- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140815601
作品紹介・あらすじ
海洋に投棄された、想像を絶する量のプラスチックごみは、いまや食物連鎖の中にまで入りこんでいる。微粒子・ボトルキャップ・レジ袋は、海鳥や海棲哺乳類の餌にまぎれ、遺棄漁具は、生き物にからみついて死に追いやっている。すべての命の源である海は、知らぬ間に、使い捨て社会のごみ捨て場になってしまった-。この流れを止めるエコロジカルなイノベーションとは何か?プラスチック普及の歴史から、その毒性、生分解性樹脂の開発まで、海洋ごみ第一人者が調査船での冒険談を交えて、徹底的に解明する。
感想・レビュー・書評
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たぶん訳された方がとても上手だったのだと思います。内容だけでなく文章が魅力的で引き込まれます。
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一人の活動家が海洋ゴミ問題を認識したところからはじまり、そこから海洋ゴミ、特にプラスチック、マイクロプラスチックの科学的調査での不屈の取り組みを描く読みもの。2012年出版ということで道半ば感はあるけれど、今日のグローバルでのプラスチック規制が強化されている現在の視点からそこに至るまでの経緯が単純なものではないということ、そしてプラスチックそのものに限らずフタル酸エステルやビスフェノールAといった各種化学物質規制の背景も掴めたりして樹脂業界に身を置く者としても大いに勉強になった。
ケミカルリサイクル(本書中では「化学的リサイクル」)への期待が無邪気に過ぎるなど多少のアラはあるにしても、海洋ゴミやプラスチック規制をプロジェクトX的なドラマ的なものも含めておさえるにはちょうどよい一冊かと。 -
今年(2018年)になって急に報道が増えた「プラ・ストロー廃止」報道。プラごみのことは昔から何度となく報道されるので「またか」と思ってたら、今年になって報道が止まらない。なぜだだろうと思ってまずは本書を読んでみた。
本書では20年ぐらい前からの著者たちの調査結果が含まれている。基本的に「海を汚すプラごみ反対!」という環境保護運動家的なところから始まっていますが、思っていたより著者は客観的で研究者に近い感じ。それでも、[プラごみ=悪]の立場なので偏った意見も多いが、プラスチックとは何なのか、20世紀初頭に人間が石油から人工的にプラスチックを作り出して世の中がどう変わっていったのか、という歴史も比較的分かりやすく正確に記述されているので有用な書物だと感じた。
プラスチックは世界の人々の生活改善に有用であることは間違いないし、実際に実現してきたことは間違いない。しかし、現代のプラスチックの生産量とその使い捨て消費社会による便利な社会、経済合理性を追求する社会は、そろそろ限界に来ているのかもしれない。ストロー廃止だけではその効果は微々たるものなわけで、それはあくまでシンボルに過ぎない。それで終わってはいけないだろう。
遠くの工場で大量生産した食品をプラスチック包装でスーパーに届け、消費者はそれを購入し仕事で忙しい合間にそれを食してまた仕事に戻る。経済の拡大のために誰もが効率を追い求めるグローバル社会に、経済合理性以外の指標を導入し、持続性を持たせる必要がありそうだ。地域で生産された食材を商店街で購入し、家でゆっくりと自分で料理して食べられるような余裕ある生活を少しでも拡大していくことが必要なのだろうか。 -
資料
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SDGs|目標14 海の豊かさを守ろう|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/58397 -
プラスチックスープの海
プラスチックごみ問題がかしましいですが、子ども用の調べ学習本は、プラスチックごみのどこがどうまずいのか、は説明してくれていません。
これは大人用の本ですから小学生には無理ですが、とりあえず司書は読んで、知識を持っていたほうがいいでしょう。
子どもたちには……その人が説明してやればいいだけのことですから。
知識や情報は、本を読まなくてもいいのです。耳から聞いても……。
2021/08/27 更新 -
開発目標12:つくる責任つかう責任
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50137952 -
海洋汚染が人間にどう悪影響を与えるのか突き止めるまでの研究の過程を書き記した本。
人間がいくら海洋汚染していても、それが人間に悪影響がなければ見向きもされないことが印象深かった。
魚の量よりプラスチックの量の方が多くなりそうだと言う事実に驚いた。
研究の始まりは、太平洋のど真ん中、地球の中で年から最も離れている場所になぜか大量のゴミが溜まっている場面を見てしまったことから始まる。