- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142230495
感想・レビュー・書評
-
今日はシンガポールは、Vesak Dayという祝日。なんの祝日なんだろうと思ったら、ブッダの誕生日なんですね。ロックダウンで外出もできないので、本箱に何かそれらしい本はないかと探してみたところ、ありました。
ブッダが80歳でこの世を去る際の「最後の旅」の様子を弟子たちがストーリー仕立てで記した「涅槃教」というお経についての解説です。誕生日なのに死ぬ前のお話を読むというのもなんなんのですが、これしか手元にないので仕方がない。
日本の仏教(大乗仏教)とは違い、もともとのブッダの教えには超人も出てきませんし、何かに祈って救ってもらうこともありません。お坊さんが葬式を仕切ることもありません。ただ、ちゃんと正しく生きましょうと言っているだけ。もともと仏教は人生論なんですよね。ブッダの最期の言葉も「もろもろのことは過ぎ去っていく。怠ることなく修行を完成せよ。」です。最後まで変わらない。
著者の佐々木閑さんの解説がとても分かりやすい。作家ではなく学者さんなのに、こんなにシンプルかるわかりやすく書けるなんてすごい。他の作品も読んでみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブッダの考え方は,意外と現実的だんだなと思った。もちろん,自分の力でなんとかしようというのもそうだけど,全員が出家しないといけないというわけではないし,時代の流れの中では変化していくとか。ブッダはリーダー(ある意味ブッダはリーダーだろう)に従うのではなく「全員で運営していけ」と言っているのがなんか印象的。
-
良い本でした。お釈迦様の言葉の紹介だけではちょっと意味が分からなかったり、厳しすぎたり聞こえるのですが、佐々木先生の解説でよく理解できました。下痢で苦しまれたとか、組織をつくることがうまかった、とか、面白いエピソードでした。
-
■書名
書名:『ブッダ 最期のことば』 2015年4月 (100分 de 名著)
著者:佐々木 閑
■概要
二千五百年滅びない教え
仏教の開祖ブッダの死後に編纂された「マハーパリニッバーナ・ス
ッタンタ(涅槃経)」には、ブッダの最期の姿が最も忠実に描かれて
いるという。ブッダが自らの死によって示した「人間の在り方」、
そして組織を長期にわたって維持・管理していくための“条件"を
読み解いていく。
(From amazon)
■感想
本当の仏教はいいですね。
「信じる者は、自分自身と教えのみ」という潔さ。
しかも面白いのは、二重構造になっており、出家者と在家者の区別
がしっかりついていること。
つまり、
●出家者(修行者)
・家は持たない。職も持たない。
・信じる者は、自分自身とブッダの教えのみ
●在家者(スポンサー)(俗物的な事もOK)
・出家者を助ければ助けるだけ、見返りがある。
という仕組みになっています。
この「見返り」が重要で、「見返り」が信じられてるから、この仕組み
が成り立っています。
つまり、「見返りが信じられなくなる」(修行者、仏教が信じられなくなる)
場合、仕組みは破たんします。
なので、修行者は、信頼をえるために「透明性」を大事にしており、
24時間寺を開けています。
(そもそも寺も、スポンサーの持ち物であり、修行者のではありません。)
実に考えられえている仕組みだと思います。
日本の税金も、本来、こういう風に透明性を保ち、国民が透明性で
信頼を判断できる仕組みであるべきなんですけどね。
どうしようもない、日本。
ブッダの教えのいい所は、救いを外にもとめていない事。
神とかではなく、自分自身で教えを考え、自分自身で道をみつける
事を説いている部分です。
宗教は嫌いですが、この修行僧、ブッダの考え方自体は好きです。
別にすべてを自己責任とう事ではなく、自分で考え自分で行動する
というのがやはり好きですね。
難しいですが、面白い教えだと思います。
日本の仏教ではなく、この仏教がいいです。
日本の仏教は、もはや金稼ぎ集団としてしか存在してないですからね。
本来の仏教では、お坊さんは、葬式もやらないし、金もとらないも
のですからね。
仏教は、宗派が広がりすぎていて、もはやなんでもありになっている
のはもったいないことです。
■自分がこの作品のPOPを作るとしたら?(最大5行)
仏教も大元に少しだけ触れてみませんか?
