ゲーム脳の恐怖 (生活人新書)

著者 :
  • 日本放送出版協会
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本棚登録 : 204
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140880364

作品紹介・あらすじ

子どもたち、若者たちに蔓延するテレビゲーム。著者は、脳への恐るべき影響を、脳波計測データを解析し、明らかにした。意欲、判断、情動抑制など、人間らしさを保つために重要な働きをする前頭前野が、ゲーム漬けで危機に瀕している。どうすれば回復させられるか。脳神経科学者からの警告。

感想・レビュー・書評

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  • 2012年11月22日読了。「ゲームをやりすぎることで感情の起伏に乏しくキレやすい『ゲーム脳』になってしまう!!」事象を現役の脳科学者が検証結果から説明し、2002年当時センセーションを巻き起こした本。私ももちろん存在は知っていたが「インチキ本」という世間(私の周囲、か)から読まずにきていたがここに来て読んでみた。「ゲームをする若者」に対する大人たちの漠然とした恐怖に「カガク」のお墨付きを与えたこの本は「売れセン」をついていると思うが、「恐怖」とタイトルにつけたり「脳がいい状態・ひどい状態」という表現を平気で文中で用いたり「野山を無邪気にはだしで駆け回る」ことを礼賛するそのセンスは、科学者というより「ハイジ脳」に侵された症状とでも言うべきか。いつの世も老人にとって若者というものがいかに理解しがたい・恐怖に満ちた存在なのか、ということがよく分かった。自分も気をつけよう。

  • 真偽はとにかく、提案が弱いなと感じました。

    ゲームで視覚野がフルに使われると前頭野の働きが低下する。幼い頃からゲームをやっていると前頭葉が鍛えられない。ゲーム脳の誕生。感情や意欲への影響が発生。だからゲームは中学生以上になってからやらせるべき。既に前頭葉の機能低下が見られる場合には、お手玉が良い。

    痴呆者とゲーム脳の脳波パターンが似ていることに関して結論がうまく読み取れ無かったが忘れることにした。

  •  もうこの本については語りつくされたような感があるが、やはり気になるのでレビューを書く。

    本書の問題点
    ・サンプルが少なすぎる
     少なくとも100人ぐらいの統計を取りたいところ。

    ・論理の飛躍
     本書によれば、ソフトウェア開発者は、コンピュータを長時間使用することから、ゲーム脳と同じような症状が見られるらしい。え?ソフトウェア開発には注意力や細かい作業が必要なのではないだろうか?

     また、人前で水を飲んだりパンを食べたりするのは脳の問題と述べられている。ところでアメリカを始め欧米では、女性が電車の中で化粧したり、カップルが人前でいちゃつくといった行為は普通。

     要するに、ソフトウェア開発者や欧米人は「脳がおかしい」と言いたいようです。彼らの目の前で「お前らの脳はおかしい!」と言ったら、きっと怒り心頭だろう。

    ・著者が脳波について認識不足
     著者によるとゲームをしているときにはα波が出るそうだが、これは痴呆症者(今は認知症者と言うべきだが…)に多く見られるので、これが「よくキレる」といった症状に代表される「ゲーム脳」の原因になっているらしい。つまり、ゲーマー=認知症患者と言いたい様子。

     ちなみに、α波は斉藤環氏に因れば目を閉じたときやリラックスした時にも発生する。 また「脳トレ」で有名な川島隆太氏は「ゲームは脳をリラックスさせる効用がある」とまで述べている。

    ・権威の悪用
     著者の森氏は日大文理学部の教授で運動生理学が専門分野だそうな。我々は大学教授が言うことは100%正しいと思いがちである。森氏はそれが虚偽であることを、自らに向けられるであろう批判を物ともせず、身をもって教えて下さった。先生のご高説は、私めなどには到底理解できません!素晴らしい!素晴らしすぎます!本当にありがとうございます!!

