十字架とダビデの星: 隠れユダヤ教徒の500年 (NHKブックス 854)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140018545

作品紹介・あらすじ

追放か洗礼かを迫る15世紀末の「ユダヤ教徒追放令」により、キリスト教に改宗したイベリア半島のユダヤ人たち。表面的には「十字架」に帰依するように見せかけながらも、心の奥底で密かに「ダビデの星」を信じ続けた彼らは、異端審問所の執拗な追及に怯え、「マラーノ(豚)」と蔑まれながら、やがて世界中に離散していく。ヨーロッパはもとより、ブラジル、インドへ-マラーノの足跡を辿る大陸から大陸へのフィールドワークを通して、十字架の価値感による世界史が隠蔽してきた新たな歴史の絵模様を、生き生きとした筆致で描出する、筆者渾身の力作。

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  • マラーノとは、15世紀末に強制的にキリスト教に改宗させられたユダヤ教徒。隠れユダヤ教徒は今世紀まで続いた。

  • [ 内容 ]
    追放か洗礼かを迫る15世紀末の「ユダヤ教徒追放令」により、キリスト教に改宗したイベリア半島のユダヤ人たち。
    表面的には「十字架」に帰依するように見せかけながらも、心の奥底で密かに「ダビデの星」を信じ続けた彼らは、異端審問所の執拗な追及に怯え、「マラーノ(豚)」と蔑まれながら、やがて世界中に離散していく。
    ヨーロッパはもとより、ブラジル、インドへ―マラーノの足跡を辿る大陸から大陸へのフィールドワークを通して、十字架の価値感による世界史が隠蔽してきた新たな歴史の絵模様を、生き生きとした筆致で描出する、筆者渾身の力作。

    [ 目次 ]
    1 「十字架の世界史」の陰に(マラーノ論の展開―アドルノ、ハイマン、そしてレバ;ブラジルの驚き;インド幻想紀行)
    2 寛容都市アムステルダム(レンブラントとマラーノ;スピノザは何処にいるのか;アムステルダムの破壊的性格)
    3 「マラーノの国」再訪(生き続ける過去―1997年ポルトガルの旅から;ドーナ・エミリアの不安)

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著者プロフィール

小岸 昭(こぎし・あきら)
1937年北海道生まれ。1963年京都大学文学部独文科修士課程修了。京都大学総合人間学部教授を経て、同大学名誉教授。1965年日本ゲーテ賞受賞。1995年「日本・ユダヤ文化研究会(現神戸・ユダヤ文化研究会)」創設。2001年「ブレーメン館」創設(札幌)。〓
著書・訳書にデッシャー『水晶の夜』(人文書院)、『スペインを追われたユダヤ人』(人文書院、ちくま学芸文庫)、『隠れユダヤ教徒と隠れキリシタン』(人文書院)、『離散するユダヤ人』(岩波新書)、ウルフ『「アンネ・フランク」を超えて』(梅津真と共訳、岩波書店)、ハイマン著、シェプス編『死か洗礼か』(梅津真と共訳、行路社)ほか多数。

「2021年 『中国・開封のユダヤ人 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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