- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140055342
作品紹介・あらすじ
NHK大河ドラマ「篤姫」の原作者が描く、主人公・天璋院篤姫の波瀾の生涯。
感想・レビュー・書評
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大河ドラマの原作にもなった小説『天璋院篤姫』とはまた違った面白さがありました。
宮尾登美子さんなりの篤姫に対する考察を読むことが出来てとてもよかったです。
実際にどんなことを考え、何を感じ、何をしたのか。史料からは分からない見えてこない部分を想像を膨らませて考える。そうやって、宮尾さんの小説が出来上がっていくんだなぁと思いました。 -
良かったです。
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大河ドラマで篤姫が放送されている当時、90歳を迎えようとしていた祖母が持っていた本。「読もうと思ったけどやっぱり字を追うのがしんどい」と譲ってもらいました。
当時の薩摩藩の状況、大奥とは、幕末の動乱とは・・篤姫の生きた時代の様子がよくわかる一冊。小説「篤姫」の場面場面への筆者の細やかな思いも書かれていて、深く掘り下げてくれる作品です。
読むのがしんどかったら、読んで聞かせてあげたらよかった・・・という後悔の思いとともに。 -
(2008.03.14読了)
小説「天璋院篤姫」の著者による随筆である。内容は、小説を随筆に書きなおしたという感じのもので、特に目新しいことはないように思う。
小説を書く上で役立った資料とか、ヒントになった史実とか、歴史家に期待したいような内容は特にありません。その辺の話は、歴史家の書いた本に当たるべきだったようです。史実とか、取材記、篤姫のエピソードの類を期待したのが間違いでした。
読みやすいので、小説上下二巻を読むのが億劫という方にはお勧めです。
●幾島の教え(46頁)
将軍の御台所となれば、何千人もの女中がひしめく大奥の主として、人々を統べていかねばならないのですから、それだけの覚悟が必要となります。ものは必ず一度で、はっきり言わねばならないし、一度言ったことを翻してはなりません。何かことがあれば、偏らず迷わず、正しい判断を下知しなければなりません。そうした心構えを、篤姫は幾島から厳しく叩き込まれます。
●大奥の制度を整えたのは春日局(75頁)
江戸城の大奥の制度を整えたのは、三代目家光の乳母として有名な春日局といわれています。
●勧行院の存在(158頁)
篤姫が何よりも腹立たしかったのは、和宮の傍らにいつも生母の勧行院がはべっており、和宮が悲嘆にくれるたびに背中をなでさすって優しく介抱していることでした。
篤姫は親がいつまでも付いているから、自然、宮のお覚悟も足らなくなる、と不満に思うのです。
●雛飾り(161頁)
雛壇を組むのは江戸のやり方であり、京では畳の上にじかに人形を置きます。理由は、お雛様が宮を見下ろしている形になるからだそうです。
●徳川慶喜(183頁)
徳川慶喜という人は確かに暗愚ではなく、むしろ時宜を見るにさとい非常に賢い人であったといえます。これは、ものの見方によるのですが、私が思うに、彼は多少非合理的ではあっても大恩を貫いて忠誠に生きるといった武士道精神的な人ではなく、非常に合理的な、いってみれば現代的な政治化タイプだったのでしょう。
●家定、家茂は毒殺(186頁)
篤姫にとって、慶喜は口とは裏腹に将軍職を虎視眈々と狙い続けた陰険な男であり、その野望を実現するための手段として、まず家定の命を縮め、次に家茂を亡き者にして、ついに目的を遂げたに違いない-これが篤姫の結論でした。
●大政奉還(192頁)
慶喜は、朝廷に大政奉還の上奏文を提出します。
「大政奉還」というのは、幕府が握っていた統治権を朝廷に返上するというものですが、この時点では、必ずしも徳川幕府の消滅と同じ意味ではありませんでした。
鳥羽伏見の戦いで、錦の御旗に驚いて、部下たちは置いたまま、さっさと船で江戸に帰還してしまった慶喜のふがいなさを思いながら、勝手な想像をしてみました。
島津斉彬や水戸斉昭が一橋慶喜を将軍につけようとしたのは、尊王思想を持つ水戸藩によって、大政奉還し、天皇による政権を目指したのではないかと思ってしまいます。
そのために、家定、家茂を殺害し、徳川慶喜を将軍につけたところで、待ってましたとばかりに、大政奉還し、天皇に実権が移ったところで、徳川慶喜は、江戸に戻り、おとなしくしていた、という風に思えます。
それにしても、天皇はなぜ京都から東京に移ってしまったのでしょうか?天皇は、代々京都で過ごしてきたのに。江戸風よりは、京風のほうが天皇にふさわしいのに。
(2008年3月17日・記) -
大河ドラマを見て、知りたくなった篤姫のこと。
テレビでは伝え切れてないこと、とか。
これから読み進めます。 -
読んだ日 2008.2(借:大村市民図書館)(08/96)
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大河ドラマの原作『天璋院篤姫』の著者が、篤姫の生涯について語った本。論拠となる出典などは明記せず、小説の裏話的。エピソードに関する思いの丈などを語っている。目新しさは少ないものの、大河ドラマと連動するものがあり、面白かった。
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天璋院篤姫の補足本みたいなもので、より細かいエピソードや、作者の主観が興味深い。作者の書き方にもよるだろうが、篤姫という人は、誠にあっぱれな人であったようだ。 勉強になりました。
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篤姫の生涯を「ですます調」でわかりやすく説明したもの。大奥のこともわかりやすく説明している。
篤姫と家定の夫婦仲や和宮との関係などはあくまで作者が「事実」から推し量り「こうだったのではないだろうか」と結論づけているだけで、真実のところはどうだったのか、やはりそれは誰にもわからないことで、わからないままでいいんだろうなということを実感した。歴史は事実のみで十分というか。