物と心

著者 :
  • 東京大学出版会
3.67
  • (2)
  • (0)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 49
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130100328

作品紹介・あらすじ

存在と意識,身体と心という哲学の根本テーマをめぐって,こうした二元論の仮構をとり壊す意欲的試み.哲学者ばかりでなく,心理学者,生理学者,作家,言語学者の「心」の中にある前提を破る新たな論理を提起して話題を呼ぶ.

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 科学によって多くの理解が築かれたこの物理的な世界と、内面としての私たちの心や意識。この「物」と「心」の区別は、近代を経た私たちの心の奥底に染み付いて、世界の見方を規定している。でも、あらゆる見方がそうであるように、この見方にも何か死角があるのではないか。もうずいぶん長い間、ひっかかっているテーマである。

    この本は、物と心の分たれない世界の素描と言えるだろう。自分の触れてきた中ではモーリス・メルロ=ポンティやジェームズ・ギブソン、鈴木大拙や西田幾多郎をはじめ、現代の認知科学などの追求に近いものを感じる。哲学者の硬質な文章の向こうに、なにか穏やかで美しい風景が見える。

  • 日本の数少ない哲学者の一人の代表作

  • 東大京大教授が薦めるリスト100選抜

    No.33

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1921~1997。岡山県生まれ。東京帝国大学理学部物理学科卒業、海軍技術中尉となる。哲学を学ぶため、戦後に同大学文学部哲学科に再入学。卒業後、数度のアメリカ留学を経て、東京大学教養学部教授、放送大学教授を歴任。時間、自我、知覚などにおいて独自の哲学をうちたて、多くの後進に影響を与えた。

「2021年 『新視覚新論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大森荘蔵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×