- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883730
作品紹介・あらすじ
グローバル恐慌、超円高、そして一向に収まらないデフレ不況…異常な状況では、もはや「経済の常識」は通用しない。積極財政から「大きな政府」まで、異端の発想にこそ突破口がある!いたずらに不安を煽る財政破綻説のウソを暴き、構造改革から消費増税までの諸政策を徹底批判。論壇を席巻する革命児が、脱デフレに向けた政策大逆転を提唱、小手先の「改革」を超えた変革のビジョンを力強く説く。
感想・レビュー・書評
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低成長あるいは不況と、デフレ不況とは別物なのです。(…)増税賛成派は、デフレを単なる不景気と誤認しており、デフレが絶対に避けなければならない異常事態であることを理解していません。14
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輸入原油、輸入食料そして消費税増税というコスト・プッシュのインフレは、物価を上昇させますが、需要を縮小させるデフレ圧力となります。40
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重工業が発展して起きた「第二次産業革命」以降、事業活動が飛躍的に大規模化したため、巨額の資金ニーズが発生し、金融市場の役割はますます重要になっていきました。よく、資本主義と市場経済が混同されますが、このふたつは必ずしも同じではありません。金融機能がない実物だけの市場経済は、資本主義ではないのです。60
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投資とは、現在においては「需要」、将来においては「供給」という、異時点の経済行動なのです。91
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エクルズは、財政の健全化は、国民所得の成長がなければ達成し得ないと認識していました。209
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エクルズは、課税を財源確保の手段としてではなく、資金の流れを調整するための手段として考えていたのです。210
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個人や企業であれば、破綻することはあるかもしれないが、合衆国のような人的・物質的資源を持っている国が、自国民から借りることで貧しくなることはあり得ない。われわれが貧しくなるとしたら、実質的な富の生産において、遊休の人員、資源、生産設備そして資源の有効活用に失敗することによってである。211
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デフレは異常な経済常態であり、現在の経済対策は「デフレ・レジーム」を元に考えられたものである。「インフレ・レジーム」にレジームチェンジすることが必要である。主張自体は正しいのかもしれないが、全体的に論拠が弱すぎる印象を受ける。論理が曖昧か、ただ他の著者の紹介に留まっていて、結論ありきな文章だと感じた。デフレレジームは民主主義の危機につながるという主張は面白い。
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長きに渡るデフレという忌むべき状況に悩まされている日本。バブル崩壊後、日本は、どのような過ちを犯してきたのか。「グローバル化することは、良いことだ」と疑わずに、信じ続ける大衆。この本が、多くの方に読まれることを切に願う。
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レジーム・チェンジが必要なんだ。安倍政権は、着実にレジーム・チェンジしているように思います。
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根拠はそんなにしっかりしていなかった
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資本主義制度で最悪の状態デフレの症状が説明され、その状態から脱却させる処方箋が書かれている。
インフレ経済から脱却する手法としてのデフレ・スキームをサッチャーなどが採用してきた過去の経験はあった。
インフレ退治するスキームであるデフレ・スキームをあろうことにデフレに悩む日本で数十年に渡って採用してきたと著者は指摘する。
ミンスキー、マリナー・S・エクルズ等の主張を参考に恐慌を突破する逆転の発想としてのレジーム・チェンジを先人の知恵を紹介しながら書かれたすぐれた著作である。
トックビルの言説を紹介し、自らこの本を出版したとしている。
とにかく、逆転の発想を紹介すべく、所謂、主流派経済学者が採用しない先人の知恵・知識をよく学ばれている中野剛志氏である。
最後に、氏の提唱するTPP亡国論も、デフレ・スキームの方策であることも理解できました(笑)。 -
現在の産業や経済が目指しているイノベーションや効率化が成長どころかデフレを生み出していることを指摘した本。
競争社会というのがそもそもの問題にある気がする。 -
デフレ克服のために積極的な金融緩和策を支持する一方で、その資金を国内で回すべく、政府による積極的な公共投資とそれを行うための大きな政府が必要との主張は、現在支配的な金融緩和によるデフレ克服論一辺倒の論調に一石を投じるものと思う。
国の借入が増大しても国家は破産しないという部分は少し勉強していれば当たり前の話だが、一方で公共投資を行うために、このままどの程度まで国債発行してもOKかという部分について、当然ケースバイケースなので明確化はできないものの、その部分の記述が薄いので筆者に聞いてみたい。 -
なかなか説得力はあった。
要は、公共投資を増やせば乗数効果で景気は良くなるということ。
日本国債は、国内の投資家が主に購入するから、バンバン発行すれば良い、という主張。
典型的なケインジアンかな。