- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885673
感想・レビュー・書評
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2階書架 : W 009/YAS : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410162989
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健康状態は個々人によって異なり、どんな病気、それに対する医療行為にも絶対は無い。例えばよく聞く「あなたの余命はあと何年です」というのは、あくまで中央値を示しており、自分自身にそれが当てはまるとは限らない。そんな医療の不確実性をロジカルに解説しているのが本作。エビデンスベースで認められた医療は厳格な科学的検証に支えられており、その為にプロフェッショナルたちは日々努力を積み重ねている。一方で、巷ではお手軽なエセ医療が広まり、無知な人々はそれに飛びついてしまう…。これからの時代、一人ひとりが自分たちの健康に責任ある行動を取るべきだが、その前提となるリテラシーをまず高める必要があるだろう。まえがき・あとがきからは、そうした社会の実情を変えていきたいと願う著者の熱意を感じた。
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文字通り、医療は「不確実」であり、俗説に対して異を唱えるもの。
医師が書いたもので、内容的に面白みはないが、その分確実に信用できる感じ。 -
疫学の立場からの現代医療論。医療が万能でなく、それは将来にわたってもそうであるということは頷ける。が、同時にエビデンスが明らかでない医療行為は断固として認めない、というスタンスのようだ。最後のところには違和感あり。
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最新の科学的根拠を応用・実践して行われる医療のことを、科学的根拠に基づく医療(evidence based medicine)という。
「これさえ食べていれば」の罠
ベーコン二切れを我慢すべきか?
食事と健康の関係に意外性を求めるべきではない。「◯◯だけ食べて健康に」とか「△△というスーパーフード」といったお手軽な情報は、ほぼ無意味である。
かぜに抗菌薬はむしろ有害
抗菌薬は抗生物質ともいう。かぜはウィルス感染が主な原因である。抗菌薬は細菌には効果があるが、ウィルスには効果がない。つまり基本的にかぜには抗菌薬は無効である。
普通の人がビタミンCを常時摂取しても、かぜの予防には効果がないことが明らかにされている。
「トクホ」は要注意
略
トクホや機能性表示食品は病気の人々を対象にしていないという大前提がある。
略
医薬品のような大きな効果はない。
グルコサミンに効果なし
グルコサミンはアミノ酸の一種であり、関節の中に存在している。昔から健康食品として販売されているが、グルコサミンを経口摂取しても、関節の痛みを軽減する効果はないし、関節疾患の予防効果もない。
CTによる被曝量は胸部X線の百倍
がんはかかると覚悟せよ
略
家族であることを直接の原因として発生するがんは、がんの全体の約五%に過ぎない。 -
医師の人達からは、同様の意見をずっと聞いてきたが、データを元にエビデンスに基づく説明が素晴らしい。
ただ、結局メディア情報による誤った医療を信じる人には、本書は届かないだろうが。 -
最近、がん患者とやらになった。
家族はもちろんそれを知っているし、職場にも伏せてはおけない。
だから、最近、こういう本を人前で読むのに、ちょっと気を遣う。
周囲の人に、私が不安になっていると思わせてしまうのではないか、と。
筆者は臨床疫学の専門家。
臨床医学とは、患者の臨床データを集め、統計処理を施し、より確実な医療を探索する学問。
そして、その立場から出された命題が、書名でもある「医療は不確実なものである」ということだったのだが。
センセーショナルに見えるこの命題も、現代の医学でさえほとんどの病気の原因が不明であり、医療の効果になぜ個人差があるのかを説明できないのが現実だというから、納得せざるを得ない。
実際、自分の癌は再発するのかは、きっと私の主治医も、手術が終わって数か月の今の時点では何とも言えないわけで、身をもって医療の不確実性を味わったことになるのだろう。
この本のキーワードは、EBM(科学的根拠に基づく医療)。
患者の診療に最新かつ最良の科学的根拠に基づくのと同時に、患者の意向と臨床能力を統合して行う医療だという。
ここで目を引くのは「患者の意向」。
医師は専門的な見地から、治療法を提示するが、それを受け入れるかは患者だということ。
自分自身、手術直後、再発を予防するための再手術を提案され、手術のメリット、デメリットの説明を受け、選ぶことになった。
手術しないことを選んだのだが、正直、正しかったのか今一つ自信がない。
先日、首の血管からの人工透析を断って、透析再開の意向ももらしつつも、再開されることなくそのまま亡くなったという患者さんのことがニュースになった。
体の苦痛から、意思が揺れ動くことは、自分のこととしても想像できる。
患者の意向を尊重してもらえることは、間違いなくすばらしいことだ。
でも、患者として自己決定が十全にできるのかは、とても難しいと思う。
最後に頼るべきものは自分の治癒力ーとしても、そこまで自立した患者になれるかどうか。
で、患者としてどうあるべきかを考えるヒントを与えてくれた本書には感謝するが、やはり当事者として割り切れないのが、統計から割り出した事実と、患者の現実とのギャップ。
私は手術前に、おそらく良性腫瘍と言われていた。
もちろん、悪性である可能性も告げられていたし、切って病理検査をしてみないとわからないことは納得している。
同じようなケースのうち、「まれにがんのこともある」と書いてある本もあったのだが、その「まれ」なケースに当たってしまったわけだ。
確定した病名をググったら、国立がんセンターの希少がんセンターのページにつながってしまったほど。
統計的に、つまり、ある症状の患者の何パーセントの確率で○○病だ、と言われることと、当事者の感覚は全く違う。
当事者にとっては、0か100かとしてしか存在しない。
5年生存率なる、やはり統計的な数値があるけれど、これとどう付き合ったらいいか、いまだにモヤモヤしている。 -
EBM
診療ガイドライン
人はいずれ死ぬ。いずれガンにかかる
そんなとこを気にするよりもQOLを考える。
QOL向上のためには今から健康に気をつけるべきだ