- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140017906
作品紹介・あらすじ
現実とは異なる時空間に、無数の「ありうる世界」が実在している…西欧中世の神学者たちが唱えた、この途方もない考えは、今世紀、可能世界論という名称で、現代哲学に再登場する。なぜ、現実以外の他の世界を考えるのか?可能世界とは何か?その実在は信じられるか?量子論や宇宙論など、科学の発想と可能世界論を結びつけると、生命や宇宙の謎に対し、どのような照明が投げかけられるのか?-ソクラテス以来の西欧形而上学の正統を受け継ぐ可能世界論、その学問的射程を探り、「存在」や「自己」の不思議さに、従来の哲学書とは違った角度で迫る。
感想・レビュー・書評
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分哲になじみの無い人間に進められる。途中からの話の飛躍ぶりはどこまで本気なのかわからないが、状ふだんにしろスリリングである
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修論のテーマがモダリティ(「~かもしれない」「~であるはずだ」「~してもよい」「~しなくてはならない」みたいな主観的判断)にちょこっと関係していたので可能世界意味論に興味をもって本書を手に取ったのが……7年前?
前半部分だけ読んで読みさしになっていたのをはじめから通読してみた。
可能世界論は、「無数に存在する世界」を量化することにより、モダリティのような主観的判断を形式論理学の俎上に載せることに成功した。
が、「可能世界」とはどのような世界か?
「我々が想像<しうる>あらゆる世界」?
常識的に可能世界を定義しようとすると、定義の中に可能性のモダリティ表現が出てくる。
可能世界はモダリティを記述するためのものなのに、可能世界を記述するためにモダリティが用いられる……。
この循環を抜け出すための方策は、可能世界を「実在する無限個のパラレルワールド(的な空間)」と定義し直すことだ(と、ルイスさんという哲学者が唱えた)。
論理をきちんと整理しようとすれば、パラレルワールド(的な空間)は実在すると認めざるを得なくなる……論理が世界を定義するという異様な事態……
哲学者たちの濃厚かつ真剣な議論を、ほんのちょっとだけでも覗き見ることができて知的な興奮を楽しめた。 -
様相論理を説明するために導入された<可能世界>という概念がどういった哲学的問題を解決するか、その射程を明らかにするとともにこれによって新たにどのような困難が発生するかについて書かれた本です。同書でも言及されていますが、可能世界論は論理的にあり得た世界そのすべてを体系的に扱う理論であり、量子論の「状態の重ねあわせ」に対するひとつの態度である「多世界解釈」ととても相性が良さそうに思えます。「標準論理」という論理学のスタンダードな論理・推論規則とは趣きの異なる量子論のために構築された「量子論理」というものが存在することを知ったのは個人的に収穫でした。
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通勤時間に読むには荷が重かった…一応哲学専攻なのに。ずーん。家でじっくり読もう。
「考えうる」って本当にどんな状態なんでしょう…? -
こんな世界観があったとは。。。哲学、論理学を学ぶことの愉悦感に浸れる一冊。ただし理解するには何度も読み直す必要あり。
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なんで今の自分は今の自分であって、今の自分じゃない自分じゃなかったんだろう?でも、それで良かったかもしれない。
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ちょっと難しい。