実践 幸福学 科学はいかに「幸せ」を証明するか (NHK出版新書 612)

著者 :
  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140886120

作品紹介・あらすじ

日本はG7最下位の男性優位社会でも、女性の幸福度が圧倒的上。
その理由とは?
行動経済学の俊英が、科学的データをもとに「幸せ」のあり方を提唱する。

「幸せはお金では買えない?」「お金に執着する人は、不幸になりやすい?」「お金持ちは、貧乏な人よりも幸せ?」「自分にお金を使うより、他人に使ったほうが幸せになれる?」「結婚をすると幸せになる?」「幸運な人=幸せな人?」……こうした疑問に科学はどう答えるのか。行動経済学の専門家が、最新の「幸福学」の知見とデータをもとに、一人一人の特性に合った「幸せ」を提唱する。

感想・レビュー・書評

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  • 行動経済学の一分野「幸福の経済学」を専門とする著者(青山学院大学教授)が、幸福学の最前線を紹介する本。

    行動経済学自体、経済学と心理学を融合した学問だが、「幸福の経済学」はさらに学際的で、心理学、社会学、神経科学(脳科学)などとも密接な関係がある。

    本書は、それら諸分野の約150本の最新論文を参照し、まとめ上げたもの。
    ……というと難しそうに思えるかもしれないが、実際にはすごくわかりやすい。多くの図表を駆使し、項目ごとに「まとめ」をつけるなど、わかりやすさへの配慮が幾重にもなされているからだ。

    また、研究トピックの紹介についても、一般人の目を引くものを優先して選んでいる感じ。
    たとえば、美容整形を受けた人の幸福感がどれくらい改善されるかなどという、ある意味下世話で身も蓋もない話が、研究に基づいて紹介されるのだ。

    そして、タイトルに「実践」とあるように、これは「どうしたら幸福感が増すか?」の具体的Tipsを数多く集めた実用書でもある。

    たとえば、「ポジティブな感情を持てるように、自己をコントロールする訓練」として、「週に1回、その週を振り返って、よいことを五つずつ書いていく」ことが推奨されている。

    「感謝の気持ちを記す日記をつけましょう」というのは、嘘クセー自己啓発書にもよく書いてあること。ただ、本書はそれが効果が科学的に立証されていることをふまえている点が違う。

    それ以外にも、本書には自己啓発書的な記述がけっこうある。ただ、それらがエビデンスに裏付けされている点が、一般の自己啓発書とは違う。
    いわば、〝エビデンスのある自己啓発書〟なのだ。

    ただ、著者が行動経済学の研究者であるわりに、経済学にまつわる記述は少ない。それを期待した読者にとっては肩透かしかも。

  • 大学での学びで、ハピネスやウェルビーイングなどへの興味が再燃し、購読。
    とても分かりやすい説明で、タイトル通り幸福学に対する知見を深めることができた
    参考文献リストの分量が多く、その文章からも著者の誠実さが伝わってきて、素直に読み進めることができ、学びが多かった。
    あと、ヴィパッサナー瞑想にも言及しており、やはり効果があるのだと再認識した。

  • 集中して時間とって読めなかったこともあり、全体的に薄い印象。淡々と実験とその結果が出てくるので、ほおなるほど、みたいには思うけど、それ以上の感想はないかなと言う感じ。

    人生の季節の章はでも面白かった。自制心。マシュマロ実験。意味のある会話。接近目標。ジョブクラブティング。

  • 自分にはしっくりきた。
    自己啓発本だと作者の思考と思ってしまうが、研究や検査結果や数字などで表現されると納得できてしまう。自分に合う部分をピックアップして取り組んでいる。

  • 幸福について科学的知見をまとめた一冊。要するに、青い鳥はすぐそばに、ということだが、そこにいたるまでを具体案を出して説明してある。参考になることもたくさんあった。

  • ふむ

  • 江口先生のログ見て購入。
    マインドフルネス、オカルトっぽいなと食わず嫌いだった。
    自分の経験振り返ってみるとなかなか納得のいく感じがする。

  • 幸せになることを科学的なデータに基づいて、客観的にツラツラと説明している。
    マインドフルネスの瞑想なんかは、やり方を教えてもらっても効果的に実践するのは難しいと思う。
    幸せに感じるかどうかについて、50%遺伝で決まっているというのには驚いた。

  • <目次>
    第1章  誰がいったい幸せか
    第2章  幸せとは目指してつかむもの?
    第3章  幸せとはありのまま受け入れるもの?
    第4章  自分に合った幸せを見つける

    <目次>
    こういう本を手にしてしまうのは、自分の「幸せ」に疑問を感じているからなのかもしれない。ただスピリチアル系は嫌だ。宗教はもっと嫌だ。この本は科学的に実証されたことを中心に説いていく。ただ従来本よりも「マインドフルネス」系の話が多いかもしれない。それがブームなのかな?結論は、ポジティブな人の方が幸せを感じやすいし、他人と比較するものではないし、過去や未来ではなく、今で感じるべきものだということ。コミュニケーションをとりつつ、緩やかな関係の方がいいらしい。さほど難しくなさそうで結構難しい。

  • 幸せのために重要なことは、人生の価値観を持ち、感謝、親切の気持ちを忘れないこと。頭では分かっていてもなかなかできないことを、どうしたら少しでもできるようになるか、ヒントが詰まっています。
    happinessのhapには偶然、運という意味があるという。確かにhappeningという。偶然、運をプラスに捉えられるひとこそ、幸せというのはなかなかおもしろい。

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著者プロフィール

青山学院大学国際政治経済学部教授

「2022年 『外国人と共生するための実践ガイドブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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