日本の教師文化

制作 : 稲垣 忠彦  久富 善之 

• 東京大学出版会 (1994年1月1日発売)

作品紹介・あらすじ

本書は、教師文化を主題とする学際的な共同研究の報告であるが、とりわけ、教育社会学的研究と、教育実践研究とを交錯させつつ、教師文化研究の中心的課題に迫ることを目指している。

感想・レビュー・書評

[naokinさんの感想 · 2009年5月30日]

５章 教師の実践的思考とその伝承
　一節　熟練教師と初任教師の比較研究
　初任教師と熟練教師の授業では、方法や発話にどのような違いがあるのかについての研究である。熟練教師の方がテーマについての発話が多く、授業展開も即興的に多くのことを考えて行われている。また、授業展開の推論についても、熟練教師のほうが子どもの学習に敏感に関わっており、積極的にその状況での問題や意味を解決しようとする姿勢が見られる。熟練教師は、即興で考え言語化することができるが、さらにその言語が誰にでもわかる日常語を使いつつ、自分の言葉で語っている点が見られる。