マンガはなぜ面白いのか: その表現と文法 (NHKライブラリー 66)
- NHK出版 (1997年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140840665
感想・レビュー・書評
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請求記号・726.1/Na 資料ID・310004093
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マンガを読むのが苦手な私に、マンガの読み方を少し解き明かしてくれた本です。マンガをよく知らない人にも十分楽しめるわかりやすい解説本です。そして、マンガをよく知っている人なら、解説されている作品を思い出し、作者と自分の読み方を比べてみることもできます。
私はこの本で紹介されたマンガのうち、読みたいものをいくつか買いました。象徴的なシーンで好き嫌いを判断したので、概ねそれらはあたりでした。普段読んでいるマンガと違うものを読みたい場合にもこの本は役立つと思います。
なぜ私はマンガが苦手だったかはこちら http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120307/1331102324 -
■この本を知ったきっかけ
著者の本を読みたくて探しててみつけた。
■読もうと思ったわけ
マンガの文法をちゃんと理解したくて。 -
何かに書かれていたのだけど、夏目さんの本はマンガについての評論の入口を、丁寧に紹介してくれるという感じで、とても分かりやすい。
十年以上前の本だけど、語られているのは今でも納得できる。
もちろん、他の本ですでに読んだことのあるような論旨もあるけど、それをひっくるめても面白い。
マンガ、特に考えられているマンガというのは、構造的に読むとこれほど計算されて書かれているのか、というのが分かる。
漫画という表現を読み込んでいくための取っ掛かりとしても読めると思う。 -
マンガを分析的に読むとき、物語について述べられることが最も多いと思う。
そうではなく、マンガはマンガの文法にのっとって読むべきで、絵とかオノマトペの効果なんかに注目しようと言うのが夏目先生のマンガ表現論。 -
読んでいるときはそこまで深いことは考えなかった…(市立図)20080902
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まず日本語は「音と絵の交差する性格、時間と空間がすぐに交換できる性格」を持っていて、「漢字という画像的な文字を日本(倭)の言葉で訓ずるという方法は、漢字と日本語を不可分に結びつけていて、日常的に絵を言葉に訳し、言葉を絵に移しかえる作業を日本人にさせている」(p180)という特徴を見い出す。
その上で、戦後日本マンガが編み出していった「絵と言葉の近さ」「時間分節の緩さ」「空白の活用」といった特徴は、日本語の時間的なものと空間的なものの近さと関連があるとする。その妥当性には留保がつけられているけど、とても面白い説だと思った。
ただマンガの表現技法と、社会との関連付けについては「印象論」という感じもするので、この方面での理論の深化はこの本が出たあとの10年でどうなったのか…ほかの関連書籍も読んでみたくなった。 -
知らないマンガが多いけど、手法が時代とともに成熟・分化していくこと、日本以外のマンガ表現はどうなっておるのか、興味深いことが多くたのしくよめました。