- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140817735
作品紹介・あらすじ
人類の未来に挑む、最後の書き下ろし!
天才理論物理学者ホーキング博士が生涯追い求めていたもの、それは誰にも解き明かされていない究極の問の答え(ビッグ・クエスチョン)だった。「人類は地球に住み続けるべきか?」「AIは人間を超えるか?」など10の難問への見解に加え、死の直前まで書き続けた未来を生きる人々への熱いメッセージ。累計100万部突破、世界40か国で刊行決定の話題作!
〈10のビッグ・クエスチョン〉
1 神は存在するのか?
2 宇宙はどのように始まったのか?
3 宇宙には人間のほかにも知的生命が存在するのか?
4 未来を予言することはできるのか?
5 ブラックホールの内部には何があるのか?
6 タイムトラベルは可能なのか?
7 人間は地球で生きていくべきなのか?
8 宇宙に植民地を建設するべきなのか?
9 人工知能は人間より賢くなるのか?
10 より良い未来のために何ができるのか?
感想・レビュー・書評
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#3620ー15ー51
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車椅子の科学者が人類の難問に答える。
知りたがりになろう。 -
ホーキングが生涯の最後に、次の世代に向けて書き残したかのような印象をうける。分量は体裁はかるい読み物だが、ホーキングは科学に対する信頼や底抜けの楽観主義とでもいうべきものによって、まさにビッグ・クエスチョンに真正面から取り組んでいる。
時空の始まりやブラックホールに関する章は、さすがに専門分野だけあって、噛み砕かれて書かれているものの難しい。一方、専門外のところはいたって読みやすい。ナノ宇宙船をレーザーでかっ飛ばして恒星間飛行をするプランは面白かった。アルファ・ケンタウリまで20年で行けるとか(止まれないのでフライバイするだけだが)。 -
2018年に亡くなられたホーキング博士が生前に書きおろされた最後の本。「神は存在するのか」、「宇宙はどのように始まったのか」、「宇宙には知的生命は存在するのか」、「タイムトラベルは可能か」、「人工知能は人間よりも賢くなるのか」、「ブラックホールの内部にはなにがあるのか」等々、10の難問に対するホーキング氏の見解が述べられています。
ホーキング氏はこれらの問題の「正解」を読者に与えようとするのではなく、敢えてちょっと過激な見解を述べることで、多くの人々にこれらの問題に関心を持ってもらい、自分なりの見解を持ってもらうことを望んでおられるように感じます。
「ビッグバン以前には”時間”そのものが存在しないのだから、”神”が宇宙を創造する時間もなかった。故に神の存在を問うことは無意味だ」、「コンピューターウィルスは生命であると考えるべきだ」、「核戦争、あるいは気候変動により次の1000年のいずれかの時点で地球は人間が住めない環境になるのは避けられないのではないか」、「人類は地球を離れて宇宙に目を向けなければ絶滅の危険にさらされる」、「人間が制御可能なAIでなければ、増大するテクノロジーの力とそれを利用する知恵との競争に敗れてしまう」など、警鐘を鳴らす見解が多いです。
AIにしても温暖化にしても、多くの人の無関心が最も危険であり、「科学を理解し、勇気をもって解決に向かて力を注ぐ世代が必要だ。勇気を持とう。知りたがりになろう。確固たる意志を持って困難を乗り越えてほしい」という一節が本書を通じて一番伝えたかった事ではないかと思います。
非常に広い分野にわたる問題を扱った本書の翻訳は青木薫さん。自然科学系の翻訳だったら、この人しないない!と思える人です。ホーキング氏と青木薫さんという組み合わせの本書、期待通りの内容でした。 -
諸事情により読みきれなかったため感想のみ。
分かりやすくユーモア溢れる部分も多いが、何を話しているかサッパリの部分もあり。
かといって置いてけぼり感もなく、よく分からないけどなんとなく聞いてみよう、と思える。 -
知識が足りなくてわからないことがたくさんあるけど、極力一般の人にも分かるように説明してくれていると思う。
宇宙にはすごく興味があるんだけど、宇宙について考えると死を感じることが多くて、怖くてなかなか読み進めることができなかった。 -
宇宙、、、ロマンあるわぁ。
何が面白いって宇宙というスケールの大きなものの神秘を解き明かすのに量子論というスケールの小さなものを扱う学問が絡んでいること。
宇宙からみると我々人類も(相対的には)小さな電子みたいなものだから波と粒子の二重性を持ってるんじゃなかろうか、、、だから頑張ったらワープできるはず!
