NHK出版 学びのきほん はじめての利他学 (教養・文化シリーズ)
- NHK出版 (2022年4月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (119ページ)
- / ISBN・EAN: 9784144072802
作品紹介・あらすじ
他者だけでなく、自分も利する「利他」の本質とは。
「利他」という言葉は「自分ではなく、他者のためにおこなうこと」だと捉えられがちだ。しかし、日本の起源から利他を見つめ直してみると、それとは全く異なる姿が見えてくる。空海の「自利利他」、孔子の「仁」、中江藤樹の「虚」、二宮尊徳の「誠の道」、エーリッヒ・フロムの「愛」……彼らは利他をどのようにとらえ、それをどう実践して生きたのか。彼らの考える利他は、現代とどう違うのか。「自分」があってこその利他のちからとは、どんなものなのか。日本を代表する批評家が、危機の時代における「自他のつながり」に迫る、日本初・利他の入門書。
感想・レビュー・書評
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私も利他について勘違いしていました。利己の反対語かと思っていたが、そういう訳では無い。その説明から本書は始まります。利他とは自分を活かし他者も活かすこと。
誰でも場面ごとに自分を変えている時間の方が多いく、思ってもいないことを口にしながら生きることがある。と書かれています。確かにその通りかもしれない。
そのように自分を失ってしまえば、自分を愛することはできない。自分を愛することができなければ、他者を愛することもできない。つまり、利他を実行することができないということ。
著者は自分を深く信頼することが、自分を愛することにつながるとも言います。利他を実行するために信頼できる自分を形成していくようにする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
利他ということをこれまで勘違いしていたことに気付いた。自他他利は2つで1つ。そして、ここでも自分を信じること、自信を持つこと、そこから始まるということが書かれており、課題だなと思う。
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利他や愛について知ることができた。知るにとどまらず、実践につなげることの大事さも強調されている。
【私たちは、なぜ成功や名誉、富、権力に飲み込まれていくのか。それは、自分自身や他者と「つながる」前に、社会の価値と「つながる」からです。造られた成功、作られた幸福を真実だと思い込むからです。】
【自分の失ってしまえば、自分を愛することはできない。だから、自分ではないものに化けることは、愛を失う最初の大きな罠なのだ。】
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さまざまな場所、さまざまな時代に「利他」についてこんな考えが生まれたよ…という内容。その考えをもとに、どのように行動したり、マインドセットをもつかは読者次第。
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仏教について紐解いとあって
私には難しかったけど
だけど、利他ってこんなことから始まって広がっていたのかぁと知れた。
ふむふむと思いながら読んでみた。 -
自分は利己的であり、利他的になるにはどうすればよいか知りたくて読んだが、読んで良かった。
特に利己を得るために利他を行うとういうのが、腑に落ちた。独りよがりの利己を追うのではなく、利己となる利他を実践していきたいと思う -
自利利他。自分を信じること・自分を愛することと、他人を信じること・愛することは、繋がっている。
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成功、名誉、富、権力を求めるあまりに、人は、忘れてしまう。生まれながらにして持ってる、自分と他者を思いやる心を。
なんてことが昔の賢者の言葉が紹介されながら、語られている。
中高あたりでじっくり触れてほしい。「情報」なんてやってる場合じゃないよ。世界を救うのは、情報じゃなく、利他学だよー! -
若松さんの本にしては、正直なところ、期待外れだった。幾多の先人の、宝物のような言葉を散りばめてはあるが、それは「パッチワーク」以上のものではない。繰り返し語られている、「行」「実践」への架け橋をどう架けていくのかは、読んだ個々人に課せられた課題ではある。