この人この世界 2009年2-3月 (NHK知るを楽しむ/月)

著者 :
制作 : 日本放送協会  日本放送出版協会 
  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784141895121

感想・レビュー・書評

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  •   馬場悠男著『「顔」ってなんだろう?』。解剖学、そして人類形態学。そういう領域の啓発書ということになるのであろう。
     確かに「十人十色」といえば、多くは性格ではなく「顔つき」ということになり、美形・美顔など配偶者選びのなかで、それなりのウェーとを占めるのかも知れない。

     動物にとって顔とはなにか。生殖・排泄・運動機能はともかく、それ以外の多くの器官が「顔に集中」という(20p)。これは解剖学的所見。確かに、そうである。
     猿人(700万年前)、原人(200万年前)、旧人(50万年前)、新人(5万年前)という進化過程(29-34p)が現在の研究水準らしい。

     「縄文顔と弥生顔」(40p)というのも、よく指摘される観点。一覧表があって「口元」「まぶた」「彫り」などの比較項目がある(41p)。弥生人の祖先はまず、自分たちで人口を増やし、弥生人70-80%、縄文人20-30%くらいの段階で両者の混血を開始したと、見る(50p)。

     最後に著者は書く、「顔を鍛えること」。よく噛んでということか。「農トレならぬ顔トレ」に「未来の私たちの顔の運命がかかっている」とする(134p)。
     (NHKこの人この世界 日本放送出版協会 2009年)。

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著者プロフィール

1945年東京都生まれ、神奈川県育ち。
現在、国立科学博物館名誉研究員、日本歯科大学客員教授
主な著書 『レジリエンス人類史』(共著、京都大学学術出版会、2022年)、『顔の進化』(講談社ブルーバックス、2021年)、『NHK スペシャル人類誕生』(監著、学研プラス、2018年)、『顔の百科事典』(共著、丸善出版、2015年)、『東叡山寛永寺徳川家御裏方霊廟』(共著、吉川弘文館、2012年)など。

「2022年 『復元イラストでみる!人類の進化と旧石器・縄文人のくらし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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