終末の思想 (NHK出版新書)

著者 :
  • NHK出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140883983

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいるうちに暗澹たる気持ちになっていくこと請け合いである…本当に日本に未来はないのか!?

    食のことはよく分かりませんけれども、確かに今後、日本が成長していくなんてことはありえるんだらうか? ってなことは僕もよく考えることなのであるからして、今作は中途で飽きることなく一気に読めましたね…

    なんというか、戦前生まれの人の言うことには説得力があるような…普段、接する機会のない世代の人ですから…こういった著書を読んで少しは戦前生まれの人とコネクトしたい…みたいな気持ちにさせられる著書でした。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    著者の書いた小説なども読んでみましょうかね…あの有名な「火垂るの墓」の原作者なのですよ! 著者は…などと言ってみたところで、もはや現代には著者のことを知る人も少ないかもしれませんね…特に若人諸君は…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 戦争を体験したからこそ鳴らせる警鐘。
    豊かな時代しか知らない私には読んでいて共感できるところ、分からないところとあるけれどこの国がおかしな方向に向かっていることは感じているので色々と考えさせられた。
    農業の衰退、輸入任せの現在の状況は人が生きる上で必要な『食』すら自力で賄えない日本の歪な姿を分かりやすく浮き上がらせてくれました。
    文章の調子に馴染めないところもありますが未来を憂う警告の本として読みました。

  •  無から有を見出す、この本にはそうした一貫した流れがある。無。何もないという具体性。具体的な実感。そこから人は歩き始めなければならないと著者は言う。概念にばかり傾倒して具体を忘れた日本人に警鐘を鳴らしているのだ。
     桜は、これはもうあまりにも概念的な産物である。散り際の美しさは必ず何かのダシに用いられる。何かの演出に用いられるばかりだ。
     概念を捨てよ、具体から始めよと著者は言う。具体のつき詰まった先にあるのが、食うことである。食うことを大切にし、食べ物を大切にし、食べ物に対する知恵を粗末にするなというのである。そしてその先にある我々自身の身体と生活もだ。

     言葉遣いは固く、またかなり独特だが、なんのことはない。「土を離れて、人間は生きられないのよ!」(ナウシカ)
     これである。

     素晴らしい目のつけどころだが、なんとなくキライなので星1つ。

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著者プロフィール

野坂昭如

一九三〇年(昭和五)神奈川県生まれ。親戚の養子となり神戸に育つ。四五年の空襲で養父を失い、のち、実家に引き取られる。旧制新潟高校から早稲田大学第一文学部仏文科に進むが、五七年中退。CMソング作詞家、放送作家などさまざまな職を経て、六三年「エロ事師たち」で作家デビュー。六八年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞を、九七年『同心円』で吉川英治文学賞を、二〇〇二年『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞。そのほか『骨餓身峠死人葛』『戦争童話集』『一九四五・夏・神戸』など多くの著書がある。二〇一〇年(平成二十七)死去。

「2020年 『「終戦日記」を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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