ひきこもりと家族トラウマ (生活人新書 155)

著者 :
  • NHK出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140881552

作品紹介・あらすじ

国内で一〇〇万人と呼ばれる「ひきこもり」は、アメリカ、ヨーロッパ諸国では見られない日本的な病である。人間関係の基本である親子の絆の喪失、いじめ、友人の裏切りで人間不信に陥った若者たち。その背後には、本音と建前が錯綜し、個人の感情を否定する「和の文化」があった。日本政府ひきこもり説、星一徹と星飛雄馬にみる親子関係…ひきこもり=「甘え」論に真っ向から対立する結論に注目。

感想・レビュー・書評

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  • ひきこもりについての誤解を解くきっかけに。怠けや精神障害ではなく、社会からの退避として起こる。親子間のコミュニケーション不全が原因で、周囲の期待に応えたいい子の人格が崩れ、本当の自分があらわれる。甘やかしではなく躾が厳しすぎ、親が無関心無感情。いじめで親が助けて、戦ってくれなかったので人間不信に陥っている。脱出は、親以外との外部との人間関係を結ぶこと。男女愛を育むこと。

    日本では甘えと見なされるひきこもりは、外国人には同情されるは衝撃的だ。世間体を気にして和を尊ぶ日本では個人の自由が否定され、自分のために生きられない。

    ひきこもりを犯罪者予備軍として叩くのは優しいが、正しく理解せねば同様の事件は減らないだろう。就職就学しているから我が子は大丈夫だと思ったら危ない。

  • あまり新しい本ではありませんが、書かれていることはこの本が出版されていることと現在とではあまり違いが感じられません。
    むしろ、ひきこもりという現象は、年齢が上がっている分だけ当時よりも現在のほうが増えているのではないかとさえ思われます。

    解決策…的なものを求めて読んでもだめですね。これを読んで、糸口が見える家族もあるかもしれませんが、全てのひきこもりがこれで解決することはないと思います。現状の解析にとどまる、といいますか。
    だから逆説的に、現状は当時よりも増えていると言うことも出来ましょうか。

    …微妙に著者が、「子供産まんきゃ社会人義務を果たさない」的考え方の持ち主のようで読んでいると、反感を感じます。
    数年前はまだそう言ってても許される環境だったのかな。
    今はそんな意見をあからさまに述べたら、ひきこもり対策云々以前に批判が来るのじゃないかなぁ、とウッスラ思いました。

  • アメリカ人は引きこもりを病気として見るが、日本人は怠けとしてみる。
    外国人は引きこもりに同情するが、日本人は同情しない。
    この大きな違いを理解することからまず、はじめる必要があると思う。

    全体としてはやや冗長な感じだが、鋭い指摘も多数あり。
    引きこもりの子と親が分かりあえるというホームドラマ的光景は幻想でしかない、「分かりあいたい」というのは、いまだに子供の心の傷を軽く見ている親のエゴでしかない、はその通り。
    人間は我慢するために生まれたのではありません、自分の幸福を追求するために生まれたのです。
    この言葉が反映される日本社会になるべきだが、残念ながらまだまだその道のりは遠いように思われます。

  • フォトリーディング&高速リーディング。鋭い引きこもりに関する分析。引きこもりは日本独特の、個人を生かさない文化に根ざした病。甘えでは無いとのこと。

  • ひきこもり関連の本やテレビのドキュメントはだいたい退屈で、
    なにかしっくりくるものがない。
    しかし、この本はすべてにおいて納得いった。
    主に、
    ひきこもり=「甘え」ではないと言っている。
    この考え方は会社の中にも応用できると思う。
    みんな、丁寧に教えること=甘やかしと思いすぎだ。

  • 国内で100万人と呼ばれる「引きこもり」。しかもその予備軍は、何百万もいると言われている。その原因と解決は? 

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