ひきこもる 小さな哲学者たちへ (生活人新書)

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 86
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140880173

作品紹介・あらすじ

欠乏を生きた大人たちの適応スタイル、生き方や価値観が今、子どもたちを苦しめている。豊かさが生み出す多量の商品や情報や教育のなかで、心の力と感性を求めて苦闘する子ども・若者たち。彼らが、学生相談カウンセラーに伝えたメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    社会とズレていると言われる若者たちの実態。若者たちは自らにひきこもり苦悩することで、自分の心と社会の空気を入れ替えているのかも。

  • 色々な形で引きこもりをしてきた自分はいったい何だったのだろう、と思って手に取った。解答集のような目次だけで、ささくれ立った心のトゲが抜かれるよう。目の前の事から一歩離れて見ると、あせる心が少し落ち着いて向きあえる気がしてくる。

  • 情報が多すぎる社会になってしまった現代では、情報が乏しかった時代のやり方はもう通用しない。ひきこもる子供たちは社会が無理に明るくふるまってきた分、人間に必要な参籠する作業をしているにすぎない。親にも勧めたい本だけど、今まさにひきこもる人たちに読んでほしい。そして自分の行動に自信を持ってほしいと思う。

  • ~110728
    確かに、豊かすぎる時代を生きるのは未知で、子どもにとっても難しいことなんだろうな。肯定することの大切さを感じられます。

  • 筆者はカウンセラーの視点から、時代と共に変わりつつある子供達へ大人が取るべき対応を丁寧に書いています。
    時代は戦争を経て「欠乏の時代」から「豊かな時代」へ移り変わりました。
    今はなんでも我が身に取り込む時代ではなく、溢れる情報の中から必要な情報を選ばなければならない時代です。そして子供達が日々抱える問題も同時に変わっています。
    子育て中の方に薦めたい一冊。

  • 欠乏の苦しさから解放された私たちは、現代社会の「豊かさ」の中でどう生きていくのか。物や情報があふれ、溺れそうになり、無気力感やニヒリズムに陥るかもしれないが、どう向かい合い、豊かさの適応していくか。たくさんの選択肢から、自分が本当に求めているもの、必要なもの、満足をもたらすものを見抜き、選び取るためには・・・

  • 【内容情報】(「BOOK」データベースより)
    欠乏を生きた大人たちの適応スタイル、生き方や価値観が今、子どもたちを苦しめている。豊かさが生み出す多量の商品や情報や教育のなかで、心の力と感性を求めて苦闘する子ども・若者たち。彼らが、学生相談カウンセラーに伝えたメッセージ。

    【目次】(「BOOK」データベースより)
    1章 豊かさを生きる力とは/2章 「良い子」から「自らを恃む子」に/3章 教育が足りないのか、過剰なのか/4章 カウンセラーから見た「学校の七不思議」/5章 「ひきこもり」は哲学である/6章 「子どもという自然」とつきあう/7章 不要な「生き方」をいかに捨てるか

    【著者情報】(「BOOK」データベースより)
    小柳晴生(オヤナギハルオ)
    香川大学教育学部教授・保健管理センター所長。臨床心理士。1950年、石川県生まれ。学生相談カウンセラーとして22年、学生や子どもの心の声に耳を傾けてきた。言葉に込められた意味を読み解き、社会に伝えてゆくこともカウンセラーの仕事の一つと位置づけ活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 分類=社会・子供。02年1月。

  • 大学ホケカン(保健管理センター)でカウンセラーを務める教授が著す。「欠乏の時代」を生きる力ばかりが教育現場で求められ、その通りに真面目に育った子ほど、現代の「豊かな時代」を生き抜く力が欠乏しているという皮肉を分かりやすく書く。
    親向けのメッセージが多いかな。
    でもとても役に立つ。

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著者プロフィール

1950年、石川県生まれ。
金沢大学卒業、広島大学大学院修士課程修了。

広島大学および香川大学の保健管理センターで22年間、学生相談カウンセラーをつとめる。
2001年より香川大学教育学部に移る。
香川大学教育学部教授、保健管理センター所長、放送大学客員教授を経て今に至る。


カウンセラーとして人に「ゆっくり自分と付きあう時間」をもつことを援助していきながら、忙しさで自分を省みる余裕さえない“ねじれた”生活に疑問を感じるようになり、2005年に55歳で大学を早期退職――瀬戸内海が眺められる里山で「半隠居生活」に挑戦して17年になる。

「自分と付きあう時間」を味わう静かな生活をと思っていたものの、草刈りやストーブ用の薪づくりなどに振り回される毎日である。

2006年、日本人間性心理学会学会賞を受賞。


著書に『学生相談の「経験知」』〔垣内出版, 1999年〕、『ひきこもる小さな哲学者たちへ』〔NHK生活人新書, 2002年〕、『大人が立ちどまらなければ』〔NHK生活人新書, 2005年〕がある。

「2023年 『三歳までの子どものこころ相談室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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