内村鑑三とともに

著者 :
制作 : 川中子義勝 
  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130130929

作品紹介・あらすじ

内村鑑三とともに福音を信じ,真理のための戦いを戦い抜いた著者の心魂を吐露した30年に及ぶ記念講演集.内村鑑三生誕150周年を記念し新装版で待望の復刊.川中子義勝氏による解説を付す.

感想・レビュー・書評

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  • (08.15.2017)

    内村鑑三が矢内原忠雄の人生にどれだけ影響を与えたのか、ひしひしと伝わる一冊だった。

    "キリストでさえその道によらなければ世を救うことができなかったのに、われわれはそれ以外の道で世を救うことはできません。"

    時間を置いてもう一度読み返したい一冊。

  •  内村が闘った10の闘いの1つとして貧困!が出てくることは、目から鱗でした。確かにキリスト教独立伝道者として生計が立つはずはなく、万朝報を辞して月給100円を捨てるということはそういう意味なのです。やはり命を賭けた人生だと痛感しました。無教会派を攻撃する牧師の後に立った内村の、子供に虐められる蛙の譬えによる平安と慰めに満ちた言葉は、立場を超えて感動的であり、見習いたいものです。内村が死去する直前の塚本虎二との誤解、そして塚本を心配する藤井武など他の弟子たちの愛情などは、内村の人間味と仲間の素晴らしさを改めて教えられました。矢内原が弟子だといいつつも、先生が怖い存在であり、石原兵永のように身近に接したわけではないという距離感の説明が興味深かったです。

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著者プロフィール

矢内原忠雄

一八九三(明治二六)年、愛媛県生まれ。旧制一高時代に、内村鑑三の聖書研究会に入会、同校長の新渡戸稲造の影響を受ける。一九一七(大正六)年、東京帝国大学法学部卒業。一九二〇(大正九)年、同経済学部助教授に就任。一九三七(昭和一二)年、「中央公論」で日中戦争を批判する「国家の理想」を発表し、全文削除の処分を受けたことを契機に辞任。一九三八(昭和一三)年、伝道用雑誌「嘉信」を発行。戦後に復職し、一九五一(昭和二六)年、戦後二代目の総長(新生東京大学としては初代)となり、六年間務める。総長就任の翌年に警察手帳を奪った学生が学内で逮捕されるというポポロ事件が起こり、大学の自治を主張するとともに学生運動の暴力主義を諫めた。代表作に『植民及び植民政策』『帝国主義下の台湾』,『南洋群島の研究』『キリスト教入門』『マルクス主義とキリスト教』 『矢内原忠雄全集』 (全二九巻)。一九六一(昭和三六)年没。

「2019年 『イエス伝 マルコ伝による』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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