試験に出る哲学―「センター試験」で西洋思想に入門する (NHK出版新書 563)
- NHK出版 (2018年9月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885635
感想・レビュー・書評
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センター試験!
なんと懐かしい響きだろう!
そして、高校「倫理」の科目も。
地理も公民も得意で、好きだったし、教員免許だってあるのに、しかも公務員試験で勉強し直したはずなのに、キルケゴールもヤスパースも、大陸合理論もイギリス経験論もごっちゃごちゃ。
ちゃんと覚えているのは、「無知の知」くらい。
言葉としては、洞窟のイドラ、超人、神は死んだ、タブラ・ラサ、なんてものは覚えているけれど、選択せよ、と言われるとちょっと怪しい。
でも、自分で興味を持って、絵を描いて、100分de名著を見る......何より楽しんで向き合ってみると、一旦頭のどこかに散らかっていたものが戻ってくる気がする。
これが生涯学習、反復練習の意義だなあと思うのだ。
さて、ディオゲネスの逸話で、『ONE PIECE』の初期の物語を思い出した。
宝箱にすっぽり入ってしまった男の話だ。
あるいは中島京子の『樽とタタン』。
繋がっていく記憶は面白い。
哲学は暗記科目、かもしれない。
どうせ使わない、かもしれない。
しかし、すぐ使える知識はすぐ使えなくなる。
スピードを求めるなら、回り道に見えるような道を行く方が早い場合もある。
センター試験の問題も、なかなか凝っていて、解いていて楽しかった。
人生は、思想でできている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「試験に出る」というタイトルから受験生向けかと思うとさにあらず。
センター試験に出たことのある哲学の問題から著者が厳選して集めた問題を取っ掛かりとして広く浅く西洋思想が学べわる仕組みになっている。
小難しい話は置いといて西洋思想ってどんなもん?と気軽に読める入門書。
難しくは無いけれど中身は充実。
巻末のブックガイドがとてと重宝でありがたい。 -
812
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古代から近代までの主要な哲学の辿った道を簡単に学ぶことができた。
近代になると科学技術が哲学の領域に大きく影響を及ぼしているように感じて、小難しく理解が難しいと思った。 -
130-S
閲覧新書 -
どこかのブックガイドから。たまたま今、ちょっとずつ哲学用語図鑑を読み進めているところだったから、タイミングとしてもバッチリかな。本新書は、あちらの図鑑から更に主要な人物にターゲットを絞り、一方で、その各人についてはもう少し掘り下げて解説する、みたいな結構。センター試験を縦軸にっていうのも、なるほど確かに、入門にはうってつけだな、と。高校卒業に至るまで、ほぼ全くノータッチの分野だから、まだまだ分からないことだらけ。けど、色んなところで目にしてきたあれやこれが、実は哲学思想から来ていた、みたいなことの多さに改めて感銘を受けた。もっと掘り下げてみないと、って気にもなる。
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センター試験の倫理の問題を各章の冒頭にかかげて、西洋哲学史をいろどる思想家たちについての基本的な解説をおこなっている本です。
読者自身が哲学の問題に直面して考えるということを重視する、教養主義的な態度とはまったくかけ離れたスタイルの入門書です。著者の文章は、受験参考書的なわかりやすさが感じられる説明のしかたになっており、西洋哲学史についてざっくりとした知識を得ることのできます。これもまた、入門書が果たすべき目的のひとつではあるはずです。
巻末にはブックガイドが付されているので、より踏み込んで勉強してみたいという読者は、そこからもっと深く哲学の世界に入っていくことができるのではないかと思います。 -
現代の成人の多くが通った「センター試験」という入り口を構えることで、日本人には馴染みの薄い哲学への入門を誘う一冊。
内容も試験形式で設問があり、それを解くことにより理解が確認できる方式を取っている。最初は解けなかった設問が解けるようになることで、しっかりと満足感を得やすい哲学入門書になっている。
おすすめの西洋哲学入門書として、ここに記録しておきたい。 -
とてもわかりやすい構成。東洋哲学版も読みたい。
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高校時代に倫理の学習をせず、その後も意識して学ばなかったため、知らないことだらけだった。
この手の本は抽象的な解説を字面を追って読んだだけでは、頭の中を通り過ぎていくだけになりがち。
本書は著者の分かりやすい解説を読んでから、冒頭のセンター試験問題を解いてみると、思いのほか正答でき、理解した気になることができた。