以下、印象的なシーン
1. アイデアや仮説を思いつくことをけっして恐れてはいけない。
→ そんな雰囲気にしたい。もっと貪欲にやね。
2. ビッグバン以前には時間がないのだから、時間を遡ってもビッグバン以前には到達できない。
→ 妙に納得。ほんとにたまたま平衡状態が揺らいで宇宙が生まれたんだろうな。ちなみにエネルギーは保存されるからあえてビッグバンの前が無(エネルギーゼロ)の状態だと定義すると宇宙は正のエネルギーが大量に生まれそれと同時に負のエネルギーも生まれたことになるらしい。
3. 虚数時間には境界がないとしたら、宇宙の歴史はひとつだけではないだろう。
→ わたしにも虚数時間を掛けたら別の世界へ行けるのだろうか、、、
4. 粒子の波動関数には、その粒子について知りうることのすべて、すなわち位置と速度の両方が含まれている。私たちにできるのは粒子の位置と速度を予測することではなく、その粒子の波動関数を予測することだけなのだ。
→ 量子力学、大学時代に学んだけど結構面白かったなぁ。スーパーカミオカンデに行きたい。
5. ブラックホールには毛がない。
→ 別の情報ではブラックホールには毛が3本しかないらしい。ブラックホールを特徴付けるものは質量、角運動量、電荷しかないから。 -
前提の知識がないと、多少難しいけれど、ホーキング博士のユニークさと宇宙に対する情熱を感じさせる一冊だった。
■神は存在するのか?
彼は無神論者というより、「人格を持たない自然法則」として神を認識している。そういう意味で宗教的なものとは異なる。ただ、量子力学の誕生により「神ですらコントロールできない自然法則がある」という考え方をしているのがポイント。(そして未来が予言できない要因にもなる)
■宇宙の始まりは何か?
まず宇宙は本来11次元あり、私たちが見えない次元が沢山ある。ビッグバン以前は虚数時間による無境界世界だったという概念から、そもそも「宇宙の歴史は大量にあり、様々なパターンがある」と考えている。そして宇宙が始まる前は実数の時間ではないから考えることができない。
■ブラックホールとは?
ここが一番難解な内容だった。ブラックホールの周辺では圧倒的な質量により周辺の全てを飲み込み、光すら吸い込んで粉々にするため、大量の情報を持つ。一方で「スーパートランスレーション」という考え方で、ブラックホールから遠く離れた時空には無限に沢山の保存量が存在する、という理論が証明された。つまり、ここにブラックホールの情報の一部がエンコードされているのではないか?というもの。ブラックホールは単なる質量、電荷、角運動量の塊ではないのかもしれない。
■タイムトラベル
面白かったのは、ホーキング博士が昔「タイムトラベラーを招待するパーティー」を開いたが誰も来なかったというもの。もしタイムトラベラーなら、認知して来れたはず、ということだけど。こちらもパラドクスの話で、人は未来に行けても過去にはいけないことを述べている。例え行けたとしても、それは完全に自分が生きた過去ではない。なぜなら自分が行った時点で変わってしまうから。
■地球以外で暮らす可能性
このビジョンをホーキングが描いていたことは驚いた。まずは月にステーションを作り、続いて火星。また恒星旅行も検討して、マイクロチップを打ち上げてケンタウルスなどの恒星の方へ飛ばす計画も立てていた。研究だけでなく人類の移住ビジョンまで立てた計画を遂行していたことに驚いた。
■AIの可能性
シンギュラリティに対して、彼も警告を鳴らしている1人。機械が人を超えることはないと思う人たちもいるが、ホーキングは逆で、それは来ると考えているし、未来は科学とより共存すると唱えている。だからこそ、科学をより人が学ぶ必要性を訴えている。
難しい点も多かったけど、とても面白かった。 -
やっぱり物理は難しい。
現在中断して勉強中(^^;;) -
2階書架 : 440.4/HAW : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410165856