歴史に好奇心 2006年12月-2007年1月 (NHK知るを楽しむ/木)

著者 :
制作 : 日本放送協会  日本放送出版協会 
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784141891628

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  • 小泉武夫著「日本酒なるほど物語」。「酒は人類の作ったうれしい文化のひとつ」と、冒頭に述べている。
     酒の製造と飲酒の様式が大衆化する以前が意味深である。「稲作の神をもてなす飲料」(94p)とするところが、奥深い。収穫の神に収穫の神事と宗教的儀礼、酒が結合している。

     正月にしろ、正月の酒にしろ、日本人の生活は「神」をそっちのけで暮らし、呑んでいる。
     酔うことが目的になり、呑む意味や日本酒のうまさが問われることの不足している点は、さびしい。

     なぜ、そうなっているのか。著者は、長い日本酒と国民の関係を丁寧に記載する。酒の専門職人化は奈良、酒の銘柄は平安、麹と造酒の一体化は江戸。

     近代は酒への課税の酷が指摘され、密造酒の精製と取り締まりのイタチごっこを伝える。庶民の哀歓、酒への楽しみと執念を見る思いがする。
     醸造酒、蒸留酒とあるなか、日本酒には「度胸がすわり、勇気がわいて、命さえ惜しくなるようなところがある」とする(152p)。
     日本酒の可能性を示しているのかも。ほかに、白幡洋三郎・尼﨑博正「京都名庭こう見てよし!」所収。(日本放送出版協会 2006年12月)。

  • ・京都名庭こう見てよし!2冊
    ・日本酒なるほど物語

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著者プロフィール

1949年、大阪府生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程在籍中に西ドイツ・ハノーファー工科大学に留学。京都大学農学部助手、国際日本文化研究センター助教授を経て、現在同センター教授。
著書に、『日本文化としての公園』(共著・八坂書房)、『プラトンハンター』(講談社/毎日出版文化賞奨励賞)、『近代都市公園史の研究』(思文閣出版)、『旅行ノススメ』(中公新書)、『カラオケ・アニメが世界をめぐる』(PHP研究所)、『大名庭園』(講談社)などがある。

「2011年 『都市歴史博覧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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