- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140840238
作品紹介・あらすじ
科学技術は、人類に多くの進歩と恩恵をもたらした。しかし同時に、人間疎外、自然環境の破壊、生命操作の危険性など、地球と人間性の未来を脅かしている。科学技術の進歩と人間性は、調和するだろうか。未来設計の倫理・哲学を提示する。
感想・レビュー・書評
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科学技術と倫理の問題について、東西両洋の思想史を渉猟しつつ考察している本です。
扱われているのがアクチュアルなテーマであるだけに、個別的な問題に対する著者自身の立場がそのつど明瞭に掲げられているわけではないので、あるいは迂遠な議論に終始していると感じる読者もいるかもしれません。しかしながら本書を読むと、現在求められているのが、自然と科学技術の相克という状況をイデオロギー的な判断に基づいて性急に批判することではなく、それらの問題が絡み合う現代的な位相に目を凝らし、価値や規範についてのどのような原則を見通せるのかという問題であることがよく理解できるのではないかと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
科学の発展は必ずしもよいことだけをもたらすわけではないし、そこにはいつも葛藤や摩擦が存在する。
道元、ハイデガー、鉄腕アトム、レイチェル・カーソン、ターザン、デカルト、ニーチェ、ガリバー旅行記、チャップリン、石牟礼道子。数々の先例を辿りながら、「無批判な科学信奉」と「ラディカルな文明批判」の間で揺れ動いてきた思想の歴史を追う。
結論は著者の掲げる環境倫理学の三原則に落ちていくので、「環境倫理学のすすめ」を併読するといいかもしれない。
自分が「明らかにおかしい」と思った社会批判のイシューは、すでに江戸時代に掲げられていたり…古典はいろんなことを教えてくれる、という気づきを与えてくれる。 -
2冊
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