別冊NHK100分de名著 読書の学校 苫野一徳 特別授業『社会契約論』 (別冊NHK100分de名著読書の学校)

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  • NHK出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784144072642

作品紹介・あらすじ

民主主義の原型を構想したルソーの思想。その本質を知り、私たちの社会を問い直す!

国家との「契約」とは? 「自由」の本当の意味とは? 民主主義の理念の起源とは? 現代社会の根源的課題を考えるうえで必読の名著『社会契約論』。ルソーの生きた時代、彼の思想、その人となり、生涯なども解説しながら、難解な本書を平易にときほぐす特別授業が、自由学園の生徒たちとのオンライン講義と対話で実現! ルソーの『社会契約論』は「哲学とは社会を考えるうえで、こんなに役立つのだ」という最高の実例だ。本書を読み進めながら、「よい社会の本質」にたどり着くための思考法を伝授する。
第1講 ルソーの読み方 その人生と思想
第2講 社会契約論の核心に触れる
第3講 「一般意志」を目指しつづけるということ
第4講 コロナ時代の新たな民主主義に向けて

感想・レビュー・書評

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  • 一般意志は個別意志の総和から衝突し合う私的な利益を差し引いて、みんなの利益になるものとして見出された合意。p.90

    一般意志はそれがみんなの利益をめざすものであるというその概念の定義上、常に正しい。みんなの利益をめざすものは政治的に正しい。一般意志はみんなの利益をめざすものだから政治的に正しい。p.87

    一般意志はすべての人の利益になる合意なので、誰かの自由を犠牲にする全体主義と同一視できない。p.67 ※アーレントは「同一視」しているのではなく、全体主義への道が潜んでいると指摘しているのでは。

    一般意志は実現しなければ意味のない原理ではなく、政治権力や法の正当性をはかる基準として意味をもつ。p.66

    国が滅ぼされると、せっかく手に入れた安全や自由を根こそぎ奪われるから、これを守るためには命をかける必要がある。自分たち以外にこの国を守ってくれる人はどこにもいない。「統治者が市民に《汝、国家のために死なねばならぬ》と言うときは、市民は死ななければならない(ルソー)」p.92

    ルソーが提示したのは哲学原理であり、ロベスピエールがやったのは原理主義。だから(独裁・恐怖政治の)ロベスピエールはルソーの後継者とはいえない。p.109

  • ルソー「社会契約論」を通して、高校生向けの講義録と(自由学園の)高校生との対話録などで、あっという間にルソー哲学のエッセンスが学べてしまう良書。

  • 社会契約論は人類の歴史を変えた本であると良くわかる

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000056899

  • 解説がとても分かり易い。社会契約論を読んでみようと思わせる一冊。学生たちとの対話も面白い。
    苫野先生の思想がちょこっと出てくる部分も深掘りして読んでみたくなった。

  • 「読書の学校・ルソー『社会契約論』」苫野一徳著、NHK出版、2020.12.30
    142p ¥880 C9490 (2021.01.13読了)(2020.11.26購入)

    【目次】
    はじめに いまなぜ『社会契約論』を読むのか
    第1講 ルソーの読み方 その人生と思想
    第2講 社会契約論の核心
    第3講 「よい社会」の根拠は「一般意志」にあり
    第4講 若者たちと考える『社会契約論』の可能性
    主要参考文献

    ☆関連図書(既読)
    「社会契約論」ルソー著・桑原武夫訳、岩波文庫、1954.12.25
    「孤独な散歩者の夢想」ルソー著・今野一雄訳、ワイド版岩波文庫、1991.01.24
    「ルソー『エミール』」西研著、NHK出版、2016.06.01
    (アマゾンより)
    民主主義の原型を構想したルソーの思想。その本質を知り、私たちの社会を問い直す!
    「社会契約」とは? 「自由」の本当の意味とは? 民主主義の理念の起源とは? 現代社会の根源的課題を考えるうえで必読の名著『社会契約論』。ルソーの生きた時代、彼の思想、その人となり、生涯なども解説しながら、難解な本書を平易にときほぐす特別授業が、自由学園の生徒たちとのオンライン講義と対話で実現! ルソーの『社会契約論』は「哲学とは社会を考えるうえで、こんなに役立つのだ」という最高の実例だ。本書を読み進めながら、「よい社会の本質」にたどり着くための思考法を伝授する。

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著者プロフィール

哲学者・教育学者。1980年生まれ。熊本大学大学院教育学研究科准教授。博士(教育学)。早稲田大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程修了。専攻は哲学・教育学。経済産業省「産業構造審議会」委員、熊本市教育委員のほか、全国の多くの自治体・学校等のアドバイザーを歴任。著書に『学問としての教育学』(日本評論社)、『「自由」はいかに可能か』(NHK出版)、『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)、『勉強するのは何のため?』(日本評論社)、『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマ―新書)、『「学校」をつくり直す』(河出新書)、『教育の力』(講談社現代新書)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)など多数。

「2022年 『子どもたちに民主主義を教えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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