宗教嫌いの方は、ぜひ!
■気になった点
・社会的地位に本質的な価値は何もない。
・自分たちの当たり前が、犯罪として認識される場所もある。
・律は必要があれば変えてもいい。 -
(2015.05.05読了)(2015.03.26購入)
Eテレの100分de名著の放送テキストです。
「釈迦『最期のことば』」とか「ブッダ最後の旅」とか「涅槃経」とか呼ばれている本の紹介をしている本です。
「涅槃経」には、80歳でこの世を去ることになったブッダの「最後の旅」の様子がストーリー仕立てで描かれています。
「旅先で起った出来事や、旅の途中でブッダが弟子たちに残したメッセージ、ブッダの死を嘆き悲しむ弟子の様子、そしてお葬式の顛末などが書かれていて、一般的には「ブッダを追慕する経典」と捉えられています。」(6頁)
【目次】
【はじめに】仏教という宗教の本質を説く経典
第1回 涅槃への旅立ち
第2回 死んでも教えは残る
第3回 諸行無常を姿で示す
第4回 弟子たちへの遺言
●仏教(7頁)
ブッダの教えを守って堅実な生活を送りながら、煩悩を一つずつ消していって、一歩一歩悟りへと近づいていくのが仏教本来の目的です。
●涅槃(16頁)
涅槃には大きく分けて「悟りを開くこと」と、「その悟りを開いた人が死ぬこと」という二つの意味がありますが、「涅槃経」の涅槃は「死ぬ」方です。
●仏教とはなにか(19頁)
「ブッダ(仏)を信頼し、ブッダの教え(法)に従って暮らす修行者たちが、サンガ(僧)をつくって誠実に修行生活を送っている状態です」
●サンガの原風景(44頁)
ボロボロの衣を着て鉢を持ったお坊さんが、集団で野宿しながら暮らしている様子は想像してみると凄い光景ですが、実際、それがサンガの原風景なのです。
●ブッダ(51頁)
ブッダは、「全知全能の救済者などどこにもいない」という確信のもと、「普通の人間が自分の力で究極の安楽を見いだすにはどうしたらよいか」という問題を自力で解決し、それをまわりの人たちににも教えてくれた、一人の人間です。
●肉食(71頁)
「お坊さんは肉を食べてはいけないのでは?」と疑問を抱く方がいらっしゃるかもしれませんが、もともと仏教は肉食を禁じていません。肉を食べなくなったのは、ずっと後、大乗仏教になってからの話で、ブッダの時代は肉でも魚でも、いただいた食品はなんでも有難く食べていました。
☆関連図書(既読)
「お経の話」渡辺照宏著、岩波新書、1967.06.20
「釈尊物語」ひろさちや著、平凡社新書、1976.05.08
「釈迦と女とこの世の苦」瀬戸内寂聴著、NHK人間講座、2000.04.01
「ブッダ『真理のことば』」佐々木閑著、NHK出版、2011.09.01
「「いいこと」がいっぱい起こる!ブッダの言葉」植西聰著、王様文庫、2010.12.20
「般若心経」佐々木閑著、NHK出版、2013.01.01
「「色即是空」の研究」山本七平・増原良彦著、日本経済新聞社、1984.10.25
「生きて死ぬ智慧」柳澤桂子著・堀文子絵、小学館、2004.10.10
(2015年5月7日・記)
内容紹介(amazon)
二千五百年滅びない教え
仏教の開祖ブッダの死後に編纂された「マハーパリニッバーナ・スッタンタ(涅槃経)」には、ブッダの最期の姿が最も忠実に描かれているという。ブッダが自らの死によって示した「人間の在り方」、そして組織を長期にわたって維持・管理していくための“条件"を読み解いていく。 -
涅槃経を原始仏教の内容を含めて説明しておりわかりやすかった。良著。