- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883983
感想・レビュー・書評
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読んでいるうちに暗澹たる気持ちになっていくこと請け合いである…本当に日本に未来はないのか!?
食のことはよく分かりませんけれども、確かに今後、日本が成長していくなんてことはありえるんだらうか? ってなことは僕もよく考えることなのであるからして、今作は中途で飽きることなく一気に読めましたね…
なんというか、戦前生まれの人の言うことには説得力があるような…普段、接する機会のない世代の人ですから…こういった著書を読んで少しは戦前生まれの人とコネクトしたい…みたいな気持ちにさせられる著書でした。
ヽ(・ω・)/ズコー
著者の書いた小説なども読んでみましょうかね…あの有名な「火垂るの墓」の原作者なのですよ! 著者は…などと言ってみたところで、もはや現代には著者のことを知る人も少ないかもしれませんね…特に若人諸君は…おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦争を体験したからこそ鳴らせる警鐘。
豊かな時代しか知らない私には読んでいて共感できるところ、分からないところとあるけれどこの国がおかしな方向に向かっていることは感じているので色々と考えさせられた。
農業の衰退、輸入任せの現在の状況は人が生きる上で必要な『食』すら自力で賄えない日本の歪な姿を分かりやすく浮き上がらせてくれました。
文章の調子に馴染めないところもありますが未来を憂う警告の本として読みました。 -
無から有を見出す、この本にはそうした一貫した流れがある。無。何もないという具体性。具体的な実感。そこから人は歩き始めなければならないと著者は言う。概念にばかり傾倒して具体を忘れた日本人に警鐘を鳴らしているのだ。
桜は、これはもうあまりにも概念的な産物である。散り際の美しさは必ず何かのダシに用いられる。何かの演出に用いられるばかりだ。
概念を捨てよ、具体から始めよと著者は言う。具体のつき詰まった先にあるのが、食うことである。食うことを大切にし、食べ物を大切にし、食べ物に対する知恵を粗末にするなというのである。そしてその先にある我々自身の身体と生活もだ。
言葉遣いは固く、またかなり独特だが、なんのことはない。「土を離れて、人間は生きられないのよ!」(ナウシカ)
これである。
素晴らしい目のつけどころだが、なんとなくキライなので星1つ。