ライフスタイルの社会学: データからみる日本社会の多様な格差

著者 :
  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130561129

作品紹介・あらすじ

美容,食事,趣味,恋愛,結婚,就職,仕事,そして幸福感――人びとのライフスタイルの諸領域にも社会的な格差があるのだろうか? あるとすればそれは拡大しているのか,それとも縮小しているのか? 社会階層論の立場からデータを駆使してライフスタイル格差の問題にチャレンジする.

感想・レビュー・書評

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  • ツッコミどころが多くて好きじゃない。

  • 容姿がよいと得をするのか、何人と交際すると結婚できるのか、学歴かコネか・・職業威信に食物威信等々、ライフスタイル格差につながる可能性のある9つの要素についてリサーチクエスチョンを立て、仮説を設定し、丁寧に調査する。その結果をもってライフスタイルの格差を論じるという、なかなか面白い本。
    下世話なテーマがちゃんとした学術書の体で書かれているので、実は手の込んだパロディなんじゃないかとすら思ったくらい。
    導き出された結論は”文化の発展のためにはある程度の格差は必要”論に近いが、不快な上から目線は感じない。むしろ著者はコンプレックスあってそれに正面からアプローチしているのかなと思わせる。

    [more]<blockquote>P82 オムニボア(雑食)とユニボア(偏食) 女性ほど、年配者ほど、未婚利子別者ほど、都市在住者ほど、オムニボア的な文化活動を実行
    ただしオムニボアとユニボアでは、促進・阻害するメカニズムが異なる可能性がある。

    P162 幸福感と満足度は異なる規定要因とメカニズムを持った別種の心理である可能性が高い。そのため幸福感と満足度は、いわばよく似た姉妹のようなもので、一見すると似ているが別人なのかもしれず、そうだとすれば幸福感を満足度で代替させることには慎重さが求められるはずである。

    P174 個人化社会=多様なのに階層格差がない社会

    P177 平等社会、階層化社会、個人化社会は地球上にお行ける極地のようなものである。空気はきれいかもしれないが気候が厳しすぎて住むには適さない。多少空気が汚いが温暖な地域=格差社会という雑多だが人間臭い土地を目指す必要がある。豊かなライフスタイルを我々が享受するには、ある程度の個人格差とある程度のグループ間格差を伴った社会を我々には受け入れることが求められているのかもしれない。
    </blockquote>

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著者プロフィール

成蹊大学文学部教授

「2020年 『嗜好品の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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