     ゲームのし過ぎは確かによくないと思うが、ゲームは全否定すべきものではないはず。ところで、本書の内容を真に受けることは、音楽活動をしている人を「音楽脳」、長距離トラックの運転手を「運転脳」、スポーツ選手を「スポーツ脳」と呼ぶのと同じようなことだと思った。

     これは世紀に残る素晴らしいトンデモ本である。

  • ゲームをしている状態がボケ老人と同じだよ!ってプロパガンダしている本

    目次
    <blockquote>1章 ゲーム中の驚くべき脳波の変化
    2章 人間らしさは前頭前野にあり
    3章 ゲーム中の脳波、四つのタイプ
    4章 β波を上昇させるゲームもあった!?
    5章 体を動かせば脳も動き始める
    6章 ゲーム脳人間とキレる脳のしくみ
    7章 健全な脳を育てるために、今できること
    </blockquote>
    えーと、まあ既にわかってることですが、ゲーム脳プロパガンダの本です。
    実際どうなの?ということですが、これだけでゲームが人に悪影響を及ぼすとは言いづらい。

    まぁ、他の脳科学本などを読んでいると、突っ込みどころが満載なのですが……そうですねぇ、まずデータそのものですが、これは正しいとしておきましょう。結果が間違ってるわけではないのです。
    しかし、その結果をあまりに安易に結論付けている。これがプロパガンダと言っているわけです。

    ゲーム中、β波が下がることについてですが、一つにはリラックス効果が挙げられると思います。本文中でもそうですが、リラックスしづらいホラー系ゲームの実験結果では、β波が逆にあがっていました。
    また、運動系ゲームについても、本のとおり、運動によって血流量の増大からともいえますね。
    このあたりは、他の本でも突込みがあるので、自分なりに突っ込めるとこを。

    下がったケースもそうですが、ゲームをしていない人としている人の違いは、一つに小脳による運動の記憶、要は慣れというのも大きい。慣れている人は意識的な動作をしないため、脳を使わず反射的に動作するようになる……し、同じようにβ波が下がるケースとして本を読んでいるときも挙げられていますよね。
    このあたり、ごまかすように「思考」が入るからちがう……などといってますが、ゲームは考えなくてもできるようなものばかりではないと思うのですよ。
    謎解きをベースとしたDSのゲームが出てる今、このあたりが偏向思想なのはわかると思いますが……。

    つまり、結局読む価値あまりなかったなぁ……これ。
    これをベースにゲームを辞めさせようというのって、脳に問題がある以前に社会性の面で影響があるような気がします。既に子供の社会はゲームというのが一面に出てます。自分らで言うと、テレビなしの生活をするようなもんです。テレビも視覚情報のみで、かつ考えることを取り除いてますから、恐らく同じようにβ波の下がった状態になると思うんですよね。本文中では全く触れていませんが……そっちも書いてしまうと、ゲームだけでなくテレビ脳の恐怖ということになるからなのかも知れませんけどね。
    でも、テレビなしで生活したほうがいい、テレビを見続けるととんでもない事になる……って言われても止める人はいないんじゃないかな。

    本文中にも書いてあるんですけど、学習は好きなことをやると脳がよく発達します。そうであるならば、ゲームにしろテレビにしろ、そこから有用な情報を好んで取り入れるならば、有害とは言えない。
    いろんなメディアが垂れ流す情報に対して、有用さを教えるのも、一つの教育なのではないかな……そんな気がします。

  • こうした論議をしてはいけないという参考にすべき本。池谷氏の脳科学の本を読むことをお勧めする。

    [private]池谷氏の脳科学の本の論じ方と比べると、この本の論じ方は、およそ科学的と思えない。偏見と思いこみに満ちていると思う。データの偏りがないことが示されていないし、データが読み終わったで、断言していることをベースに論議を進めているところもある。そもそもα波、β波の解釈は定説があるのだろうか?痴呆症とゲームをしている人のデータがたまたま一致しただけではないか?それが証拠に、高度に知的作業しているソフトウェア開発者の脳波も一致していた。こんなデータ論拠を元に進む議論は筆者の独断の解釈を元に演繹で論が進んでいるだけに見え、恐ろしくロジカルではない。この本の主張を再検証できる人はいるのだろうか?[/private]



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】
    ・新書がベスト
    ・ただし、このタイトルの主張するところに対して、最近、反例が出てきたんじゃなかったか?wired辺りの記事にあったような。

  • 脳波のグラフが表示され、丁寧に解説しているので説得力がある。

  • 3

  • ゲームが人間の脳を壊すということがデータでわかる。これまでなぜゲームはいけないのか?という問いに納得する答えが見つからなかった。しかし,本書を読めば,ゲームがいけないという趣意説明ができる。やはり事実(データ)を示されると納得する。無気力な子供が多いといわれる所以も,ゲームに起因している部分が多いようだ。一方,お手玉,けん玉などの昔ながらの日本の遊びは脳を鍛える。
    日本は和食もそうだが,これまでの歴史から学ぶところは大いにあるのだと思った。

  • ゲーム脳っぽいです。困ったもんだ

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