彼の魅力は深まった。
ジグは師との再会を果たしたりヘルムトの不器用な優しさと、苦悩などもあったり登場人物それぞれの心が揺れたような気がする。
終盤で起こる惨劇は衝撃的な展開。
次巻で完結だそうなので、続きを楽しみに待つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ニムとヘルムトのお話。
不器用なヘルムトが微笑ましかった。 -
巨大な金属製のバケモノ,アンゲルと対等以上に戦う神獣.
空に繋がれた鎖を断ち切られると
どうやら召喚者にダメージが行くらしい.
そしてすべての鎖が破壊されると….
今回は黒衣の暗殺者で大蛇の悪魔だったニムがメインですね.
飄々と生きているような彼のなんだかんだ.
どんどん悪魔も出てきてアレ.
しかしホントに救いがねぇなぁ.
どうやら次が最終巻だそうで
どういう結末に落ち着くのか.
もうここまで来たら最後全てがおじゃんになる系のエンディングが. -
神対人間、神対悪魔の戦いが始まろうとしている。
人間と悪魔は共闘できるのか。
ニムは悪魔なのに、やたら人間くさい行動をとる。
むしろ、人間が好きだと認めつつある。
狂王ヘルムトもシヴルの妊娠を機に人間らしさを出すようになってくる。
ジグも師匠アッシュールとの対戦を経て、恐れていた濡れ羽色の騎士とも対決する決心をする。
それぞれに、いろいろな心境の変化のあった巻だった。
天使ですら神を疑うような世界で、神とは一体何なのか、答えはあるのだろうか。 -
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新月が昇るまでシリーズの3巻目。
毎回そうなんだけど、登場人物が片っ端から死亡フラグを立てまくっていてつらい。
特に今回は表紙とあらすじを見た時点で「シヴルは運を使い果たした!!」と絶望した。深読みし過ぎでしょうか。
もはや誰一人助かる気がしない。でもそこが良い。そういうシリーズ。
著者の前作の世界観とリンクし始めて、ますます目が離せない。