- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140016176
作品紹介・あらすじ
日本語の言語としての特質を知ることは日本語を効果的に使うためにも、外国語を学ぶ上でも、重要なことである。また、言葉は文化を背負っているものであるから、日本語の特質をさぐることは日本文化への理解を深めることでもある。漢字をはじめ多くの外来語を取り入れながら発達してきた日本語の発音・表記・語彙・文法などに現れた独特の性格を、外国語とも比較しながら明快に説く。
感想・レビュー・書評
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日本語には生理作用についてはのんきだが、心的作用には詳しく規定する言語。
懐かしいという表現は英語独語では一言ではない。
日本語の音節によるメロディへの乗せ方なども興味深く読んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本語の勘所。
みゃみゅみょの音のおもしろさ。
語弊の偏り方はその国によるところ。
星の話は少ないのに植物や虫の名前が多いところ。
漢字も珍しく木や魚が多いこと。
日本語からその癖をよみとれて大変知的興奮がある。 -
ー美しい日本語を再発見するー
日本語の特質を他の言語と比較しながら、わかり易く説明している。特に外国人研究者の書籍からの引用が多く、我々日本人以上に日本人を理解していると感じると共に、今後、関連書籍を読んでみたいと思った。
自然現象や人間の感性に関して多くの語彙があるのは、日本人が本来それらを恐れ、尊んでいたからに他ならない。中でも印象的だったのは、「いる」と「ある」との違いである。前者は心を有する霊的な存在、後者はただのモノであり、英語ではどちらも区別は無い。
日本語は孤立した言語とも言われるが、西欧各国の言語が似ているのと同じように、ある意味、日本語の方言が同じような意味合いを持つのかも知れない。即ち日本列島に、一つの語族に相当する複数言語が混在しているという事だ。
日本語に省略形が多いのも、敢えて言わない美徳を重んずる気質と、それを可能にする民族の単一性に起源があるのだろう。
日本語の美しさを再発見出来た。 -
日本語と外国語の比較を通して、日本語の発音、表記、語彙、文法、表現が持っている特徴を説明した本です。
著者が出演した「NHK大学講座」の内容に基づいているということで、たいへん分かりやすく書かれています。ただ、以前読んだ同じ著者の『日本語』〔新版〕(全2冊、岩波新書)と重複する内容が多かったのが、多少気になりました。 -
1991年初版。かなり古くなっているのか、図書館の保存書庫にあった。元々は昭和55年の半年に渡って、NHK教育テレビの大学講座の1つとして、「日本語の特質」として放送したものを活字化したもの。
内容は、世界の言語と日本語(比較言語学から?)、日本語の発音(拍、母音と子音等)、日本語の表記(文字の使い分け、漢字)日本語の語彙(語彙の数、自然・生活・人間・家と社会・単語)、文法、表現の6章。
日本語の1つの論としてまとまっていると思う。 -
日本語教師を目指すなら、金田一春彦の本は読んでおかなければと思い、ブックオフで買いました。
昔の本だけあって、考え方が最近の日本語学とは若干異なり、戸惑いながら読みました。
でも、敬語に関する金田一先生の考え方はとても精確で斬新で読んでよかったと思いました。 -
個人的にも非常に楽しめたし、
日本語を教える身としても勉強になりました。
ただ期待されている読者の漢字の知識水準が上なのか、
二・三読めない漢字がありました…。
私、まだ漢字はできる方だと思うんだけど。
途中で出てきた「おられる」について。
私が長年誤用(もしくは関西方面の方言)だと信じていた言葉だったので
金田一先生が使用していたのは衝撃だった。
調べた結果、
どうも間違いではないらしい。
「おる」は「いる」の古語的表現であるため。
(と、ここにメモ書きしておく)
そうか…。 -
日本人は、外国語を学ぶ前に、少し母国語を考える必要があるのではないか。<br>
日本語学をかじりたい。だけど、難しい用語はだるい。そんな方々にこの本はお薦めです。話し言葉の優しい口調で書かれていて、とても読みやすいです。日本語を母語としてもっているなら、読むべきです。
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きっと日本語は素晴らしいと感じるはず。